第十二章 ルール

シューティングゲーム『イレブンナイトメア』


ストーリー


紅歴 2028年

超魔法文明が発達した人類は衰退の兆しを見せはじめていた。

突如ダンジョンからあふれ出した遺跡ルイン・モンスターに対抗するため、超能力をもった少女たちが立ち向かう。


十一人のキャラクターの中から三人を編成しゲームスタート


Aボタン ショット

Bボタン ボム

Cボタン 操作キャラクターチェンジ


キャラクターはEXチップを取るとレベルアップする

ライフ制 3回ダメージを受けるとゲームオーバー


プレイヤーキャラクター

キリ  バルカンショット(前方集中ショット)

アオイ ワイドショット(広範囲ショット)

ハツネ チャージショット(ボタン長押しで威力が上がるショット)

ミオ  オプションショット(自機のまわりにオプションを配置して多方向にショットできる)

サカキ ホーミングショット(敵を追尾するショット)

ホタル バックショット(後方集中ショット)

カガリ レーザーショット(前方集中レーザー。バルカンより貫通力が強い)

メノウ オートボム (このキャラクターを編成するとボムを消費してダメージを無効化する)

ミノリ バウンドショット(障害物に反射する)

ヒメ  シールドショット(攻撃力に乏しいが前方に敵弾を防ぐバリアを貼る)

ユキ  ソード(剣をふって攻撃する)



 マニュアルを読んだ一同は黙り込んでしまった。


「これをクリアしろっておれたちはゲームとやらに触れたことすらないんだぞ」


「とりあえずやってみましょう」


「東方まできてこんなことするとは思ってなかったな」


「え? これどうやってはじめるの?」


「われが1回やって見せよう」


 神凪かんなぎマハルはモニタの前に座りコントローラーを握るとゲームスタートした。


 オープニングデモをみて一同唖然とした。原始人がTVをはじめて見るのと同じことだ。


「このマシンの名前はMAHARU!

 この国の英知を結集して同時にならせるサウンドは3音まで。

 スプライトは最大64個。

 同時発色数512色中64色。

(スプライト……ビデオゲームにおける映像技術で、スプライトが64個の場合、画面上に64個キャラクターを合成表示できる。細かい意味は各自お調べください)

 なにをいってるのかわからぬかもしれぬが、それがこのマシンのスペックた。

 このゲームの容量8メガクリスタル。

 魔導鉱石エレニウムの結晶にゲームデータを焼き付けている。

 キャラクターのアニメーションはいうなれば点描を連続で表示して動いているように見せかけている。

 かつてのゲームハードの最高水準スペックとは比べるまでもないが、われには夢がある!

 一家に1台ゲームハードがあり、家族がモニタの前に集まってゲームを楽しむ。

 新しいゲームソフトの発売を子どもたちがわくわくしながら待つ。

 みんな笑っていて、そこには貧困も飢餓もない。戦争の心配もない。

 世界中がそうなればいい」


 夢を語るマハルは一国の王に相応しい顔をしていた。

 もっともその内容はTVゲームの復活であるが。


 マハルは自機を操ってわらわらと現れる敵をつぎつぎと打ち落としていく。

 赤い敵を倒すと出現するEXチップを集めて自機がレベルアップすると、攻撃が派手になり目を奪った。


 ついに1面ボス鬼畜列車が登場した。 

 でかい。画面を埋め尽くさんばかりである。大きさもさることながらアニメーションも細かかった。



「あっ、あっ……」


 マハルが紙一重で敵弾を躱すのでギャラリーたちの声が出てしまった。

 この敵弾は躱せない!

 そう思った瞬間マハルはボムを放った。

 自機が一瞬無敵になると同時にボスにダメージが入る。


 安定感のあるプレイでボスの残りライフを削ると1面クリアだった。


「ボスが登場すると背景がなくなるのは背景に使う描画能力をボスに回しているからだ。

 苦肉の策だが玉が見やすいと意外に好評だった」


「マハル様、製作者があれこれ解説するのはいかがなものかと存じます」

 紗良さらが諫める。


「それもそうじゃのう。ささ、誰からやる」


 みんな躊躇していた。


「ええい、順番にひとりずつやればいいのじゃあ!」


 マハルは右端にいたアルフレッドからプレイするようにいいつけた。



    つづく

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