ゴーレムの庭

ジェシカ

「ちょっと着てみてくれる?」


リィズ&フィオ

「「はい」」


2人が着ると、、、長かった。

床に擦りそうな状態だった。


ジェシカ

「裾上げが必要ね。

成長すれば戻せばいいから長く使えるわ。」


ガンズ

「火炎羊の毛糸で作った布をアイアンホースのたて髪で補強してあるな。

防御力だけじゃなく炎の耐性がある。

良い防具だ。

これならCランクの冒険者でも安心して使えるぞ。」


ゲボルグ

「ショートソードはBランクでも十分使える装備です。2人の装備はかなり整ったと思いますよ。」


ジェシカ

「アキラさんは防具はいいの?」


「僕は防具はいいんです。

それよりも、せっかく装備を新しくしたんで、試したいですね。

どこかいい場所をご存知ないですか?」


ゲボルグ

「バレティアに来る冒険者の目的地と言えば、『ゴーレムの庭』ですよ。」


「ゴーレムの庭?」


ゲボルグ

「そうです。

その名の通り、ゴーレムタイプのモンスターばかりが出てきます。

レベル20を突破したい冒険者が戦う場所です。

ゴーレムは攻撃力と防御力は高いですが素早さが遅いので、落ち着いて戦えば、経験値稼ぎの良い相手になるんです。」


「でも、街ではあんまり冒険者を見かけなかったんだけど?

どうしてですか?」


ゲボルグ

「レベル20を突破したいD ランクの冒険者は来ますが、他の冒険者は来ません。

バレティアの周囲はモンスターを兵士が倒してしまうのであまりいません。

そしてゴーレムは経験値を稼ぐには効率が良いのですが、経済的にはまったく魅力の無いモンスターなのです。

ゴーレムは倒しても砂や岩に戻るだけで、売れる素材を残しません。残るのは魔石だけです。

しかも硬いので、武器の消耗も激しいんです。まぁ完全な赤字でしょうね。

だからDランクで実績を積んで、金銭的にも蓄えが出来た冒険者だけがバレティアにやって来るんです。」


素材が手に入らないのか、、、

ドロップアイテムはどうなんだろう?


「一度行ってみます。」


ゲボルグ

「よく準備してから行くんだよ。

歩いたら、到着まで半日かかるからね。

準備不足で行くと後悔するよ。」


「わかりました。

しっかり準備してから出発します。」


その後、しばらく話をしてからゲボルグ工房を後にした。



翌日。

今日は準備と休息の1日時です。

ゴーレムの庭には明日出発するつもりです。

まずは旅の必需品を買い足していく。

そして昼からは食べ歩きだ。


バレティアの食事はドバン帝国のアルバンとは全然違った。

ドバン帝国は肉中心だった。

バレティアは野菜や果物の種類も豊富で安い。逆に肉は少し高い。

パンもソフト系のパンがある。冒険者が旅に持って行くのはハード系だが、宿で食べるパンは柔らかかった。

食べ歩きで食べたホットサンドは美味しかった。ハム、チーズ、トマトソースが入ったピザに近い味付け。


スイーツもフルーツケーキがあった。

ドライフルーツがたっぷり入って美味しかった。


やはりリズムリア王国の方が食生活は豊かだね。食材の種類が豊富だ。ドバン帝国はモンスターを倒して、その肉で腹一杯にする、って感じだった。


お腹いっぱい食べた後は明日行くゴーレムの庭の情報を調べた。


ゴーレムの庭は馬車なら2時間かからないぐらいの距離。

出てくるモンスターは3種類。


サンドゴーレム

Dランクのモンスター。

砂が集まったゴーレム。ここでは一番弱い。


ストーンゴーレム

Cランク下位のモンスター。

石が集まったゴーレム。

だいたいの冒険者はこのゴーレムをターゲットにしてレベル20の突破を目指すらしい。


ロックゴーレム

Cランク上位のモンスター。

大きな岩で出来ている。

硬くてでかくて力が強い。

更に『ストーンパレット』という岩の塊を飛ばすスキルを使うらしい。そのため、後列キラーとも言われているらしい。



僕らの実力がどこまで通じるか楽しみだね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る