ヒルギス
夕方、ヒルギスに到着した。
街は活気に溢れていた。
いや、溢れ過ぎていた。
パエルモも活気はあるが、パエルモよりももっと乱雑でぐちゃぐちゃしている。
やはり冒険者が多い。
飲み屋や夜のお店も多そうだ。
僕たちはそのまま宿屋『森の木漏れ日』に入る。
謎なのは何故予約が出来ているのかだ。
イリーナさんが手配しているのは間違いないんだけど、どうやっているのかはわからない。
ヒルギスは冒険者も多く、当日に探そうとしても宿屋が空いていないなんてこともよくあるらしい。
イリーナ
「申し訳ございませんが、大部屋1つしか取れませんでした。」
僕
「僕は全然大丈夫ですよ。」
マユラ
「着替えを覗いちゃダメよ。」
マユラさんがニヤニヤしながら言ってきた。
マユラさんはけっこう、この手の冗談が多い。
アイラ
「見られて減るものでもないだろう。」
アイラさんはサバサバ系だ。
叩き上げの軍人らしいし色々あったのかな。
まぁガウ、リン、ドラも同室だから、何もないけどね。
翌朝。
イリーナさんと一緒に武器と防具を購入だ。
イリーナさん調べのオススメのお店に行く。
『ガスベン武具防具店』
気難しそうなおじさんがいた。
ガスベンさんかな?
ガスベン
「何を探しているんだ?」
イリーナ
「彼女達の装備を探しています。
希望する装備のリストです。」
イリーナさんが紙を差し出す。
ガスベン
「なるほど。
で、予算はどの程度だ?」
僕
「2人で100,000ウォンカまでかな。」
ガスベン
「本気か!?」
ガスベンさんが初めて動揺を見せた。
イリーナ
「1人50,000ウォンカはかなりの高額です。
よろしいのですか?」
僕
「安物買うより、長く使える良い物を買いたいと思って。」
イリーナ
「わかりました。
ガスベンさん、その予算で装備を用意頂けますか?」
ガスベン
「わかった。
Bランク上位相当の装備になるぞ。
少し待ってくれ。」
ガスベンさんが色々持ってきた。
ガスベン
「装備してみてくれ。」
アイラさんとマユラさんが奥に入っていく。
・
・
・
アイラさんは白のライトメイル。
モンスターの甲羅かな?
光沢があって美しい。
侍と言っても戦国時代風の鎧はさすがに無いよね。
脇には刀。
マユラさんは青白い全身鎧。
こちらはミスリルだね。
破壊力抜群のボディラインは完全に隠れている。ちょっと残念かも、、、
盾と短槍を装備している。
それも全部ミスリルかな。
アイラ
「刀を用意してもらった恩には応える。」
マユラ
「まさか総ミスリルの装備とはね。
想像も出来なかったよ。」
ガスベンさんに支払いを済ませて店を出る。
イリーナ
「アキラさんは街を散策してきてください。私は明日からの準備をしておきます。
それと危険な場所には近寄らないようにしてくださいね。」
僕らは食べ歩きをすることにしました。
ヒルギスは肉が安い!
種類も豊富!
やっぱりダンジョンで冒険者が狩ってくるからかな。
露店が沢山出ているけど、パエルモみたいに整然としていない。
衛生面が気になるようなお店もある。
『悪食』があるから大丈夫なんだけど。
味付けは濃いめ。
お酒のアテかな?
汗かく肉体労働者が多いから?
ずっと食べ続けるのはちょっとキツイかもしれない。
昼間から飲んでいる冒険者もけっこういる。
大丈夫なの?
マユラ
「冒険者はその日暮らしって人が多いからね。オフの日は昼から飲んで散財するってのもよく聞くよ。」
僕
「でもさ、
武器とか防具とかお金かかるでしょ?
貯めなくていいの?」
マユラ
「上を目指すならダメよ。
でも現状維持で満足しちゃうと、そんな生活を送っちゃうのよね。
貧乏な農村出身者が小金を持つと浮かれちゃうんでしょうね。」
マユラさんの言葉には実感がこもってた。
マユラさんがパーティーのメンバーと仲違いした理由もそういうことなのかもしれない。
そろそろ宿屋に戻ろうかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます