一章の登場人物紹介
一章の登場人物紹介
ユーゴ・クレイ
本作の主人公。
『ルミナス・ヒストリー』にて、悪役として登場するキャラクター……だったのだが、その中に善良なニチアサオタクである呉井雄吾さんの魂が入ってしまった結果、本来のキャラとは似ても似つかないヒロイックな性格に変貌してしまった。
本来のゲームシナリオでは、ルミナス学園に入学してきた主人公を見下し続け、気に入らないからという理由で様々な嫌がらせをしてくるクズとして暫くプレイヤーの前に立ちはだかる。
そういった行為の末にメインヒロインであるクレアの唇を公衆の面前で奪い、彼女を侮辱して悲しませたことから決闘に発展。
プロローグのボスとして対峙し、主人公の前に敗れ去ってからは転落の一途を辿る。
強力な魔道具である『宝剣ガランディル』の使い手ではあったものの、その性能を十全に引き出しているとは言い難く、むしろ本体はガランディルでユーゴはそのおまけとプレイヤーからは評されている。
使う技はそこそこ強いが、本体の性能は微妙。ただし、名家であるクレイ家の血筋は伊達ではなく、才能としては超一流のものを有している。
そんなユーゴであったが、ゲームシナリオを無視してクレアを奪いにかかったゼノンとの決闘に敗れ、更に上記の通り雄悟という人間の魂がその中に入ったことでその運命が大きく変化した。
入学から一か月かけてあくどい行動をすることで学園中の全員から完全に嫌われ、二度と好感度が上昇しない状況に陥るはずが、それ以前に決闘に負けたことでその展開が消滅。メルトのような高等部からの編入生をはじめとした一部のキャラからは、フラットな状態で人格を評価されるようになる。
その結果、雄悟のヒロイックな性格やフィーの良き兄としての姿を見たメルトから高い評価を得て、彼女を友人にするに至った。
また、ユーゴの中に眠っていた高いポテンシャルがニチアサオタクである雄悟のイマジネーションと融合したことで途轍もない引き出され方をしており、憧れのヒーローの技をバンバン繰り出せるおかしな状態になっている。
鎧型魔道具の『ブラスタ』との相性は抜群で、プレゼントしたフィーですら困惑するほどの性能を引き出している模様。
ラッシュが起こした事件を無事に解決したユーゴだが、そのことを知るのはメルトやフィーをはじめとした一部の人間のみ。
学園では未だに彼を嫌っている者も多く、まだまだ正当な評価を受ける日は訪れないだろう。
それでも彼は今日もどこかで誰かを助け続ける。弟が誰もに誇れる、最高のヒーローになることを目指して。
フィー・クレイ
ユーゴの異母兄弟にして、勘当された彼に味方した唯一の人物。
気弱で大人しいが芯の強い性格をしている。
高名な魔導騎士を多数輩出してきたクレイ家に生まれたものの、体が弱く騎士としての適性がないことを気にしていたが、自身の技術者、学者としての才能をユーゴ(雄悟ではない)に認められ、将来は自分の右腕として活躍できるだけの能力があると激励されたことで彼のことを心の底から尊敬するようになる。
ユーゴも彼のことは可愛がっていたようで、他の人間には見せない優しい兄としての一面を見せていたお陰で、フィーから慕われていた。
本来のシナリオでは落ちぶれていくユーゴに利用され、彼が力を得るための魔剣を召喚するための生贄となり、命を落としてしまう。
しかし、ユーゴの中に雄悟が入ったことで状況は一変。運命は変わり、ヒーローを目指す兄の姿を傍で見守る存在となる。
敵ばかりの状況の中で自分を慕い、尊敬してくれる彼の存在はユーゴにとっても大きく、弟が誇れるようなヒーローになるという目標の下、今日も己の道を驀進中。
鎧型魔道具のブラスタを渡したこともそうだが、ユーゴに己の進む道を決めさせたのは間違いなく彼であろう。
武器生成の能力を追加したり、保有する微粒子金属の量を増やしたりと、技術面で兄をサポートするフィーの活躍にも期待したい。
メルト・エペ
本作のヒロイン。(多分)
『ルミナス・ヒストリー』にてメインヒロインのクレアと人気を二分するキャラクターの一人で、お淑やかなクレアとは対照的に元気で活発な性格をしている。(ちょっとポンコツも入っている)
物語の舞台である『ルミナス学園』には高等部から通い始めた、所謂『編入組』の生徒であり、それまでユーゴがしてきた悪事を直接見たわけではないため、好感度はフラットな状態だった。
本来はそこから彼の悪行を目の当たりにして、少しずつ好感度を下げるはずだったのだが……そうなる前にゼノンがユーゴを倒してしまったため、好感度がマイナスにならずに済んだ。
それから弟のフィーを気遣うユーゴの姿を見たことで彼に興味を持ち、チームを組んで依頼を受ける。
その最中に彼が自分や子供を気遣ったり、魔鎧獣に攫われた人たちを助けるために奮闘する姿を見たことで好感を抱く。
聞いていた悪評よりも自分が目にしたユーゴの姿を信じることを決めた結果、彼を敵視する転生者たちの魔の手から外れる運命が確定。
その後、ラッシュとの決闘を制したユーゴを非難するゼノンの行動を目の当たりにしたことで彼らに嫌悪感を抱き、転生者たちとの断絶が決定的なものとなった。
幸か不幸か、彼女がユーゴとの関係の良好さをアピールするために行ったキスのせいで、本来はクレアが務めるはずだったポジションに彼女が入ったと転生者たちは勘違いした模様。
しかし、色々な意味で魅力的な彼女のことを欲深い彼らが諦められるはずもなく、シナリオルートの消滅アナウンスを確認しても虎視眈々とチャンスを狙っている者は多い。
ユーゴに対してはファーストキスをきっかけに友人としてよりも異性として彼を見るようになり、意識している。
あまり好意を隠すこともないが、そこは年頃の乙女であるためか大胆過ぎる行動は起こせずにいる。
しかし、ユーゴの方も彼女のことを意識しており、ヒロインとしては一番彼の近くにいる存在であることは間違いないだろう。
使用するのは指輪型魔道具の『スワード・リング』。
魔力を注ぎ込むことで紫色の魔力剣を作り出すことができ、主にそれを投擲しての攻撃を行う。
メルト自身の才能とこれまでの訓練のお陰で生成速度やそのバリエーションの幅広さはかなりのものになっており、無数の剣を瞬時に作ることも、巨大な剣を作り出すことも、魔力を集中させた強力な剣を生成することも可能。
ブラスタに剣を作り出す能力が追加されてからは、その元となる剣を渡す役目も担っている。
上記の特性による幅広い攻撃のバリエーションに加え、平均的に高く伸びのいいステータスや補助、回復魔法も使用可能という器用さも併せ持っていることで、ゲーム内での性能は文句なしの上位クラス。(TierでいえばSランク)
キャライベントでもお色気シーンが多く用意されており、それもあってかやはり転生者たちは彼女のことを諦められないようだ。
余談ではあるが、ユーゴは既に彼女のパンチラ&入浴シーンに遭遇というイベントを経験しており、それを彼らが知ったら血の涙を流して悔しがるだろう。
マルコス・ボルグ
本作のヒロイン。()
嫌味な貴族ではあるが、根は熱く真面目で貴族としての自分に誇りを持っている、付き合っていくと意外といい奴だとわかるタイプの人間。
ユーゴとは彼が勘当を言い渡され、宝剣ガランディルを没収されたことを知って決闘を申し込みに来た際に出会う。
その際には性格の嫌な部分が目立っていたが、徐々に彼に感化されて本来の抜けてはいるが貴族としての誇りを大事にする性格を取り戻していく。
ユーゴに乗せられて児童養護施設で子供の面倒を見ることになった際、施設を襲撃した謎の魔鎧獣を彼と共に撃退したことで完全に和解。
フィーやメルトにもこれまでの非礼を詫び、素直になれないながらも彼と友人関係を築くに至る。
ラッシュが魔鎧獣に変貌した際には敵わないとわかっていながらもメルトや子供たちを守るために奮闘、ユーゴが駆け付けるまでの時間を稼いだ。
その姿はユーゴからもヒーローだと讃えられ、ラッシュとの戦いに挑む彼の心に火を着けた。
事件解決後は怪我の療養と破壊された魔道具の修復のために実家に帰省することになる。
その際、ユーゴとの友情を確認し、彼に追いつくために自らを鍛え上げることを誓った。
俗にいう、追加戦士ポジションの男であり、仲間になってからはコメディリリーフ的な立ち位置も多くなっている。
ユーゴの友人兼最大のライバルを名乗っているが、周囲からはあまり本気にされていない模様。
使用する魔道具は『ギガシザース』。その名前の通り、左腕を覆う装甲と一体化した巨大な鋏を武器とする魔道具である。
物理耐久と攻撃に関してはなかなかのものを持っているが、魔法面に関してはあまり優秀とはいえない。
そのため、TierランクはB程度で収まっている。
……だがそれはあくまでゲーム内のマルコスに関してであり、この世界のマルコスがその程度の成長で収まると決まったわけではない。
ユーゴという好敵手を得た彼の飛躍に期待だ。
ゼノン・アッシュ
最低最悪のクズと呼ばれていたユーゴを決闘で打ち倒し、彼の婚約者であるクレア・ルージュを救った(奪った)転入生。
その正体は雄悟よりも早くにこの世界に主人公として転生してきた人間の一人で、灰野瀬人というゲームオタク。
クレアのガチ恋勢であった彼は彼女がユーゴにファーストキスを奪われるイベントを回避するため、そのイベントが発生する前にユーゴを決闘で倒してしまうのだが……それが運命が変化する大きなきっかけとなってしまった。
メルトのシナリオルートの消滅やユーゴとの決闘に臨んだラッシュの敗北を経て、憎きユーゴを貶めるためのデマの流布を行いつつ、奪われたメルトを主人公のカリスマで奪い返そうとするが、逆にその行動が彼女の逆鱗に触れ、目の前でユーゴにキスをされた挙句、完全にフラれてしまう。
しかし、メルト以外にはまだそのカリスマが通じていたことで気を取り直し、好き勝手に過ごしていたのだが、今度は自分がアドバイスしたラッシュが強さこそ正義であると考え、魔鎧獣になるきっかけを作ってしまった。
主人公としての転生ボーナスが通じないレベルに強くなったラッシュに敗北し、気絶。
その間に彼が生み出した魔物によって学園がパニックになるも、他の転生者たちが事件を解決したことで、彼らとの間に大きな差が生まれてしまった。
その後、結託した転生者たちから武器や仲間を手に入れる優先権を奪われたことで焦燥感に襲われた彼は、再びメルトを手に入れるために行動を開始。
ヤムヤム山での依頼に臨む中、その最中にユーゴを排除しようと暗躍するも見事に失敗。その中で取った行動によって他の生徒たちからの信頼を失い、完全に再起の目を失った上に精神崩壊を起こしたことで転生者で初めてのゲームオーバーを宣告された。
性格は自己中な陰キャオタクであり、後先考えない軽率さや目の前の人間をゲームキャラだと考えてしまうゲーム脳も併せ持っている。
理想の主人公を演じ、それを与えられたカリスマで補強することで粗を潰していたのだが、そのカリスマ(周囲からの尊敬)が消えたことで上記の嫌な性格が隠し切れなくなり、完全に失墜してしまった。
彼がもう少し他人のことを思い遣れる性格だったならば、この事態も避けられたかもしれない。
転生時に選択した武器は直剣。炎属性の魔法の適正も高めてもらっており、オーソドックスな性能に仕上げている。
ゲームの知識もかなり豊富で、まともにこの世界をエンジョイしていたのならばかなり強い人間になれただけに、早期の脱落は彼にとって無念であろう。
ラッシュ・ウィンヘルム
やや独善的な性格をしている男子生徒。ユーゴ、マルコスと同じく、中等部からの進級組。
そこそこ有名な魔導騎士の一族の出で、そのお陰か取り巻きも多い。
しかし、家柄を慕っている者が大半であり、彼自身に魅力を感じている者はあまり多くなかった。
ユーゴとはメルトが彼と関わったことで出会うことになる。
最低最悪のクズである彼にメルトが騙されていると考えたラッシュは、ユーゴに彼女から離れることを要求し決闘を挑む。
その際、メルトの話に耳を貸さず、自分の考えを押し付けるだけだったことからも彼の独善的な部分が見えるだろう。
メルトを賭けた決闘の際には分身を生み出す指輪型魔道具の【アヴァタ・リング】とかまいたちを生み出せる剣型魔道具【ウィンドルム】の能力を活かし、手数でユーゴを追い詰めるが、ムエタイを元にした紫激的な戦法を解放した彼の前に逆に圧倒され、敗北を喫する。
その後はゼノンのパーティに加わり、彼の命令でユーゴを監視していたが、その際に目撃した蟹型の魔鎧獣やそれを撃退したユーゴの姿を目の当たりにしたことで精神の均衡が崩れ、そこを『黒フードの人間』に付け込まれてしまう。
ゼノンの軽はずみな言葉によって『強さこそが正義』であると思い込むようになった彼は、全てを超越した強さを求めて黒フードから渡された蟹の鋏を使い、周囲の人間を次々捕食。
強大な力を手に入れ、ゼノンを打ち倒した後は更なる力を求めて児童養護施設を襲撃する。
マルコス、メルト、そして駆け付けたユーゴをその力で圧倒するが、最終的に紫の鎧を発現したユーゴによって倒され、自身を見限った黒フードに始末された。
しかし、彼が生み出した小型の蟹の魔鎧獣はその後各地へと逃げ延び、様々な影響を及ぼすことになる。
ゲームの中での性能は序盤は強いが徐々にステータスの伸びしろのなさからお留守番が多くなっていくタイプのキャラとして位置付けられており、TierランクはC。
ゼノンも適当に仲間にしただけであって、別に思い入れも何もなく、後々二軍、三軍に落とすつもりであった。
※小ネタに書き忘れてたんですけど、彼のモチーフになったのは仮面ライダーセイバーに登場する仮面ライダー剣斬です。(風属性の剣士&強さこそ正義という信条を持つ)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます