リターンポイント

宿屋で夕食を食べながら、


マヘリア

「怒濤のような1日だったわね。」


ミレイ

「異常な光景でした。。。」


ヒナタ

「普通のレベル上げってどんな感じなんですか?」


マヘリア

「少なくとも、オーガが次々転がってくるようなことはないわね。」


ミレイ

「レベルが10を超えたら、1日で2上がることはまずないわ。」


ヒナタ

「私、今日だけでレベル20上がりましたけど、、、」


3人

「「「はぁ~~~~」」」


マヘリアさんもヒナタさんもレベル20を突破しました。

目標達成出来て良かったはずなんだけど、みんなドンヨリしている。


ヒナタ

「そう言えばレベル20になった時に、ちょっと変わったスキルを手に入れたんですよ。」


マヘリア

「基本的にスキルは言わない方がいいわよ。でも、まあ、相談にはのるわよ。」


ヒナタ

「すいません。

でも使い方を相談したくて。

『リターンポイント』って言うスキルなんです。『リターンポイントを設置できる。リターンポイントに戻る。』ってなってるんですけど、リターンポイントって何ですか?」


マヘリア

「『リターンポイント』か~。

聞いたことないわね。

トラベラーがレア職業だからね。

そのスキルはあまり知られていないわ。

でも解説をそのまま受けとるなら、移動系か配置系のスキルね。

後で安全な場所で試してみましょ。」


ヒナタ

「ありがとうございます。」



食後、僕たちは町外れの開けた場所に移動した。


マヘリア

「じゃあ、スキルを使ってみましょうか。

急に何処かに移動してしまう可能性もあるから、荷物はちゃんと持っておきなさい。」


ヒナタ

「わかりました。」


とりあえず、ヒナタさんに僕のマジックバックを1つ渡す。

中には食料などがたくさん入っている。

ヒナタさんは装備をつけたままだ。


ヒナタ

「リターンポイント!」


何も起きない。


マヘリア

「ヒナタちゃん、なんか変化ない?」


ヒナタ

「何も無さそうですけど、、、

あっ!? スキルのリターンポイントの横に『ベルフォーム郊外』って表示されました。」


マヘリア

「なるほどね、、、

もしかしたら、リターンポイントを設置して、離れた場所からでも、そのリターンポイントに移動出来るってスキルかもしれないわね。

実験しましょう。

ヒナタちゃん、アキラ君。

一度街の外まで行ってくれる。

そこでリターンポイントを使ってみて。」


ヒナタ

「わかりました。」


僕らは街の外まで走っていった。


そして、

ヒナタ

「リターンポイント!」


視界が白く輝き、、、

眼を開けるとマヘリアさんとミレイさんがいた。


ヒナタ

「すごい・・・。」


マヘリア

「凄過ぎるわね。

もう少し能力の詳細は調べる必要があるけど、おそらく指定した場所に瞬間移動出来るってことよね。

こんなスキルを持っていることが広まれば、いろんなところから狙われるわよ。」


ヒナタ

「それは言い過ぎじゃあ、、、」


マヘリア

「オーバーじゃないわ。

商人にとっては輸送コストが半分になるのよ。非常に魅力的よ。

軍事面でも有効に使えるわ。

可能性は広がる一方よ。

それにもし、もう1人トラベラーを確保出来れば瞬間移動で往復させることも可能よ。

羨ましい限りよ。」


ミレイ

「それにレベル20でこれほど優秀なスキルが手に入ったんです。30、40に至った時にどんなスキルを覚えるかも興味が尽きません。」


ヒナタ

「私、、、」


マヘリア

「じっくり考えなさい。

あなたには大きな可能性があるから。」


ヒナタ

「私の可能性、、、」


その後、いくつかのテストを行った。


わかったことは、

・リターンポイントの再設置は何度でも可能

・リターンポイントに転移する時はMPを消費する

・一緒に戻れるのはヒナタを中心に多少の範囲を含む。魔動車はギリOK。

・転移できる距離の限界は不明。


もしパエルモの街にリターンポイントがあれば、ここからでも一瞬で帰られる訳だ。

間違いなく、むちゃくちゃ便利なスキルだね。

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