暇過ぎて

「暇だ、、、」


みんなレストランで修行をしている。

お店が完成するまで、やることがなくなってしまった。


どうする?

近場のモンスターを狩りまくるのは止めた方がいいだろうな~。

なら、ワイバーンでも狩ってくるかな。

お店出来るの数ヶ月先だから、今狩っても使えないよな~。


そんなことを考えていると、


コンコンコン

ノックの音。


「マヘリアだけど、

アキラ君、入っていい?」


マヘリアさんだ。


「どうぞ~。」

ドアを開けて招き入れた。


マヘリア

「暇してるんじゃないかと思ってさ~。

時間ある?」


「ちょうど暇だし、ワイバーンでも狩ってこようかと考えてたところです。」


マヘリア

「ワイバーンは暇潰しに倒すようなモンスターじゃないわよ、普通は。

それより、時間があるなら、私の依頼聞いてくれない?」


「どんな依頼ですか?」


マヘリア

「明後日から父さんと私は王都に向けて出発するの。それで、父さんはそのまま王都で仕事をして、私はベルフォームまで行く予定なの。

それで、アキラ君には王都からベルフォームまでの護衛をお願いしたいのよ。」


「でも護衛ならバニングさんたちがいるじゃないですか。」


マヘリア

「バニングたちは父さんの護衛として王都に残したいのよ。いくら治安が良くても護衛無しで、王都に滞在は出来ないわ。

そうすると私は王都で護衛の冒険者を雇うことになるんだけど、ハズレを引く場合もあるし、雇うのに時間がかかる場合もあるの。

その点、アキラ君なら実力は間違いないからね。

それにベルフォームは外国との交易が盛んな街よ。色々な食材もそろうわ。

見に行って損はないと思うわよ。」


「面白そうですね。

同行させてください。」


マヘリア

「今回は護衛として一緒に来てもらうから、ちゃんと報酬も払うわ。

出発は明後日の朝よ。

店まで来て。」


「わかりました。

宜しくお願いします。」



ベルフォーム

リズムリア王国有数の大都市。

海に面した港町だと聞いている。

パエルモは内陸部だから、魚とかは少ない。

海産物を買って帰ろうかな。

パエルモとベルフォームは王都を挟んでかなり離れている。

普通はここまで生物は運べないのだ。

でも僕が手に入れたマジックバックには劣化低減がついている。

これなら新鮮な状態がキープ出来る。

そうだ!

沢山魚を買って帰ってデラーノさんにあげよう。ついでに調理方法をリィズとフィオに教えてもらえばいいよね。

ナイスアイデアだね。



翌日は旅の出発に向けて準備を整えた。

もちろんレストランで修行中のメンバーにも事情は説明しておいた。



そして朝。

ガロッソさん、マヘリアさん、バニングさん、アドルさん、ロックさん、ミレイさん、それに僕ら。

かなりの大所帯で出発となる。


トマーシュさんやイリーナさんは居残りだ。


移動手段は魔動車。

パッと見、大型トラックのやつだ。

マヘリアさんが運転し、助手席にミレイさん。荷台に他のみんなが入っている。


こんな大きな魔動車なら護衛は必要無いんじゃないかな?

そんなことを考えていると、


ガロッソ

「魔動車が出始めた頃、でかくて速いから護衛はいらないだろうと、ケチった商人が沢山出たんだ。

確かに野生の小型モンスターは脅威じゃねえ。でも普通の馬車の何倍も積み込んでいる魔動車は山賊どもの格好の獲物になってしまったんだ。落石でもさせて足止めすれば何も出来んからな。」


ガロッソさん、僕の考えていること、わかってるんじゃない?

超能力者なのか?


ガロッソ

「アキラは考えが顔に出過ぎだ。」


だそうです。

そんなつもりはないんだけどな~。

元の世界にいた時はそんなこと言われたこともなかったし。

まぁ、そんな話を楽しくする相手もいなかったんだけど、、、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る