コーラル商会のマヘリア
僕らは大型トラックの荷台に乗り込んだ。
マヘリアさんと僕の間にバニングさんとミレイさんが座っている。
護衛なんだろうね。
武装してるし。
マヘリアさんが色々説明してくれた。
「改めまして。
私はマヘリア。
リズムリア王国のパエルモという街で商人をしているわ。
今回は仕事でドバン帝国に来てたの。
今は帰路の途中でアルバンって街を目指しているところよ。」
僕
「この乗り物はなんですか?」
マヘリア
「これは大型魔動車よ。
かつての異世界人が発明したって話ね。
速いし、荷物も沢山積めるから便利よ。
ただ高額だから持っているのも商人としてはステータスね。」
僕
「マヘリアさんはやり手の商人なんだね。」
マヘリア
「それほどでも♪
それで、どうしてあんなところでさまよってたの?」
僕
「え~っと、
僕は僕を含めて複数人で転移してきたんだ。
で、親切そうに近寄って来た人たちがいたんだけど、僕の職業を知った途端に僕は追放されたんだ。
それで独力で人里を目指して歩いてたんです。道中ガウやリンを仲間に出来たので生き残れました。」
マヘリア
「なるほどね、、、
バニングはどう思う?」
バニング
「おそらく接触してきたのは奴隷商か人さらいだろう。
異世界人が優れた職業の確率が高いのは有名な話だからな。
それにテイマー系は奴隷に向かないからな。」
僕
「どうしてですか?」
バニング
「テイマーはモンスターを服従させる訳だが、奴隷は隷属の魔法契約を結ばされている。それをモンスターが感じとってテイム出来なくなるらしい。
テイムの出来ないテイマーは不要だからな。」
なるほど。
1つ疑問が解けた。
ハイテイマーの小川さんが見捨てられた理由がわかったよ。
マヘリア
「アキラはアルバンに着いたらどうするの?」
僕
「色々そろえて、もう少し旅を続けたいと思ってます。
さすがに人さらいの近くにはいたくないので。」
マヘリア
「それならドバン帝国は出た方がいいわね。ドバン帝国は奴隷売買が盛んだから、人さらいも沢山いるわよ。」
僕
「帝国を出るならどこに行くのがオススメですか?」
マヘリア
「そうね。
アルバンから近いのはリズムリア王国かフラメル王国かな。
リズムリア王国は農業が盛んで平和な国よ。冒険者には退屈な国ね。
フラメル王国はダンジョンがあるから冒険者には人気の国よ。
ハイテイマーなら引く手あまただと思うわよ。」
マヘリアさんのオススメはフラメル王国ってことかな。ハイテイマーじゃないけどね。
僕
「考えてみます。
それとお金がないから、稼ぐにはどうしたらいいですか?」
マヘリア
「そうね~。
まず、アキラは街に到着したらお金が手に入るわよ。
さっき倒したバトルオーガを積み込んだでしょ。あれを売ればいいお金になるわ。
一応、運搬代として1割程度はもらいたいけどね。」
マヘリアさんがイタズラっぽく笑う。
僕
「モンスターの死体なんて売れるんですか?」
バニング
「モンスターの素材は冒険者の収入源だ。
バトルオーガだと皮と骨が人気だな。
滅多に手に入らないから、高額が期待出来るな。」
僕
「モンスター倒したらアイテムが落ちてたりするじゃないですか。
あれはなんですか?」
バニング
「ドロップアイテムか?
あれは神様の報酬とも言われるな。
滅多にドロップしないから、ドロップすると相当ラッキーだな。」
滅多にドロップしない、、、
強欲のおかげで毎回手に入るのは相当チートだな。
僕
「ドロップアイテムがあるので買い取ってもらえませんか?」
マヘリア
「いいけど、少し安くなるわよ。
私たちも移動の途中だから、予定外の支出はそれほど出来ないの。」
僕
「いいですよ。どうせ店に持ち込んでも僕みたいな慣れない人間は足もとを見られて買い叩かれるよ。」
マヘリア
「そういう考え方もあるか。
売りたい物を見せてくれる?」
僕
「ありがとうございます。
これです。」
風呂敷布から大量のポーションなどを出した。
「「「なっ!?」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます