第51話 【番外編】ベルトハイドの欲しい物。

こちらもちょっとした続きです。

ご興味がありましたらどうぞ(^o^)


これで本当の終わりとなります。

ここまでお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました(*´꒳`*)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 みんなが欲しいもの。





「お父様!私欲しい物が決まりましたわ」

 アリスが満面の笑みで公爵に告げる。



「いいね。アリスは何が欲しいのかな?」



「私、教会と孤児院が欲しいですわ。もちろん、ちゃんと管理してくれる人も、一緒に付けてくださいませ」



 アリスは綺麗な笑みを浮かべ、楽しそうに述べた。



「…それはまた…予想外だね。別に構わないけれど、理由を聞いても良いかな?」




「ええ。もちろん!


 教会と孤児院に奉仕に行く令嬢って、なんだかとっても素敵でしょ?だから、私も欲しいのです。


 とは言っても、私が行く事はありませんわ。


 面倒だし、どう考えても向いていないわ。慈愛の心も、奉仕の精神も、理解出来ませんもの…」



「…でも、教会や孤児院への奉仕活動を理由にすれば、善良で慈愛に溢れる令嬢を装いながら、面倒なお誘いを、堂々と断れるでしょ?


 孤児院や教会は支援を受けられるし、とっても良い関係を築けると思うの!」




 そう述べるアリスは、どこかうっとりとした表情を浮かべていた。




「…あら、それは良いわね!

 私も真似しましょうかしら。


 そうね…私は診療所…いえ、病院が良いわぁ!


 病院ならば、たくさんのお薬が試せますもの。


 それに、お庭に新しい庭園も作りたいわぁ。そこで、新しい毒草をたっぷり育てるの」



 夫人がウキウキと可愛らしく語る。




「あぁ…2人とも…素晴らしいよ。


 君達の希望を叶えたとき、他者から見たベルトハイドは、庶民の為に尽くす、とても善良な貴族だ。


 とても愉快で最高だよ」


 



「それで…イリスは何が良いか…決まったかな?」

 公爵が真剣に考えているイリスに話を振る。




「…何でも良いですか?」



「うん。何でも良いよ。望むなら何でも手に入れてみせるよ?」



 公爵の言葉を聞いて、満を辞したように、イリスが口を開く。



「…では、猫を飼いたいです…」



 イリスの答えに、呆気に取られた公爵が、パチクリと瞬きをする。




「…もちろん良いよ。好きな種類を選ぶと良い。

 …けれど意外だね?…もっと違う物でも良いんだよ?」




「いえ、猫が飼えればそれで…」

 許可を得たイリスは、静かに喜びを噛み締めていた。




 こうしてベルトハイドの面々は、それぞれが欲しい物を手にして、大いに満足し、次へ向けて、鋭気を養うのであった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


強烈な女性陣と、潔癖を治したいイリスくんでした。


最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました。


何度も心折れそうだったので、本当に心から感謝致します。

ありがとうございましたヽ(;▽;)ノ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

悪党の食卓。 --王妃の実家は、たぶん黒幕説。-- マイネ @maine25

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ