女子高生
ある程度食べ終えた。
まだ女子高生は眠ったままだ。
ダメージがわからないので、一応回復魔法をかけた。
女子高生の体が淡い光に包まれ、光が落ち着いた。
女子高生
「う、う~ん。ここは?」
マヘリア
「あら、気がついたのね。
大丈夫?
ここは私たちの夜営地よ。
寝るのはこの魔動車の中だけどね。」
女子高生
「魔動車?」
マヘリア
「魔力で動く車よ。
それよりも、あなたの名前は?」
女子高生
「生島陽菜です。」
マヘリア
「私はマヘリア。
よろしくね、ヒナタ。
こっちがミレイ。私の護衛ね。
それと、こっちはアキラ。」
僕
「よろしくお願いします。
これ食べますか?
パン粥です。」
ヒナタ
「ありがとうございます。」
マヘリア
「慌てないでね。
久しぶりの食事でしょ。
ゆっくり食べてね。」
ヒナタがフーフーしながらゆっくり食べていく。
久しぶりの温かい食事に落ち着いたのか、ポロポロと泣き始めた。
ヒナタ
「わたし、、、わたし、、、」
泣きながら言葉を洩らす。
嗚咽で何を言っているのかはわからない。
ヒナタさんが落ち着くのを待つ。
・
・
・
マヘリア
「少し落ち着いた?
服も体もどろどろだから、洗って着替えましょ。リンちゃんとドラちゃんを借りるわね。」
リンとドラが飛びながら、大きな布をカーテンのように広げる。マヘリアさんとミレイさんが色々手伝っているようだ。
持ってきた水と石鹸で洗っているらしい。
もちろん、覗かないよ!
紳士ですから。
待っている間にホットミルクを用意する。
蜂蜜たっぷりの甘いやつだ。
甘いホットミルクは心を落ち着けてくれると思うんだ。
しばらく待つと3人が戻ってきた。
ヒナタさんもきれいになっていた。
クリっとした目に肩ぐらいの髪。
美人というよりかわいい系。
たぶん学校では人気があったと思う。
服も制服からこの世界の服に着替えている。
マヘリア
「少しは落ち着いた?」
ヒナタ
「はい。
急に泣いたりして、すいませんでした。」
マヘリア
「いいのよ。
大変だったんでしょ。
少し状況を教えてくれない?」
ヒナタ
「学校の帰りに、
急に辺りが光ったと思ったら、
森の中にいました。
本当なんです!」
マヘリア
「ええ、信じるわ。
あなたの洋服は私たちの物とは全然違ってたもの。
ヒナタは異世界人ね。
ごくたまに異世界からこの世界にやって来る人がいるのは有名な話よ。」
ヒナタ
「そうなんですか、、、
それで森の中を歩いていたら、
モンスターが出てきて、それで、とにかく走って逃げて、、、
夜は草影に隠れて寝ました。
何度もモンスターが出てきて、走って逃げてを繰り返して、気がついたら、ここで眠ってました。」
マヘリア
「ヒナタは運がいいのか、
素早さが高いのか。
普通は何の備えも無しに森で一晩生き残れないわ。」
僕
「一度ステータスを確認した方がいいね。
『ステータス』って言えば自分のステータスを確認出来るよ。」
ヒナタ
「『ステータス』・・・凄い!?
なんか文字が出てきました!
トラベラー、レベル1。。。」
僕
「職業やレベルは不用意に人に公開しない方がいいよ。
レアな職業とかだと、人さらいに襲われるケースもあるからね。」
ヒナタ
「人さらいなんているんですか?」
僕
「この世界には人さらいも山賊もいるよ。
うっかりしてると簡単に殺されたり、奴隷にされたりするからね。」
ヒナタ
「そんな、、、本当ですか?」
マヘリア
「本当よ。幸い、今いるリズムリア王国は治安の良い国だから、比較的少ないけどね。
私が護衛にミレイを連れているのもそういうことよ。
アキラ君、どうする?」
僕は頷く。
僕
「僕も異世界人なんだ。」
ヒナタ
「えっ!?」
僕
「本当だよ。
僕の場合はクラス全員で転移したけどね。」
ヒナタ
「クラス全員、、、
もしかして双葉高校ですか?」
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