ベルフォームに着く前に

明日にはベルフォームに到着する。

僕は海鮮への期待に胸膨らませながら、横になりうとうとしているとマヘリアさんとヒナタさんが話を始めた。


マヘリア

「明日にはベルフォームに到着するわ。」


ヒナタ

「ありがとうございます。」


マヘリア

「そこは気にしなくていいわよ。

でもね、私たちがベルフォームに滞在するのは1週間程度なの。

ヒナタちゃんはその間に今後のことを考えてみて。」


ヒナタ

「今後のこと、、、」


マヘリア

「そう、今後のこと。

ざっくり言えば、

私たちについて来るか、

別れるかってことね。

どっちにしてもヒナタちゃんの判断よ。

ベルフォームに滞在している間の宿代はアキラ君が払ってくれるから安心して。

その間にじっくり考えてみて。」


ヒナタ

「マヘリアさんにお願いしたら、コーラル商会で雇ってもらうことも出来るんですか?」


マヘリア

「ええ、それは問題ないわ。

もちろん、勤務態度に問題があれば解雇の可能性はあるけど、普通に働いてくれるなら大丈夫よ。」


ヒナタ

「ありがとうございます。」


マヘリア

「気にしないで。

打算もあるからね。

異世界人は私たちにない知識や考え方を持っているわ。

それがお金になる場合もあるからね。

それにヒナタちゃんはトラベラーっていうレアな職業だから、それだけでも雇う価値はあるわ。

当然、ウチ以外でもヒナタちゃんがことを雇いたいって人はいると思うわよ。」


ヒナタ

「でも、その雇いたいと言う人が善人かどうかはわからないってことですよね。」


マヘリア

「そうね。

あえて言えば、私も善人かどうかはわからないわよ。

この国の法律を犯すつもりはないけど、私の行動がヒナタちゃんの価値観に合致するとは限らないわ。

善人かどうかを優先するなら、アキラ君に雇ってもらうのもありよ。価値観は近いでしょうから。」


ヒナタ

「アキラさんは飲食店を経営したいんですよね。元の世界に帰りたい、とかって無いんですかね?」


マヘリア

「う~ん、

本人に直接聞いたことは無いけど、もう元の世界への未練は断ち切って、この世界で生きていくことを受け入れている感じね。

ヒナタちゃんもその点は考えなさいね。

何を第一に考えるか。

どこまで妥協するか。」


ヒナタ

「わかりました。

私も考えてみます。」


マヘリア

「そうね。

まぁ街を見て、いろいろ考えなさい。

街に行くのは初めてでしょ。」


ヒナタ

「はい。楽しみです。」


マヘリア

「さて、そろそろ寝ましょ。」



そして翌日。

昼過ぎには街に到着。


港町だね。

風の匂いも海の香り。

潮風を感じる。

街は赤い屋根が美しい。


遠くに行き交う船が見える。

アカツキ王国からの船かな?


街を歩く人たちもパエルモとは違うね。

パエルモよりも商人や冒険者の比率が高い気がする。



まずは宿屋にチェックイン。

マヘリアさんは何度か使っている宿らしい。

『ホテルサンセット』

部屋は3つ。

マヘリアさんとミレイさん。

ヒナタさん。

僕とモンスターたち。


マヘリアさんの商談は明日かららしい。

今日は街を案内してくれた。

街は港を中心に発展している。


リズムリア王国各地の産品が集まり輸出されていく。そしてアカツキ王国をはじめ、輸入品が上陸している。ここからリズムリア王国の王都を中心に運ばれていく。



輸入食品のお店に行くと、、、

ありました!

醤油!

味噌!

テンション爆上げ。


もちろん買いますよ!

大量に買い込む。

全てマジックバックに。


お店の人はびっくりしてたけど、気にしません。本能のままに買っていく。


昆布と干し貝柱も発見!

旨味の塊だよ。


でも鰹節はなかった。

加工が難しいのかな?

確かに鰹節は作るのに工程が多いし、時間もかかるからな~。


どんどん買っていく。

マジックバックを手に入れてから、自制心がなくなっているかもしれない。


僕が気に入った食品はマヘリアさんが出来るだけ仕入れルートを作ってくれるらしい。

楽しみだね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る