コーラル商会
翌日。
宿で場所を教えてもらったコーラル商会に向かった。
コーラル商会。
マヘリアさんに会えるかな?
ボゥには留守番をしてもらい、僕らはコーラル商会に向けて出発。
もちろん街中を歩くだけなので、トラブルもありません。
コーラル商会は大きなお店だった。
色々幅広く取り扱っているみたい。
僕は優しそうな人に声をかけた。
僕
「すいません。
マヘリアさん、いらっしゃいますか?」
店員
「いらっしゃいませ。
もしかして、アキラ君かな?」
僕
「えっ?
確かにアキラですけど、、、」
店員
「ごめんごめん。
驚かせてしまったね。
僕はマヘリアの夫のトマーシュと言います。
マヘリアが君のことを楽しそうに話していてね。オオカミとコウモリを連れた少年なんて、そうそういないからね。
もしかして、と思ってね。」
僕
「そうだったんですか。」
トマーシュ
「すまないね。
マヘリアが戻るのは夕方かな。
もし良かったら、夕方に顔を出してよ。
夕食ぐらいご馳走するよ。」
僕
「いいんですか?」
トマーシュ
「もちろんだよ。
アキラ君はいつパエルモに到着したんだい?」
僕
「昨日の夕方です。
冒険者ギルドの副支部長に教えてもらった宿に泊まりました。」
トマーシュ
「ロイズさんですか。
あの方の紹介なら安心です。
まだ街に来られて間もないのでしたら、私から街のことを少し説明致しましょうか?」
僕
「助かります。
でもいいんですか?」
トマーシュ
「かまいません。
まず、このパエルモの街は東西と南方の交通の起点として栄えています。
東は王都、西はドバン帝国につながっています。南はヘーデン王国につながり、ベルン王国の物産が流れてきます。
北はフラメル王国と隣接しておりますが、タカート山脈、通称ワイバーン山脈により分断されているんだ。
この街の主な産業は交易と農業。
安全な平野部に広く田園地帯が広がっています。
そのため、Fランク冒険者の主な仕事は畑を荒らすモンスターの討伐です。
そして、Eランクに上がると街の北に広がる平原で大型のモンスターを倒して、その肉を収入源にしています。
DランクCランクの冒険者は商人の護衛をしているので、あまり街にはおりません。
ざっとこんなところでしょうか。
何か聞きたいことはありますか?」
トマーシュさんは優しいし、気が利く人だね。今の街の説明も僕が興味を持ちそうな話に限定してくれていた。
僕
「店舗を借りて商売をするには、
ギルドランクE以上にする必要があると聞いたんだけど、どうすればいいんですか?」
トマーシュ
「えっと、、、
どんな商売をしたいのかな?」
僕
「食堂です。」
トマーシュ
「なるほど。
Eランクになるのはこれまでの取引金額やウォンカの残高が基準だから、簡単だと思うよ。
ちなみにお金はどれ程持ってるの?」
僕
「だいたい100,000ウォンカです。」
トマーシュ
「まったく問題ないね。
申請すれば、すぐに受理されると思うよ。
それよりも、このパエルモには飲食店が多く、競争が激しいんだ。
そっちの方が心配かな。」
僕
「多少考えていることがあります。」
トマーシュ
「聞かせてもらってもいいかな?」
僕
「もちろんです。
僕らの強みはモンスターを自分たちで倒せることです。
メインの食材は自分たちで確保しようかと考えています。それで原価を抑えて、その浮いたお金で調味料をこだわって、ボリュームを増やす。
それで勝負したいと考えています。」
トマーシュ
「なるほどね。。。
確かにアキラ君の強みは活きるね。
ただ、モンスターを倒しに行く日は店を閉めないといけない。営業日数が減れば、家賃負担が増える。
そこも考えないといけないな。」
僕
「勉強になります。
少し露店で練習してからなので、その間に色々考えてみます。」
トマーシュ
「不動産屋も紹介できるから、その時は言ってよ。
あ、コーラル商会は食品も幅広く扱っているから、そちらも力になれるよ。
それと、露店を開く場合は商人ギルドに申請が必要なんだ。後でギルドに行ってみるといいよ。」
僕
「トマーシュさん、
色々ありがとうございました。
これから商人ギルドに行ってみます。」
トマーシュ
「あぁ、気をつけてね。
良かったら夕方顔を出してね。」
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