暴食

『馬場明良

 異世界人

 市民

 レベル1


 HP  10

 MP  6

 力 7

 丈夫さ 9

 魔力 6

 魔法抵抗力 6

 素早さ 5

 器用さ 8


 スキル

 暴食 レベル1』


これが僕のステータスだった。

ロールプレイングゲームみたいだな。



エリック

「レベル1ですと、

だいたいの能力が10~7ぐらいでしょう。

それを上回っていれば優秀と言えます。」


荒川君

「俺、力18あるぞ!」


そんなに簡単にステータスをバラしていいのかよ。


カロッサ

「さすが大剣豪です。

レベル1なのにレベル16の私より力が強いなんてすごいです。」


荒川君

「へへへ。」


荒川君はデレデレしている。

そんなことしている場合かよ。



僕のステータスで気になる点が1つあった。


『暴食 レベル1』


そこをじっと見つめると、更に詳細な情報が出てきた。


『暴食 レベル1

 飲食を行うとステータスが上昇する。』


???

どういうことだ?

何かを食べたり、飲んだりするとステータスが上がるのか?

それって便利じゃない?


質問してみるか?

いや、信用出来ない人に言うべきじゃないな。



百田先生

「エリックさん、

このスキルに表示されている項目は使用できるんですか?」


エリック

「スキルには、

パッシブスキル、と、

アクティブスキルがございます。

パッシブスキルは所持しているだけで効果の出るスキル。

アクティブスキルは先ほどカロッサが使った『ファイアアロー』のように使うことによって効果が発動するスキルです。」


北条君

「スキルがいくつもあって確認するには時間がかかるな。ちょっと時間をもらえないか?」


羨ましいな。

こっちはスキル1つしかないのに。

さすが閃光の勇者だな。


エリック

「みなさん、

慌てなくても大丈夫です。

この後、夕食を食べて、シャワーを浴びてお休みください。

明日、街に向かって馬車を出します。

朝出発して日暮れ頃に到着することになるでしょう。

長時間の移動で大変かと思いますので、今日はゆっくりお休みください。」


カロッサ

「みなさん、

申し訳ございません。

ここまで大人数が一度に転移してきたのは初めてでしたので、ベッドが足りません。

寝室にはベッドが10台しかないのです。

ご了承をお願い致します。」


百田先生

「仕方ありませんね。野宿よりがはマシですし。」


北条君

「体調の悪い人はいるか?

優先的にベッドを使ってもらおう。」


さすが北条君、

こんな時でも優しさ発揮だ。

でも、この状況で「体調悪いです。」と名乗り出るのはハードル高過ぎるでしょ。


北条君

「良かった。

体調が悪い人はいないようだな。

じゃあ、男子はここで雑魚寝しよう。

いいかな?」


だから、ここで異論を言う猛者はいないよ。



クラスは生徒38人と先生1人。

生徒は女子18人、男子は20人。

結局、女子が2人で1台のベッドを使用することになった。

残り1台は先生。


エリック

「質素な物ですが夕食を用意致します。

しばらくお待ちください。」


カロッサさんと数名が去って行く。


しばらく待つと、

カロッサ

「食事の準備が出来ました。

みなさん、こちらへどうぞ。」


先導するカロッサさんに続いて歩いて行くと食堂に案内された。


ただ、どう見ても机も椅子も足りない。


カロッサ

「申し訳ございません。

椅子も机も食器も足りませんので、

立食スタイルでお願い致します。

料理は十分あると思います。

グラスは人数分ございますのでご安心ください。」


エリック

「ここは山奥の施設だから、贅沢品はないんだ。街に出れば美味しい物が食べられるので、明日の夜までは我慢して欲しい。」


机の上には大皿が置かれて、その上に料理が置かれている。

スープの横には色々な器が集められている。


パン ハード系だね。スライスされている。

スープ トマトスープかな。具材は小さめ。

ベーコン 焼いただけ。

ソーセージ 茹でただけ。

ゆで卵 少し硬め。

木の実 さくらんぼよりも少し小さい。


みんなパンにベーコンやソーセージを挟んで食べている。


百田先生

「この木の実はなんですか?」


カロッサ

「カダルの実です。

この辺りでよく採れる木の実です。

山奥まで食糧を運ぶのは大変ですので、周辺で採れる食糧は有効活用しているんです。

少し酸っぱいですが、慣れると食べられますよ。」


僕も食事開始だ。

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