第3話 繋がる
【水沢明日香 視点】
中学の頃から大好きだった坂田くんと恋人になれた。
なにこれ……? 本当に現実かな?
嬉しすぎてニヤニヤが止まらない。
「えへ、えへへっ♪」
アタシはベッドの上で足をバタバタさせる。
坂田くんとキスまでしちゃった。あれがファーストキスだ。坂田くんも初めてだったらしい。
坂田くん凄くかっこいいから恋愛経験豊富だと思っていた。
実際、中学の頃の坂田くんは凄くモテていた。色んな女の子が坂田くんのこと狙ってたの。
おそらく、高校でも坂田くんはモテていただろう。
なのに、どうして坂田くんは恋愛経験ゼロの童貞なんだろう?
高校時代の坂田くんは恋愛に興味なかったのかな……?
まぁなんでもいいか。
ふと今日のキスを思い出してしまう。
あの坂田くんと舌を絡めう大人のキスをした。
坂田くんの唾液まで飲んでしまった。彼もアタシの唾液をジュルジュルと美味しそうに飲んでくれた。
あのキスを思い出して身体が熱くなる。
熱いっ、もう冬だというのに身体が熱く仕方ないっ。
坂田くんっ、坂田くんっ、坂田くんっ。
我慢できなかったアタシは、上と下を脱いで下着姿になる。
下着姿になったアタシは坂田くんを想像して慰める。
「坂田くんっ……」
最近、坂田くんを想像しながらオ●ニーばっかりしてるような気がする。
アタシって性欲強いのかな……?
◇◇◇
【坂田 視点】
今日、俺に三次元の恋人ができた。相手の名前は
ついに三次元の恋人ができたぞっ。しかも、相手はあの水沢だ。
嬉しいっ、凄く嬉しいっ。
まさか、水沢の好きな人が俺だったなんて。しかも、中学の頃から俺のことが好きだったらしい。
全然気づかなかった。俺って鈍感なのかな?
いや、そんなことないと思うけど……。
現在、俺は水沢とビデオ通話をしていた。
ビデオ通話なのでスマホの画面に水沢の顔が映っている。少しだけ彼女の髪は濡れていた。さっきまでお風呂に入っていたのかな?
『ねぇねぇ坂田くん』
「ん? なんだよ?」
『そろそろ名前で呼び合わない?』
「え? 名前?」
『うんっ、苗字だと距離感じちゃうんだよね……。アタシたち特別な関係なんだし、名前で呼び合おうよっ』
「分かったよ、明日香っ」
『っ~~~~』
俺が『明日香』と名前で呼んだ瞬間、水沢は声にもならない声を上げる。
『もう一回、もう一回名前で呼んでっ』
「明日香っ」
『んっ~~~!?』
また水沢は声にもならない声を上げる。
スマホの画面に映る水沢の顔は湯気が出るほど真っ赤になっていた。
水沢の反応が可愛くて思わず頬が緩む。
「みずさ――明日香も俺のこと名前で呼んでくれよ」
『えーっと、その……りゅ、流星くん』
「っ……」
水沢――明日香に名前で呼ばれた瞬間、俺の顔はカッと熱くなる。
おそらく、今の俺は顔が真っ赤になっているだろう。
大好きな人に名前で呼ばれるの恥ずかしいなぁ。けど悪くない……。
『その……これからは流星くんって呼ぶね?』
「じゃあ俺は水沢のこと『明日香』って呼ぶよ」
『うんっ』
ビデオ通話を終了したあと、俺はリビングのソファに座ってニヤニヤしていた。
俺の彼女マジで可愛いなぁ。あぁぁ、早く明日香に会いたいっ。もっとあの子とイチャイチャしたい。
明日香っ、明日香っ、明日香っ。
「なんでニヤニヤしてんの?」
明日香のことを考えていると、急に一人の女性が俺に話しかけてきた。
この人の名前は
「ねぇねぇ訊いてる?」
「ん? なんだよ、母さん?」
「
「なっ……」
母さんの言葉に俺は驚き混じりの声を上げる。あっ、ヤバいっ、動揺してしまった。
動揺している俺を見て、母さんは目を見開く。
「え? なにその反応……本当に彼女できたの?」
「そ、そんなわけねぇだろっ……」
俺がそう言うと、母さんはジト目になる。
「怪しい~、絶対彼女できたでしょ? ねぇそうなんでしょ?」
「っ……あぁっ、そうだよっ。彼女できたよっ」
「おぉぉ、本当に彼女できたんだ。凄いね、流星っ」
「……」
母さんに彼女できたことがバレてしまった。なんか凄く恥ずかしい……。
チラッと横を見ると、父さんと目が合った。俺の顔を見て、父さんは驚いていた。
俺に彼女ができたと知って驚いているんだろう。
「ねぇねぇ流星の彼女ってどんな子なの? 母さんも知ってる子かな?」
「水沢明日香だよ。母さんも知ってるだろ」
「へぇ~、流星の彼女って明日香ちゃんなんだっ。そっか、そっか、流星と明日香ちゃん中学の頃から仲良かったもんね。お似合いだと思うよ」
「そうかな……?」
「うん、そうだよっ」
母さんも明日香のことは知っている。明日香のお母さんとも仲良しらしい。
「流星」
突如、父さんが俺に話しかけてきた。
「ん? なんだよ、父さん?」
「ちゃんと避妊しろよ。分かったな?」
「……」
この人は何言ってんだっ……。
父さんはたまに意味不明なこと言うんだよなぁ。
「そうだよっ、流星。ちゃんと避妊しないとダメだよ? 分かった?」
「えっ、うんっ……わかったよ」
避妊か。
とりあえず、近くのドラッグストアで薄いアレを買うか。
◇◇◇
現在、俺は部屋の中を掃除していた。
今日は明日香が俺の家に来るんだ。だから掃除してるんだよ。
掃除が終わったあと、家全体にピンポーンとインターホンが鳴り響く。
ん? 誰だろう? 明日香かな?
俺は自室を後にして玄関に向かう。玄関のドアを開けると、明日香がいた。
「おはよう、流星くん……」
「うん、おはよう、明日香……。とりあえず、中に入れよ」
「う、うん……」
明日香は「お邪魔します」と言って家の中に足を踏み入れる。
玄関で靴を脱いで俺の部屋にやってきた。
「へぇ〜、ここが流星くんの部屋か。意外と綺麗な部屋だね。中学の頃は散らかってたのに」
「今日掃除したからな」
「あっ、そうなんだ」
俺は床に座る。明日香は俺の隣に座った。
たまに彼女の髪からフルーツのような甘い香りが漂ってくる。良い匂いだ……。
ふと横を見ると、明日香と目が合った。
意識すると明日香って本当に可愛いよな。
背中まで伸びた黒髪、大きな瞳、小さな鼻、薄い唇。
人間離れした明日香の容姿に目が吸い寄せられる。
「なぁ明日香……キスしていい?」
「ぇ……?」
俺の言葉に明日香は目を丸くする。驚いているように見えた。
「やっぱりダメか……?」
「う、ううんっ、ダメじゃないよっ。アタシも流星くんとキスしたいっ」
明日香はそう言ってギュッと瞼を閉じる。
彼女の身体はプルプルと震えていた。緊張しているんだろう。
もちろん、俺も緊張している。その証拠に俺の手は震えていた。
俺は明日香の肩を掴んで瑞々しい唇を奪った。
俺は明日香の口内に舌を入れる。明日香は俺の舌を受け入れてくれた。
「明日香……」
「流星くんっ……んっんっ、ちゅっ、ちゅっ」
明日香と熱いキスを繰り返していると、ジワジワと全身に熱を帯びる。熱いっ、身体が熱すぎる。特に下半身が熱いっ……。
くっ、もうダメだ、我慢できない。我慢できなくなった俺は明日香を押し倒す。すると、彼女は驚いた表情になる。
「明日香……いいか?」
「うんっ、いいよ……けどアタシ初めてだから優しくしてね?」
「お、おうっ、分かったよ……」
◇◇◇
今日、俺は童貞を卒業した。明日香と最後までしたのだ。
チラッと横を見ると、裸の明日香がいた。
「なぁ明日香。どこであんなテクニック覚えたんだよ?」
「それはその……バナナ使って練習してたんだ」
「ば、バナナ……? ぷははっ、なんだそれw」
「も、もう笑わないでよっ!?」
「はは、わりぃ、わりぃ」
明日香はバナナを使ってフ●ラの練習していたらしい。だから、あんなにフ●ラが上手かったのか。
さっきの行為を思い出して、ジワジワと下半身が熱くなる。
やべぇ……また興奮してきた。
異変に気がついた明日香は「ふふ」と笑う。
「流星くん、またエッチぃこと考えてたでしょ?」
「っ……そ、そんなわけないだろ」
「じゃあなんでまた硬くなってるのかな?」
「それはその……明日香が可愛いからこんなことになったんだ」
「っ……」
俺の言葉に明日香の顔は沸騰するほど真っ赤になる。
耳と首も真っ赤だ。
「ほんと……? アタシ可愛い?」
「ああ、マジで可愛いよ、明日香」
嘘じゃない、本当だ。俺が今まで出会った女性の中で一番可愛いと思う。
「その……流星くんも世界で一番かっこいいよ?」
「世界で一番? ぷははっ、そっか、そっか。俺は世界で一番かっこいいのか。ありがとうな、明日香。お世辞でも嬉しいよ」
俺がそう言うと、明日香は頬を膨らませる。怒っている様子だった。
「お世辞じゃないもんっ。流星くんは本当にかっこいいよっ?」
「そ、そうかな……?」
「うん、そうだよ。だから自信持って」
「お、おう……」
初めて女の子に『かっこいい』と言われた。なんか恥ずかしいなぁ。けど凄く嬉しいっ。
「なぁ明日香。もう一回しないか?」
「へ……? も、もう一回?」
俺の提案に明日香は混乱していた。
「さっきたくさんしたじゃん……まだ満足してないの?」
「あぁっ、もっと明日香とシたいよっ。頼むっ、あと一回だけヤらせてくれっ」
「ったくしょうがないなぁ。本当にあと一回だけだよ?」
「ありがとう! 明日香っ! 愛してるよっ!」
「うん、アタシも愛してるよっ、流星くんっ」
完結
マッチングアプリで昔好きだった人とマッチした 理亜 @ria012345
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