第11話 チョコバーと女の勘!
放り投げた
「やったぜ! オレってばやっぱ天才っ! おい、べちょべちょのグロい化け物! チョコバーは特別にくれてやるから、そのままそいつらみんな殺しちまえ!」
自分が危機を無事回避できた喜びでテンションが上がっていることを考慮しても、完全にその遼也の発言は一線を越えていた。
遼也は俺たちがやられるところをその目で見たかったらしいが、仲間たちに手を引っ張られて、結局は渋々その場を逃げ出していった。
そして、俺たちの近くにいた他のクラスメイトたちも蜘蛛の子を散らすようにみんないなくなってしまった。
遼也っ!
悪いけど、今度会った時は容赦しないからなっ!
俺が密かにそんな決意を固めていると、
「つい受け取っちゃったわ。でも、これ、どうやらあの魔物の好物みたいね」
と、乗崎 麗夏はこんな状況でも冷静に言った後、俺の方を見ながらこう尋ねてきたのである。
「ねえ? あの魔物が襲ってきてもあなたがちゃんと助けてくれるわよね?」
本当に手が届くほどすぐ近くで完璧姫の吸い込まれそうなほど美しい
なぜかはよくわからないが、乗崎 麗夏は俺のことをかなり信頼しているらしかった。そして、その女の勘のようなものは、ついさっきまでは完全に当たっていたのだ。
しかし、今違う。
俺はつい好奇心でステータスをいじってしまったのだから。
今の俺はあの漆黒のオークより確実に弱い。
少なくとも、あと5、6分は。
俺はついさっき、また自分のステータスをあの漆黒のオークを倒せるギリギリまで上方修正したのだが、それがちゃんと採用されるまで、あの天の声のおっさんの話では、あと5、6分は必要なはずだった。
つまり今の俺の強さはF級。
敵は少なくともD級。
普通に考えたら、とても
「
この子、やっぱり俺のことを試そうとしている!
俺はその時、そう確信したのだった。
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第11話も最後までお読みくださりありがとうございます!
ここまで読まれて、もしちょっとでも「なんかおもしろそう!」「これは期待できるかも!」と思っていただけましたら、☆☆☆評価をしていただけるとめちゃくちゃうれしいです!
作品フォローもぜひお願い致します!
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