奴隷商 ハモンド

ロックさんに教えてもらった奴隷商のお店に行ってみた。

少し薄暗い感じ。


「ようこそ、ハモンド商会へ。」


礼儀正しく頭を下げるおじさん。


「すいません。

ちょっと奴隷に興味があって、、、」


おじさん

「どうぞ、どうぞ。

ちなみにどのような奴隷をお探しでしょうか?

戦闘用、護衛用、労働用、色々取り揃えていますよ。」


「戦闘は考えていません。

旅について来てくれて、ちょっとした雑用が出来れば十分です。

あまり予算も無いので安い人をお願いしたいです。」


おじさん

「なるほど。

確かにテイマーでしたら戦闘面は必要無いかもしれませんね。

安い奴隷を何人か用意しましょう。

どうぞこちらへ。」


応接室に通された。

丁寧な対応だね。

僕みたいな若者相手に。

なんでだろう?


おじさん

「改めまして、この商会の代表のハモンドです。

私はお客様を見る目には自信がございます。あなたは大金を手に入れられる方です。

先行投資ですよ。」


「ご期待に応えられるかはわかりませんよ。」


ハモンド

「かまいませんよ。

それよりも奴隷を買うのは初めてでしょう。

奴隷の準備が出来るまで少し説明を致しましょう。」


「お願いします。」


ハモンド

「まず、奴隷の種類から。

奴隷には大きく3種類あります。

犯罪奴隷、戦争奴隷、経済奴隷の3つです。


犯罪奴隷は犯罪行為に対する罰則として奴隷になった者です。基本的に国や貴族様が使うだけで一般人が扱うことは稀です。


戦争奴隷は戦争で捕虜となった者です。

身代金の支払いや捕虜の交換などが行われなかった者が奴隷として売り払われます。

戦闘奴隷の多くはこのパターンです。


経済奴隷は税金を払えないとか、借金が返せないなどの理由で身売りして奴隷になるパターンです。」


「人攫いとかの場合は?」


ハモンド

「その場合は経済奴隷にあたります。

お金の受取人が人攫いなだけです。

さて、そろそろ準備が出来たようです。

入ってください。」


4人の奴隷が入ってきた。

ハモンド

「順番に紹介致します。

1人目はモルディアナ。

裁縫職人 レベル3

年齢は少し高いですが、家事全般こなせます。安心して使える女性です。


2人目はカール。

斧士 レベル10

冒険者経験もあるので旅にも安心して連れていけます。引退して農業をしていたので生活面も問題無いでしょう。


3人目4人目はリィズとフィオの姉妹です。

見ておわかりの通り獣人です。

リィズ

料理人 レベル1

フィオ

メイド レベル1

まだ幼いので伸び代はあると思います。2人まとめて購入頂けるなら割引致しますよ。

ちなみに値段は、

モルディアナが10,000ウォンカ

カールが14,000ウォンカ

リィズとフィオはそれぞれ6,000ウォンカ

まとめて購入なら合計11,000ウォンカ

です。」


思っていたよりも安い。

人の価値が安いのかな。

シビアな世界だな。


モルディアナ

「私は経験豊富よ。

家事全般こなせるし、家計の管理や物資の管理も得意よ。

冒険者の人ってそういうこと苦手でしょ。

体力には自信があるから、役立つこと間違いなしよ。

買って後悔はさせないわ。」


年齢的には母親の少し上くらいかな。

よくしゃべるおばさんだな。



カール

「俺を選べばいいんだ。

間違いない。

こんなババアやガキなんざ、比べるまでもねぇぜ。」


40歳前後かな。

ちょっと粗暴で苦手だ。


リィズ

「・・・お願いします。」

フィオが横で一緒に頭を下げる。


「この年齢で奴隷なの?」


ハモンド

「子どもの奴隷はよくあることですよ。

口減らしで売られたり、人攫いに売られたり、色々です。

彼女たちの場合は拐われたパターンです。」


「ありがとうございます。」


ハモンドさんが合図をすると奴隷たちが連れられて退場する。


ハモンド

「いかがでしたか?」


「買うならリィズとフィオですね。

残りの2人は一緒に旅するのはしんどそうです。」


ハモンド

「奴隷の契約次第では口を開けないようにも出来ますよ。」


「そんなことまで出来るんですか?」


ハモンド

「奴隷契約は色々な制約を設けることが出来ますよ。」


「勉強になりました。

今は買うお金が無いので、用意出来たらまた来ます。」


ハモンド

「はい、

またのお越しをお待ちしております。」

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