バレティア

バレティアは高い城壁に囲まれた街だ。

門には衛兵が立ち、出入りを取り締まっている。


衛兵

「身分証の提示をお願い致します。」


ガンズ

「ほれ」


ガンズさんが身分証を出すと、

衛兵の態度が変わった。


衛兵

「どうぞ、お通りください。」


他の人は荷物を改められたりされているのに、ガンズさん一行は素通りだ。


ガンズさんは凄い人なのかもしれない。

宿を取り、冒険者ギルドに向かう。

テイムモンスターも同室可能な宿ということでガンズさんと同じ宿にした。

1泊200ウォンカ。

さすがにボゥは入れないので馬小屋に。

・・・牛だけど。


冒険者ギルドでガンズさんは護衛の募集をかける。

そして、


ガンズ

「待たせてすまんな。

弟子の工房に行こうか。」


ガンズ

「確かこっちだったはずだ。」


ガンズさんについて行くと工房があった。

武器だけじゃなく、防具も置いてある。

『ゲボルグ工房』


工房に入ると店番は女性がしていた。


店番

「いらっしゃいませ。」


ガンズ

「ゲボルグはおるか?

ガンズが来たと伝えてくれ。」


店番

「ガンズ様!?

夫がお世話になっております!

ゲボルグの妻のジェシカです!」


ガンズ

「おお、ゲボルグの奥さんか。

いい人をもらったな。」


ジェシカ

「ありがとうございます。

奥の工房にいますので、直ぐに呼んできます。」


ガンズ

「慌てんでええ。

作業が区切りつくまで、作品を見とるよ。」


ガンズは工房に置いてある武器を順番に見ていく。

ジェシカさんは慌てて奥に入って行った。



しばらくすると、

ジェシカさんが男性を連れてきた。


ゲボルグ

「お久しぶりです、師匠。」


ガンズ

「久しぶりだな。

腕は上がっとるようだな。」


ゲボルグ

「ありがとうございます!

師匠もお元気そうで何よりです。

ところで、今日はどうされたんですか?」


ガンズ

「実はな、

ここにいるアキラに命を助けてもらったんじゃ。それでな、お礼に武器を打ってやろうと思っての。」


ゲボルグ

「師匠が武器を作られるんですか。

どうぞ工房をお使いください。

よろしければお手伝いさせてください。」


ガンズ

「すまんな。

助かる。

材料も使わせてもらっていいか?

もちろん代金は支払う。」


ゲボルグ

「いえいえ。

師匠の手伝いさせて頂けるなら、材料費なんて必要ありません。」


ガンズ

「そうもいかんのだ。

ゲボルグ、ここにある金属で一番硬いのはなんだ?」


ゲボルグ

「硬い金属ですか?

少しならアダマンタイトがございます。

アダマンタイトで武器を作られるのですか!?」


ガンズ

「それを使わせてくれ。

メイス1つ作るぐらいはあるか?」


ゲボルグ

「十分ございます。」


ガンズ

「すまんが使わせてくれ。

もちろん代金は支払う。」



ミトンさんに小声で尋ねた。

「アダマンタイトってなんですか?」


ミトン

「この世界でトップクラスに硬い金属です。非常に高価で希少品です。

一流の鍛冶職人のハンマーの打面に使われているような金属です。

メイス1つ分でも豪邸が建つぐらいの価値があります。」


凄い金属みたいです。

本当にいいの!?

それを使っちゃっていいの?


ガンズ

「よし、やるか。」


ゲボルグ

「お供します。」


ミトン

「見学してもよろしいでしょうか?」


ガンズ

「かまわん。」


結局、みんなで作業場に。

ジェシカさんも一緒です。

店番いいの?


ジェシカさん曰く、

「超一流の仕事を生で見られるチャンスを逃す手はない。」

だそうです。



ゲボルグ

「こちらです。」


ゲボルグさんが金属の塊を持ってきた。


ガンズさんが手に取り、じっと見つめる。


ガンズ

「良いアダマンタイトだ。

よく手に入れたな。」


ゲボルグ

「たまたまチャンスがありまして。

納得のいく武器が作れたら、使ってみようと思っていました。」


ガンズ

「それじゃ始めるぞ。」

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