冒険者サポーター
コーラル商会に到着すると、
ガロッソさん、マヘリアさん、トマーシュさんが待っていた。
ガロッソ
「また大量に持ってきたな。
査定結果は明日でもいいか?」
僕
「大丈夫です。」
ガロッソ
「よし、じゃあ明日支払おう。
それで、だ。
アキラにうちの従業員を同行させようと思う。」
僕
「えっ? どういうことですか?」
トマーシュ
「冒険者サポーターというのは知っているかな?」
僕
「僕もサポーターとして冒険者ギルドに登録してもらってます。」
トマーシュ
「アキラ君の場合はイレギュラーだけどね。
本来は冒険者が冒険に集中出来るように裏方業務を引き受けるのが冒険者サポーターだよ。
宿の手配、物資の補充、獲得した素材の売却、お金の管理などだね。
それをコーラル商会から人を出して請け負う訳だね。」
僕
「やってもらえたら有難いですけど、コーラル商会にメリットはあるんですか?」
ガロッソ
「売却で得た代金の1割を手数料としてもらう。」
僕
「それだけですか?」
マヘリア
「は~、やっぱり理解してないわね。
いい、アキラ君はタカート山脈に4日間行って、ざっくりだけど400,000ウォンカを稼いでいるの。
その1割だと40,000ウォンカ。
これ、一般的な年収を超えてるのよ。
それにダンジョンに行けば、タカート山脈みたいに往復の移動時間もかからないの。
ダンジョンであなたが稼ぐ金額の1割なら十分私たちの利益になるの。」
僕
「でも、フラメル王国に行く前にドバン帝国のアルバンに寄ったりしますよ。
いいんですか?」
ガロッソ
「まったく問題ない。
どう動くかはアキラの好きにしろ。
こちらからは干渉しない。」
僕
「わかりました。
サポートをお願いします。」
ガロッソ
「よし。
じゃあ、イリーナを連れてこい。」
部屋に入ってきたのは若い女性だった。
マヘリアさんより年下かな。
20過ぎぐらい。
秘書とか、キャリアウーマン、って言葉の似合う女性だ。
ガロッソ
「イリーナだ。
商人ギルドと冒険者ギルドの両方に登録しているから、たいていの手続きは出来る。
細かいことは本人に確認してくれ。」
イリーナ
「イリーナと申します。
これから宜しくお願い致します。」
僕
「よろしくお願いします。」
イリーナ
「この後、明日からの行程について、少し打合せのお時間をください。
わかりました。」
ガロッソ
「アキラの方はこれでいい。
後、リィズとフィオだが、
リストランテデラーノで住み込み、食事付きで働かせてもらえることになった。
この前、一緒に食べたレストランだ。
いつでも来てくれと言われている。」
この前の高級レストランか。
確かに美味しかった。
そこで修行させてもらえるのは有難い。
ガロッソ
「いいか?」
僕
「ありがとうございます。」
リィズ・フィオ
「「頑張ります。」」
その後、軽く話をして、ガロッソさんたちと別れた。
イリーナさんは打合せの為に宿までついてきてくれた。
イリーナ
「牛車のサイズやアキラさんの荷物の量の確認もございますので。」
だそうだ。
その後、行程の確認。
ルートとしてはアルバンを目指して移動。
戦闘奴隷を購入。
フラメル王国に移動。
ダンジョン攻略。
マジックバックの獲得。
3ヵ月以内にはパエルモに帰還する。
そういう話をしてイリーナさんは帰っていった。
翌朝、僕らはリストランテデラーノに向かった。
オーナーシェフのデラーノさんが出迎えてくれた。
デラーノ
「ガロッソさんから話は聞いている。
うちは厳しいぞ。
逃げ出したいならいつでも逃げてかまわんぞ。」
リィズ・フィオ
「「頑張ります!」」
デラーノ
「当たり前だ。
頑張らんヤツなどいらん。
誰もが頑張った上で、才能やセンスによって差が出る世界だ。」
リィズ・フィオ
「「わかりました!」」
僕
「2人をよろしくお願い致します。」
デラーノ
「結果が出せるかどうかは本人次第だ。
だが、頑張りに見合ったチャンスはやろう。」
リィズとフィオをデラーノさんに預けて、僕はコーラル商会に向かった。
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