初めての強敵
リンがスーッと上昇していく。
しばらく待つとリンが降りてきた。
『見てきたよ~。
あっちに行けば森の外に出られそうだよ。
でもまだまだ遠いよ。』
「ありがとう。
方角がわかっただけでも助かるよ。
時々、上空から見てみて。」
『わかった~。』
それからの道中は順調だった。
一番の変化は高いところにある木の実も採れるようになったことだ。
なかなかのヒットがあった。
ルンボの実
ほぼさくらんぼ。
佐藤錦を小さくして、色を薄くして、味を激薄にした実。
美味しい訳ではないけど、不味くはない。
素早さ+1
それにリンと戦った時も、魔法抵抗力が高くなっていたのがポイントだった。
毒いちごを食べていたから助かったと思う。
食べられる物は食べておきたい。
素早さは大事でしょ。
日没がきた。
今日中に森を抜けることは出来なかった。
でも夜も安心だ
リンは夜の専門家だからね。
・・・でも、そろそろベッドで眠りたいな。
翌朝。
森をさまよって3日目。
今日こそは森を脱出したい。
森を歩くのも慣れたもんだ。
出てくるモンスターも僕らの敵じゃない。
サクサク倒していった。
そして、ついに発見!
カダルの実だ。
最初の施設で沢山食べたやつだ。
安心して食べられるのはいいね。
ガッツリ食べました。
『もうすぐだよ~。』
リンが教えてくれてた。
ようやくか~。
長かったな~。
景色が明るくなる。
『気をつけろ!
何かいるぞ!』
ガウの声に緊張が走る。
それが迫ってきた!
体長は3メートル近いだろうか。
筋骨隆々で二足歩行。
鬼のような形相。
巨大なゴリラのようなモンスターだ。
凄い圧迫感だ。
筋肉ゴリラにおもいっきり殴られる。
ヤバイ衝撃だ!
でも、なんとか耐えられた。
「ガウとリンは攻撃を喰らわないように距離を取って戦って!
攻撃はこっちで引き受ける!」
『おぅ!』
『わかった~』
HP を気にしながら戦う。
丈夫さは高い。そうそう大ダメージにはならない。
時々、ポーションを飲んで回復。
僕は筋肉ゴリラと正面から戦う。
ガウは後ろから何度もアタックしている。
リンは上空から闇の弾を撃ち出したり、体当たりしたりしている。
なかなか丈夫なモンスターだ。
けっこう攻撃しているのに倒せない。
まずい、、、
ポケットに入れていたポーションが後1本だ。
残りは布にくるんで置いてある。
取りに行く余裕は無い。
「ウオォォォォォォ!!」
筋肉ゴリラが咆哮する。
暴れ方が更に激しくなる。
凄まじい勢いで腕を振り回す。
連打が止まらない。
クソッ
HP が危険水域だ。
ポーションを飲まないと!
「あっ!?」
攻撃の隙に飲もうとしたけど、タイミングが悪かった。
攻撃が腕に当たり落としてしまった。
ポーションが転がる。
まずいぞっ!
筋肉ゴリラの攻撃を剣を盾にして防ぐ。
動けない。
スッ
横切る影。
リンだ!
リンがポーションを掴んで僕に投げる。
筋肉ゴリラの腕がリンを凪ぎ払う。
吹き飛ばされるリン。
僕はポーションを掴んで一気に飲み干す。
「ハァァァァ!」
気合いを入れて剣を振り回す。
僕も筋肉ゴリラもノーガードで攻撃を繰り返す。
ガウも背後から何度も飛びつく。
筋肉ゴリラの大きな背中を何度も引っ掻く。
ガンガンHP が減っていく。
それでも!!
下がらずに攻め続ける。
そしてついに、、、
「ギャアァァァァ~」
筋肉ゴリラが倒れた。
「やった~、なんとか勝てた。」
『すぐに回復しよう。リンもHP がかなり減っているはずだ。』
「そうだね。
僕もHP がかなり減っているしね。」
『魔石をもらってもいいか?』
「いいよ。食べといて。その間にリンを回復しとくよ。」
なお、省略しているけど、倒した時にレベルが上がりました。
あんまり影響無いけどね。
それと筋肉ゴリラって呼んでけど、本当の名前は『バトルオーガ』という名前だった。
「リン、ありがとう。
大丈夫?」
リンにポーションを飲ませる。
『痛たたた、当たっちゃったね。』
「無事で良かったよ。」
そんな会話をしていると、
『ガウが進化出来ます。
進化先を選んでください。』
えっ!?
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