本当に怖いのは
翌朝。
昨日の残りの鶏肉をサンドイッチにして、スープと食べた。
昼ごはんもサンドイッチかな。
旅は順調。
時々モンスターも出てくるけど、ガウとリンが警戒してくれているので奇襲とかはない。
僕とガウとリンで倒していく。
レッドピッグを解体して、今日の晩ごはんも先に確保しておいた。
リン
『前方にいっぱい人がいるよ~。』
キャラバンかな?
まぁいいや。
この先の街道のこととか聞けたらいいな。
最近コミュニケーション能力が上がった気がする。この世界で生きていくにはしゃべらない訳にはいかなかったからね。
少し自分にも自信がついた気がする。
そんな風に気楽に考えていたら、
ガウ
『血の臭いだ。』
僕
「えぇっ!?」
ようやく見える距離に近づくと馬車が襲われていた。
山賊に襲われているようだ。
ガウ
『どうする?
この距離なら我々の存在にも気付かれているはずだぞ。』
どうしよう!?
逃げる?
でも牛車のスピードなら追い付かれるし。
それに馬車を見捨てるのもなぁ、、、
助ける?
危なくないかな?
怖いよなぁ、、、
「キャァァァァ!」
女性の悲鳴!?
クソッ!?
助けなきゃ!!
冷静になれ!
考えろ!
大きく息を吸い込む。
僕
「リィズとフィオはここにいて。
ガウ、リン、ボゥは2人を守って。
いいね。」
「「『『『わかった(りました)!』』』」」
僕は剣を握り駆け出す。
既に護衛の冒険者が1人倒れている。
僕は弓を構えていた山賊を斬る。
やった!
一撃で倒せた。
やはり後衛は紙装甲か。
続けてもう1人と狙ったけど、山賊が2人迫って来た。
1人の攻撃を剣で受け止める。
その隙をもう1人の山賊に斬られる。
「うわっ!?」
びっくりした!?
でも大丈夫だ。
ほとんどダメージは無い。
剣で受け止めた相手を、そのまま力任せに吹き飛ばす。
残りの1人を上段から斬る。
山賊は剣を受け止めようとしたが、僕の剣を止められず。
剣は振り抜かれる。
バタッと倒れる山賊。
あっという間に3人もやられたことに慌てる山賊たち。
いけるぞ!
もう1人の弓使いを斬る。
これで山賊の弓使いはいない。
護衛の冒険者たちも戦いやすくなったようだ。
僕は続けてもう1人。
更に1人。
残っていた山賊が逃げ出した。
追いかけはしない。
護衛の冒険者は2人倒れている。
たぶん死んでいるんだろう。
こんなに遺体が転がっている状況は初めてだ。
衝撃的だし、吐き気がしてくる。
冒険者が声をかけてきた。
「お前、何者だ?
俺たちはお前に救助は求めていないからな!」
僕
「えっ、、?」
最初に言うことそれ?
すると馬車から人が降りてきた。
小さい。
リィズやフィオと変わらないぐらいの身長。
でもムキムキの体に髭がモサモサ。
ドワーフか?
ドワーフ?
「まったく!
最初に言う言葉がそれか!
まずは礼が先だろうが!」
冒険者
「し、しかし」
ドワーフ?
「少し黙っていろ。
さて、少年。
助けてくれてありがとう。
少年。」
僕
「あ、いえ、はい。」
ドワーフ?
「わしはベルン王国のフルトで工房をやっとるガンズだ。
少年の名前は?」
僕
「アキラです。」
ガンズ
「今回はハズレの冒険者を雇ってしまったわい。
もし良かったらバレティアまで一緒に行ってくれんか?
もちろん報酬は払う。
どうだ?」
僕
「いいですよ。僕たちもバレティアを目指してたので。」
ガンズ
「すまんな。
さっきの山賊が戻って来ると危険なんでな。
こんなところに留まるのもなんだ。
さっさと行こう。」
ガンズさんの馬車に続いて、僕らの牛車が続く。
そして一緒に夜営。
ここで一緒に晩ごはんを食べながら、互いに自己紹介することになった。
ガンズさんはやはりドワーフだった。
主に武器を作る職人なんだって。
同行しているのはミトンさん。
体は一回り小さいし、髭は無い。
女性だ。
悲鳴をあげたのが彼女だった。
ガンズさんの弟子らしい。
今回、ガンズさんたちは仕事でフラメル王国に行って、諸事情によりいつもの護衛を連れていけなかったため、臨時で雇ったらしい。
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