次はどうする?

僕たちはゴーレムの庭を後にして、バレティアに向かった。


インゴットを拾い過ぎた。

リヤカーを引くボゥが苦しそうにしていたので、僕がリヤカーを後ろから押した。

リィズとフィオも一緒に押してくれた。

2人とも力は弱いから、たいした助けにはならなかったけど、気持ちは嬉しかった。


けっこう疲れたけど、夕方にはバレティアの街に入れた。


僕らはそのままゲボルグさんの工房を訪れた。


すると店番にゲボルグさんが立っていた。


ゲボルグ

「やぁ、いらっしゃい。

ゴーレムの庭に行ってきたのかい?」


「無事行けましたよ。それで、ドロップアイテムが手に入ったから、買取りをお願いしたいんです。

出来ますか?」


ゲボルグ

「物によるかな。

ドロップアイテムはどこだい?」


「まだリヤカーに積んだままなので、すぐに下ろしますね。」


ゲボルグ

「一緒に行こう。」



リヤカーまでゲボルグさんと一緒に行くと、


「なっ!?」


ゲボルグさんが絶句した。


「大丈夫ですか?」


ゲボルグ

「・・・大丈夫。

ちょっと驚いただけだから。

ゴーレムを倒した時にインゴットがドロップすることがあるのは有名な話だからね。

ただ数が多過ぎてね。。。」


そう言えば、マヘリアさんに買い取ってもらった時、同じアイテムを一気に売るのは価格が落ちるって言われた気がする。失敗したかな。


ゲボルグ

「なっ!?」


リヤカーまで行って、インゴットを手に取った時、再び絶句。


「大丈夫ですか?」


ゲボルグ

「・・・大丈夫じゃないかも。

とりあえず、リヤカーのインゴットは全てうちの店に入れてくれないか。

さすがに路上に置いておくのは危険過ぎる。」


手分けして店に持ち込みました。



ゲボルグ

「ありがとう。

まず、

アキラが持ち込んだインゴットだけど、

魔鉄36個

ミスリル3個だ。

正直、多過ぎてどうしよう、という状態だ。

少し妻と相談していいかな?」


「もちろん大丈夫です。

それじゃあ、明日また店に来ます。

その時に。」


ゲボルグ

「いいのかい?

助かるよ。

それじゃ、明日。

何時でもいいから来てよ。」


「あっ、そうだ。

2人のショートソードの手入れもお願いしていいですか?

かなり使ったから。」


ゲボルグ

「わかった。預かるよ。

明日来たときに渡せるように準備しておくよ。」


「よろしくお願いします。」



ゲボルグさんの工房を出て宿屋へ。

前回と同じ宿だ。

ちゃんと出発の前に3日後に戻ることを伝えておいたから部屋を用意してくれていた。


宿の大将にここからどこに行くのがいいかを聞くと、


宿の大将

「リズムリア王国内ならパエルモ一択だね。

リズムリア王国西部を代表する大都市だ。

まずはパエルモを目指さないと他に行けないよ。

パエルモはここバレティアと王都を結ぶ街で南に進めばヘーデン王国にも行ける。

ヘーデン王国を経由してベルン王国で作られた様々な工芸品なんかも入ってくる。

交通の要衝だな。」


なるほど。

パエルモか。

確か、マヘリアさんたちもパエルモにいるって言ってたな。

コーラル商会だっけ。

行ってみるのも悪くないね。


宿の大将

「バレティアはドバン帝国への守りのための街だからね。生活を楽しむならパエルモの方がオススメだよ。

ここより冒険者の仕事もあるだろうし。」


ハハハ、僕は冒険者じゃないんだけどね。


よし。

明日、ゲボルグさんの工房に行った後、街を出る準備をしよう。

明後日出発だ。

目指すはパエルモ。


どんな街かな?

良い街だったらいいな。

バレティアは治安は良いけど、何も無い。

街全体が兵士の詰所みたいな印象だ。

住みたいって感じではない。


パエルモが良い街なら家を借りてもいい。

ずっと宿屋暮らしは経済的じゃないからね。

それに僕は冒険者みたいな生活がしたい訳ではない。安心して暮らせるならそれでいい。


リィズとフィオにも明後日出発してパエルモを目指すことを伝えた。

明日は準備で忙しくなりそうだな。

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