森を抜けたい

川沿いに歩いていく。


ラッキーな発見が2つあった。


1つは大きな蜘蛛のモンスター。

大型犬ぐらいの大きさだ。

糸を吐く厄介なモンスターだったけど、ガウが牽制している間に接近して倒した。

こいつを倒すと大きな布がドロップした。


この布が有り難かった。

風呂敷のように使って、ポーションを大量に持ち運べるようになった。

更に布を切り裂いて紐にすることも成功した。

これでガウも荷物を背負えるようになった。



2つ目の発見は毒いちごだった。

その名の通り毒のあるいちごで、野いちごサイズで食べやすい大きさだった。

しかも甘い!

とにかく食べまくった。

食べると魔法抵抗力が上昇する効果があり、いつの間にか丈夫さを上回っていた。


この毒いちごのおかげで2日目は空腹に悩まされずに済んだ。



1日目より順調だが、そろそろ森を出たい。

街で快適な生活を送りたい。

汗や返り血で汚れた服も着替えたい。


「ガウ、

どこからなら森を抜けられるかな?」


『我にはわからん。

ここはテリトリー外だ。

森を抜けるルートが知りたいなら、木の上から周囲を確認したらどうだ?』


「無理だよ。

そんな高いところまで登れないよ。

・・・いや、待てよ。

僕が登る必要ないじゃないか。」


『我は木登りは出来ないぞ。』


「わかってるよ。

飛行するモンスターをテイムすればいいんだよ。どこにいるかな?」


『臭いを感じたのはラージキツツキかオオコウモリだな。

どちらにする?』


「キツツキとコウモリか~。

コウモリだな。

その方がカッコいい。」


『わかった。

コウモリの臭いはあっちだ。』


ガウについて行くと洞窟に到着した。


「この中にいるのか、、、

暗いな、、、」


洞窟の中は真っ暗で何も見えない。

ここに入って行くのは勇気がいる。

だけど、突入だ。

ガウは外に待機させる。


中に入ると、オオコウモリに襲われた。

・・・まったく見えないけどね。


とりあえず頭に噛みついてきたオオコウモリを掴み、そのままエイヤッと洞窟の出口に向かって投げる。

羽を押さえられ転がるオオコウモリにガウが襲いかかる。

前足で押さえ付け、噛みつく。

あっさり倒せた。


どんどんオオコウモリを掴み投げる。

慣れてくると、ガウが噛んでいる間は、捕まえたオオコウモリを地面に叩きつける。

剣を振り回すよりも効果的だ。


そんなことを繰り返していると、


ドスッ

今までと違った衝撃があった。


なんだ?

ダメージは無さそう。


ドスッ

ドスッ

その後も何発も衝撃がくる。


しばらくすると何かが僕の左肩に噛みついてきた。

コイツだ!


暗くて見えないがオオコウモリとは違う。


僕は噛まれたまま、捕まえて、そのまま洞窟の外に走り出た。


肩に噛みついていたのを無理矢理引き剥がす。

大きさはオオコウモリと変わらないが色が黒い。上位種か?


コイツに決めた!


「テイム!」

両手で押さえ付けたまま、魔力を流し込む。

どんどん浸透していく手応えがある。

コウモリの体が淡く輝いた。


『仕方ないな~。これから世話になるね。』


ガウに比べるとしゃべり方が軽いな。


「よろしくね。

名前はえ~っと、リンでいいかな?」


『リンね。悪くないね。』


ステータスを確認。


『リン

 ブラックバット


 HP  6/9

 MP  0/10

 力 6

 丈夫さ 6

 魔力 10

 魔法抵抗力 7

 素早さ 14

 器用さ 7


 スキル

 夜目

 吸血 レベル1

 闇魔法 レベル1』


さっきの謎の衝撃は闇魔法だったんだ。

それでMP が尽きて、直接攻撃をしてきたのか。

ステータス的には後列からの魔法攻撃とか空からの牽制がメインかな。

アタッカーとしては力不足だし、耐久力が低い。


「MP ってどうやって回復するの?」


『基本的には時間経過で回復かな~。

後は吸血でも上手くいけば回復するよ。』


なるほどね。

でも吸血はリスク高そうだね。

吸血中は動けない訳だし。

一旦捕まると戦闘手段が少ない。


「そう言えば、

夜目ってスキルあったけど、

目が見えるの?

コウモリって超音波で場所を探るんじゃなかったっけ?」


『モンスターだからね~。

似ている動物がいる場合もあるけど、別物だよ~。』


「なるほどね。

教えてくれてありがとう。

それでさ、

森の外に出たいんだけど、空からルートを見てくれない?」


『わかった~。』

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