リィズとフィオ
「これからよろしくね
リィズ、フィオ。」
僕が挨拶すると、
2人とも戸惑った様子でオドオドと頷く。
ハモンドさんに見送られながらお店を出た僕たちは、まずは服屋さんに向かった。
その間も2人は黙ったままだ。
お店に入る。
「いらっしゃいませ。」
僕
「すいません。この2人に動きやすい服を上下それぞれ3着ずつお願いします。」
店員
「わかりました。
それでは2人はこちらへ。」
店員さんに連れられて2人は奥に入っていく。
その間に僕はマントを物色することにした。
ロックさん曰く、マントは冒険者の必需品らしい。防具としてだけでなく、寝袋代わりにも使うのだ。
3人分買っておこう。
しばらく待つと、店員さんと2人が戻ってきた。
服の上下6つ。
店員
「合計で900ウォンカです。
よろしいですか?」
けっこう高いね。
どうもこの世界は服が高いみたい。
まあ機械で大量生産する訳じゃなくて、すべて手作りだから仕方ないんだろうね。
僕
「お願いします。
2人ともお店で着替えさせてもらっても大丈夫ですか?」
会話をしながらギルドカードを差し出す。
支払いを済ませながら、
店員
「大丈夫ですよ。奥にどうぞ。」
2人が再び店の奥に入っていく。
奴隷の服装はボロい。
さすがにずっと着続けるのは可哀想。
奥から出てきた2人は普通の街の女の子って感じになってた。
リィズとフィオはパッと見10~12歳。
年相応の可愛らしさだ。
ちょっとやつれているけど。
その後、定食屋でランチ。
僕の食べる量に若干引いてたみたい。
・・・すべてステータスアップのためだよ。
もちろんじゃん。
おかず3品注文は店員さんも二度見してたけど。
昼からも旅の必需品などを買っていく。
これからは不自由の無い旅にしたいからね。
買い出しなどロックさんに教えてもらった必要なことを済ませていく。
宿に戻る前に小物を売っている露店をのぞく。そして2人にヘアピンを買う。
リィズには赤い石、フィオには青い石が飾りについている。
双子の姉妹だからあんまり見分けがつかないんだよね。だからヘアピンで見分ける為に色分けした。
僕
「2人にプレゼント。
高級品じゃないけどね。
これからよろしくね。」
軽い気持ちで渡したら2人が泣き出した。
僕
「え、あ、え、あ、ごめん。
あの、、、大丈夫?」
リィズ
「ごめんなさい!
奴隷になった時点で、もう優しくされることなんてないと思ってたから、、、」
フィオ
「美味しいごはん食べて、
いいお洋服着て、
こんな可愛いのも貰って、、、」
とりあえず、落ち着くのを待とう。
2人が落ち着いたので、甘いお菓子を買って宿に戻ろう。
赤豚亭に到着すると、
女将さんから声をかけられた。
女将さん
「マヘリア様から部屋の変更を仰せつかっております。
今日は3人部屋になります。
なお本日の料金はマヘリア様から頂いております。
明日以降連泊される場合は1日180ウォンカになります。」
さすがマヘリアさん。
出来る商人は違うな~。
僕
「ありがとうございます。」
部屋が大きくなってました。
夕食を済ませてから、部屋で3人で買ってきたお菓子を食べる。
シュトーレンに近いかな。
少しパサパサしてた、、、
さて、
「これからのことを説明するよ。
いいかな。」
リィズとフィオが頷く。
「まず、当面の目標はリズムリア王国に入ること。
そのためにここで準備をするんだ。
明日は2人にモンスターを倒してもらう。
僕らがフォローするから安全は確保するよ。
明後日はモンスターを解体する練習ね。
解体に慣れた冒険者の人に教えてもらえるように依頼している。
3日目はアウトドアの練習。
それが終わったら、様子を見てこの街を出発する。
今のところ、こんな予定。
なんか質問ある?」
リィズとフィオが首を横に振る。
とりあえず、今日は寝よう。
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