バレティア出発

翌日。

まずはゲボルグさんのところを訪れた。


店番はジェシカさんだった。


ジェシカ

「あら、早いわね。

ショートソードの手入れは終わってるわ。

あの人を呼んで来るからちょっと待っててね。」


ショートソードを渡された。

キレイになってる。

刀身もピカピカだ。


リィズとフィオがショートソードを装備していると、ゲボルグさんとジェシカさんが戻って来た。


ゲボルグ

「待たせてしまって悪かったね。」


「全然問題無いですよ。」


ゲボルグ

「さてと、、、

昨日持ち込んでくれたインゴットだけどね。

出来れば買取りさせて貰いたいんだ。

魔鉄は1つ2,000ウォンカ

ミスリルは1つ15,000ウォンカ

それでどうだい?」


「そんな高くていいんですか?」


ゲボルグ

「ハハハッ、全然高くないよ。

どちらかというと安値で買取り提示している状態だよ。

ミスリルなんか1つ20,000ウォンカ出してくれるお店もあると思うよ。」


「そうなんだ。でも売ってもらったショートソードの価格から、もう少し安くと思ってました。」


ゲボルグ

「アキラは師匠が命の恩人だって言って連れてきた客だよ。通常より安くしてたんだよ。」


「知らなかったです。

ありがとうございました。

それで、全部買取りお願いします。」


ゲボルグ

「わかった。

魔鉄34個で68,000ウォンカ。

ミスリル3個で45,000ウォンカ。

合計113,000ウォンカだ。

実は、今私が用意出来るお金の限界なんだよ。

悪いね。」


「大丈夫なんですか?

もっと安くてもいいですよ?」


ゲボルグ

「ハハハッ、心配ないよ。

ちゃんと計算しているから。

それに、これ以上安く買ったら道理に反するよ。」


「そういうものなんですか?

まぁゲボルグさんが大丈夫ならいいですけど。」


ギルドカードを差し出し、お金のやり取りをした。


「明日バレティアを出発する予定です。

お世話になりました。」


ゲボルグ

「そうか。

こちらこそ、いい経験をさせてもらったよ。

やっぱりパエルモに行くのかい?」


「その予定です。」


ゲボルグ

「気をつけてな。

またバレティアに来ることがあったら、顔を出してくれよ。」


「もちろんです。」


ジェシカ

「気をつけてね。」


「ありがとうございます。」


僕らはゲボルグ工房を後にした。



その後、必要な物資を買い足し午前は終了。

昼ごはんを食べて、昼からは服を少し購入。

季節は秋。

ここら辺は雪は降らないらしい。

でも気温は下がってくるので上着は買っておいた方がいいらしい。


まぁ11万ウォンカあるんだ。

お金の心配はない。

少し高くても、ちゃんと暖かそうな上着を購入しました。



そして翌日。

ついにバレティア出発。


バレティアとパエルモは行き来が盛んだ。

乗り合い馬車なんかもしっかりある。

馬車なら朝出れば夕方には到着出来る。

兵士の見回りもあるらしく、安全安心の道のりだ。

なんのハプニングもない。


何台も馬車や歩きの冒険者などと出会い、時々ボゥをじっと見られることはある。

さすがスター乳牛。


パエルモに近づくとどんどん田園風景が増えてきた。

のどかだね~。



パエルモは大きかった。

バレティアは高い外壁に囲まれた城塞都市という感じだったけど、パエルモの外壁は低い。戦争というよりもモンスターの侵入を防ぐのが目的という感じ。


街の入口は行列が出来ていた。


僕の順番が近づくと、明らかに衛兵が集まってきた。

「ん?」

なんだろう?


衛兵

「身分証の提示をお願いします。」


「どうぞ。」


僕はギルドカードを差し出す。

それを確認した衛兵は


衛兵

「すまないが詰所まで来てもらえるかな。」


「え、あ、はい。」


なんだろう?

他の人は普通に入れているのに、僕だけ詰所に連れていかれた。

理由がわからない。


衛兵

「すまないが武器を渡してもらえるか?

規則でね。もちろん後で返却するよ。」


僕らはメイスとショートソードを差し出す。

衛兵はそれを受け取ると奥に持っていってしまった。


しばらく待たされる。

不安になってくるね。

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