ガンズとミトン

夜。

焚き火を囲みながら会話をした。

ガンズさんが雇った冒険者は少し離れたところで立っている。

互いに落ち着いて自己紹介をした。


リィズとフィオが自己紹介をするとミトンさんの顔が一瞬曇った。


ガンズ

「ミトン、奴隷にも色々ある。

いちいち気にするな。」


「奴隷って認識が国によって違うんですか?」


ガンズ

「違うな。

ベルン王国は子供の奴隷は禁止されている。」


リィズ

「私たちはアキラ様に助けて頂いたんです!」

フィオ

「アキラ様はとても優しい方です!」


2人が強く反論してくれた。

なんか嬉しいな。


ガンズ

「そんなことはわかってる。

着ている服も同じランク、食事も同じランク。仲間として同等に扱ってるのはすぐにわかる。」


ミトン

「すいません。

親方のおっしゃる通りですね。」


「いいですよ。僕もまだ奴隷って慣れないですよ。」



ガンズ

「それにしても、今回の冒険者はハズレだった。

山賊との交渉をまとめられない程、経験不足とはな。

見た目がベテランなんで騙されたぜ。」


ミトン

「そんなこと言ったら聞こえてしまいますよ。」


ガンズ

「かまうもんか。」


ガンズさんはご立腹のようです。


「山賊との交渉ってなんですか?」


ガンズ

「あのな、山賊と出会ったって毎回戦いになる訳じゃねぇ。

まずは護衛を見せつけて襲われないようにするんだ。

それでも襲われた時は金を払って見逃してもらうんだ。山賊だって命がけの戦いは出来ればやりたくねぇからな。この交渉は護衛のリーダーがするんだ。雇い主が直接やるのは危険だからな。

それを失敗して、今回は襲われたって訳だ。アキラたちが来なかったら、今頃殺されていただろうな。感謝してるぜ。」


「たまたま通りかかっただけですから。」



ガンズ

「ところでアキラ。

お前、剣スキル持ってないだろ。

剣の使い方が酷かったぞ。

あれじゃ、すぐに刃こぼれするし、剣が折れたり曲がったりしちまうぞ。」 


「そうですね。

すぐに剣がボロボロになるんで、使い捨て状態です。」


ガンズ

「だろうな。

剣術を習うか、武器を変更するかした方がいいぞ。」


「なるほど、、、」


ガンズ

「そうだな。今の戦い方なら、メイスとかの方がオススメだぞ。

何も考えずに殴るだけだからな。

それと、もう少し慣れたら、

もっと良い武器を買いな。

アキラは力が強いから、今の武器じゃあアキラの力に耐えられないぞ。」


「なるほど。」

剣がすぐに折れる理由がわかって、すっきりしました。


ガンズ

「バレティアにはわしの弟子がおるから紹介してやろう。

それと武器は使ったら、ちゃんと店に武器の手入れを依頼するんだぞ。

いい武器は手入れをすれば長く使える。」


「勉強になります。」


ガンズ

「わしも新しい護衛が見つかるまでバレティアに足留めだからな。

武器探しを手伝ってやろう。

なんなら、わしが作ってやってもいいが。」


「いいんですか!?

オーダーメイドの武器か~。

あこがれですね。」


ミトン

「親方!

そんな約束して大丈夫なんですか?」


ガンズ

「命の恩人が武器で困ってる。

そして、わしは武器職人。

やることは1つだろう。」


ガンズさん、カッコいい!

これぞ職人って感じだ。


ガンズ

「明日にはバレティアに到着出来るはずだ。今日はそろそろ寝るぞ。」




そして、翌日。

特に問題も起こらず順調に進めました。

ガンズさんの馬車より遅いから、何度も待ってもらったのは心苦しいけど、ガンズさんからは気にするな、と言われた。


昼過ぎにはバレティアが見えてきた。

大きな城壁に囲まれた街だった。


ミトン

「ここがバレティアです。

リズムリア王国にとってドバン帝国の防波堤となる街です。

有事に備えて沢山の兵隊さんがいます。

そのおかげで治安はとてもいいですよ。」


いよいよ、バレティア到着だ。

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