愛想笑い

その日の午後

僕らは東の平原でレベルアップを行った。


西の森は角うさぎなどのモンスター。

東の平原は馬や牛、豚などのモンスター。

巨大で食べ応えのあるラインナップだ。


そして、

ついに僕はレベル10になりました。


『レベルが1上がった。

 HP+1

 MP +1

 器用さ+1


 スキル

 愛想笑いを取得した。』


ん??

なんだ、愛想笑いって?


詳しく調べてみよう。


『愛想笑い レベル1

 愛想笑いを浮かべる。』


なんなんだ!?

悪ふざけが過ぎるだろ!


とりあえず、使ってみよう。


「愛想笑い」


ニヤニヤ


・・・僕がニヤニヤしただけです。

発動後、約10秒ニヤニヤして表情が変えられない。


なんの為のスキルだよ!?


しかも!

MP消費1

あり得ないぐらいのハズレスキル。


「はぁ~~~~~~」


リィズ

「アキラ様、大丈夫ですか?」

フィオ

「どこか具合が悪いんですか?」


2人が心配そうにしている。

そりゃそうだよね。

いきなりニヤニヤして、その後急に落ち込む。何があったのか心配になるわな。


2人に事情を説明する。


リィズ

「アキラ様は市民だったんですか!?」

フィオ

「市民なのに、なんでモンスターを素手で押さえ込めるんですか!?」


「そうだな。

僕の事情を説明しないといけないね。

僕は異世界人なんだ。

だから市民だけど特殊なスキルを持ってるし、ステータスも普通の市民とは全然違うんだ。」


リィズ

「異世界人だったんですね。」

フィオ

「なんか色々納得出来ました。」


「僕が異世界人だというのは秘密だから、2人とも内緒にしてね。」


リィズ・フィオ

「「もちろんです。」」


その後もレベル上げを続け、2人のレベルも6になった。


その間、僕は愛想笑いを使いまくった。

半分やけくそ。

半分は大穴狙い。

ロールプレイングゲームとかだと、くそスキルを鍛えると凄いスキルに化けるケースがある。

どうせMP を使うスキルは他に無い。

暇な時はスキルを使いまくった。


街に帰る時にはスキルレベルが上がってレベル2になった。

ニヤニヤの時間が15秒に延びたよ。

はぁ~~~。



翌日も再び東の平原に来ました。

今日の目的はアウトドアの練習。

モンスターを倒す。

解体する。

料理する。

野宿の練習などなど。


3人で力を合わせてレッドピッグを解体。

解体したお肉を豪快に焼いて食べた。

ちゃんと塩や乾燥ハーブなども買っていたので美味しく焼けた。


もちろん火も起こした。

『火石』というアイテムが売られている。

元の世界の火打ち石に近いかな。

元の世界の火打ち石よりもう少し強い火が出る。


肉を焼ける幸せ!

これが最初からあったらな~。

あんな苦労は無かったのに。


ご飯を食べてリヤカーの上でマントにくるまり昼寝。


問題無し!

明日出発しよう!


街に戻ると、いくつかの物資を買い足し、残った時間は屋台で買い食いをしたりして楽しんだ。


いよいよ明日はアルバンを出発する。

意外と長い滞在になった。

この街で旅の準備は整った。

やっぱりマヘリアさんたちとの出会いは大きかった。

無一文でさまよっていたのが、今ではお金はたっぷりある。リィズとフィオもいる。

なんか自信がついてきた。


これからの異世界生活もなんとかなりそうな気がしてきた。

まずはリズムリア王国目指して出発だ。

マヘリアさんはフラメル王国をオススメしてたけど、別に冒険者として成功したい訳じゃない。ダンジョンとかも一度は行ってみたいけど、落ち着いてからでいいと思う。


まずは治安が良くて食糧の事情の安定している方がいい。

リズムリア王国、、、どんな国かな?

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