働き過ぎの強欲さん

マヘリア

「どんだけあんのよ!?」


驚きながらもマヘリアさんは品物をチェックしていく。


バニング

「やはり異世界人は別格だな。

神様の加護も特別なのかもしれんな。」


マヘリア

「ポーションに、毒消しと麻痺治し。

そうね~、

安く見積もっても1,000ウォンカは下らないわ。ポーションは店で買えば100ウォンカぐらいするからね。

それとこの剣は500ウォンカぐらいかしらね。

それでいいかしら?」


「ウォンカの価値がわからないけど、それでいいです。」


マヘリア

「テキトーね~。

だいたい10ウォンカでご飯が食べられるし、100ウォンカあればほどほど良い宿に泊まれるわ。

駆け出し冒険者なら1日100ウォンカ稼げたら上出来ね。」


なるほど、

だいたい1ウォンカ=100円ぐらいのイメージかな。


「そのお金で服を売ってもらえませんか?

もうドロドロに汚れちゃって。」


マヘリア

「なるほどね。

それなら、その服と交換しない?

洗えば綺麗になるし、異世界の服なんて珍しいから、価値があるわ。」


「それじゃ、それでお願いします。」


マヘリア

「わかったわ。

じゃあ、今日は私たちと同じ宿にしましょう。確かテイムモンスターも一緒に泊まれたはずよ。

そこでお風呂に入って体を綺麗にしてから着替えましょ。

宿代はおごりよ。

今回の買取りは、本来ならその宿代分ぐらいは上乗せして買い取る価値があったからね。」


「ありがとうございます。」



他にも色々教えてもらった。

そんな話をしていると、アルバンに到着した。

街の門の前にはリアカーを押す冒険者たちの姿。


「あれは何?」


バニング

「冒険者たちだ。倒したモンスターを持ち帰っているんだ。」


バニングさん曰く、

・モンスターを倒す。

・解体する。

・金になる部位を持ち帰る。

これが冒険者の基本らしい。


僕たちは車から降りることもなく、門の中に入れた。

そして本日の宿は『赤豚亭』にした。

手続きとか全部やってくれたので、僕は何もせずに部屋に入れた。


お部屋に着いたら、さっそくお風呂タイム。

僕とガウとリンで入浴。


スッキリしました!

ガウがより一層さらさらの手触りに!

モフモフはいいね♪

着替えも済ませて、気分一新。


汚れた服をマヘリアさんに届ける。


マヘリア

「持って来てくれたの。

ありがとう。

夕食までまだ時間があるから冒険者ギルドに行って冒険者登録してきたら?」


「冒険者登録ですか?」


マヘリア

「そうよ。

冒険者ギルドはモンスターの素材買取りとか、解体とかもやってくれるし、それにギルドの会員証は身分証にもなるから便利よ。」


「わかったよ。行ってみる。」


僕はガウとリンを引き連れて宿を出た。

冒険者ギルドへの道はマヘリアさんが教えてくれた。


アルバンはドバン帝国でも大きな街らしい。帝国の東の玄関口という街だ。

雰囲気は中世のヨーロッパみたいな感じ。

でも魔動車が走っているから時代感はぶち壊しかも、、、

それでも、馬車の方が多いな。

やっぱり魔動車は高級品なんだろうね。


冒険者ギルドの場所は簡単にわかった。

街の入口で見かけたリアカーを引いた冒険者たちが目指していたのがここだ。


冒険者ギルドは2つの建物で出来ていた。

1つにリアカーを引いた冒険者たちが並んでいる。

もう1つはそれほど人はいない。


う~ん。

まずは空いている方に行ってみよう。

人混み苦手だし。


入口から入るといくつかのカウンターが並んでいた。

何人かの視線を感じる。

モンスターを2体連れているのは珍しいのだろう。


辺りを見回す。

え~っと、、、

窓口の上に札があった。

『受注窓口』

『報告窓口』

『依頼窓口』

『手続窓口』


大半の冒険者は『報告窓口』に並んでいる。

1日の活動を報告しているのかな?

他の窓口は空いている。


僕は冒険者登録だから、『手続窓口』でいいのかな?

とりあえず行ってみよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る