ゲボルグ工房

ガンズさんがアダマンタイトを炉に入れる。

炉から出した真っ赤なアダマンタイトを叩いていく。


暑い。

離れているのに汗が吹き出す。

ガンズさんとゲボルグさんはもっと暑いだろう。

2人が交互にハンマーを振るう。


凄い!

2人の真剣な眼差し。

無駄の無い動き。

人を寄せ付けない気迫。


どんどんメイスの形になっていく。

そして水に突っ込む。


ジュウゥゥ

湯気が立ち込める。


ガンズさんがメイスをじっと見つめる。


ガンズ

「良い出来だ。

後は仕上げだな。

完成まで気を抜くなよ。」


ゲボルグ

「はい!師匠!」


その後、色々と作業をして完成。


ガンズ

「出来たぞ。

持ってみろ。」


「重っ!?」


見た目と重さが釣り合わない。


ガンズ

「アダマンタイトは重いが丈夫だ。

力任せに振り回すお前の戦い方には合っとるわ。」


「なるほど。。。

今度試してみます。」


軽く振ってみる。

今の僕の力なら無理なく振れる。


ジェシカ

「アダマンタイトのメイスをあんなに軽々振り回すなんて、凄い力だね。

人は見た目によらないね。」


同感です。


「良い物を頂いてありがとうございます。

本当に代金はいいんですか?」


ガンズ

「これは礼だ。何度も言わすな。」


「ありがとうございます。

あ、ゲボルグさん、

リィズとフィオの武器も更新したいんだけど、見せてもらっていいですか?

もちろん、それはちゃんと買いますよ!」


ガンズさんとゲボルグさん。

武器の専門家が揃ってる時に、ついでに2人の武器も買ってあげたい。

今はゴブリンからドロップした鉄の剣だ。


ガンズ

「お嬢ちゃんたちは戦闘職じゃないだろう。そんな長剣よりもショートソードの方が扱いやすいだろう。」


「攻撃力はどうなりますか?」


ガンズ

「同じランクなら下がる。

維持したいなら、少し上のランクのショートソードを買う必要があるな。」


ゲボルグ

「お店にあるショートソードをいくつか用意しましょう。」


ゲボルグさんが店内を歩いて数本のショートソードを持ってきてくれた。


ゲボルグ

「まず、こちらがお求めやすいショートソードです。初心者の方にちょうど良いでしょう。

そして、こちらがもう1ランク上のショートソードです。これなら今の長剣とそれほど変わらない攻撃力になります。

そして、こちらは魔鉄とライトメタルの合金製です。攻撃力は1つ前のショートソードと同等ですが、かなり軽くなっており扱いやすくなっています。

最後にこちら。こちらはミスリル製です。攻撃力と軽さを両立していますが、かなり高額になります。」


出た!

ミスリル!!

ファンタジーの定番だね。


「ちなみにミスリル製のショートソードはおいくらですか?」


ゲボルグ

「10,000ウォンカです。これでもかなり安くしております。」


「じゃあ、それを2本ください。」


ゲボルグ

「えっ!?

よろしいのですか?

大金ですよ?」


「長く使えるならいいかなって思って。」


僕がギルドカードを差し出す。

ゲボルグさんは驚きつつも清算を行う。


ゲボルグ

「あ、ありがとうございます。」


「ついでに防具もいいですか?

2人には何がいいですかね?」


ガンズ

「予算はどの程度だ?」


「2人分で合計8,000ウォンカぐらいですかね。足りませんか?」


ガンズ

「十分じゃ。

2人は小柄だし、今後の成長もある。

調整しやすい服系の防具がいいだろう。」


ゲボルグ

「それならジェシカの管轄です。

ジェシカ、

良さそうなのを見繕ってきてくれ。」


ジェシカ

「わかりました。

少々お待ちください。」


しばらく待つと、


ジェシカ

「オススメはこちらです。

服の上から装着する貫頭衣のような防具です。軽くてサイズの調整もしやすいです。

防御する面も広く、補強されているので、防御力も高めです。

長く使える一品ですよ。」


赤い長くて大きい布だ。

長い布の真ん中に穴が開いていて、そこに頭を出して着るみたい。

肩の部分は何かの鱗が貼られている。

赤い布には黒い糸でチェック柄の模様が入っている。

脇の部分を紐で縛るようになっている。


なんか可愛いね。

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