コワいウシさんとヒツジさん

ある子供と母親の会話

子供「ねぇママー」

ママ「なあに？絵本なら寝る時間まで我慢よ？」

子供「ねぇねぇ、ウシさんとヒツジさんは

コワいいきものだってパパがいってたの

ママしってる？」

ママ「ええ、知ってるわ」

子供「じゃあさ、ウシさんとヒツジさんはー

なんでコワいの？

オオカミさんみたいにぼくのことたべちゃうの？」

ママ「いいえ、牛さんと羊さんはあなたのことを食べたりしないわ」

子供「じゃあさ、じゃあさ、ウシさんとヒツジさんはー

ぼくのことキライ？

いじわるたくさんする？」

ママ「いいえ、牛さんも羊さんも

あなたや私たちのことを嫌いに思っている訳じゃないの

ただ……」

子供「なんで？なんでコワいの？？

ぼく、なんでコワいかわからないからコワいよぉ……」

ママ「うーん

そうね……

牛さんと羊さんはー……うーん

草をたくさん食べるの」

子供「ウシさんとヒツジさんって草をたべちゃうんだ

だから、草がなくなっちゃうからコワいんだね？

すごくコワいね！ウシさんとヒツジさん」

ママ「いいえ、ちがうの

ええと、そうじゃなくて……

草を食べてもまた生えてくるから

草はなくならないの」

子供「でも、あれ？どうして……あれ？

ウシさんとヒツジさんはほんとうにコワいの？？」

ママ「うーん……ええ……でも怖いのよ？

草をたくさん食べて、ゲップをたくさんするの

そのゲップが怖いのよ？」

子供「ゲップ？

ゲップ、口からだすオナラだってパパがいってた」

ママ「そうそう、牛さんと羊さんは草を消化するには

口からメタンっていうオナラの成分が含まれたゲップをたくさんしないといけないの

それで、そのゲップがオゾン層を傷つけたり

空気の平均温度を上げてしまうの」

子供「ママ、ぼくよくわかんないよ

どうしてウシさんとヒツジさんがコワいのか

もっとわかるやつがいいな」

ママ「うーん……それは……うーん……

そうねぇ……うーん……

牛さんと羊さんは……結局のことろ……

海を大きくして私たちの住んでいるところを沈めたり

風を強くして人や物を吹き飛ばしたり

一部の動物たちを住めなくしたり

それから……ものすごい土砂降りで家を流したり

暑すぎる日と寒すぎる日を増やしたり

砂漠が広がって植物が育たないところをふやしたり……

それはそれはコワい生き物なのよ」

子供「そっかあ！

そんなにコワいことするウシさんとヒツジさんをみかけたら、

ぼくはがんばってにげるね！」

ママ「それがね……

誰も牛さんと羊さんからは逃げることができないの」

子供「えええ！？

そんなにウシさんとヒツジさんはあしはやいの！？」

ママ「そうじゃないけど

牛さんと羊さんがゲップするとゲップって目に見えないの

だけど、ゲップしたらもう逃げられないの

逃げるところがないっていうのかな」

子供「コ、コワい……

ウシさんとヒツジさんは

どんなワルモノカイジンよりもつよいんだね……」

ママ「そうね、倒せば終わりってことにはならないから

そうかもしれないわね」

子供「うわぁ……

ぼく、どうしたらいいの？

ウシさんとヒツジさんにかてないの？」

ママ「なるべく牛さんや羊さんを食べないように

牛さんから採れる牛乳やバター、チーズやヨーグルトもなるべく食べないように

なるべく生活から遠ざけることで

少しづつ減らしていくのが

1番いいのよ」

子供「たべなければいいんだね！

なんだ、すごくかんたんかもしれない！

どうしてウシさんとヒツジさんがまだとおくにならないの？」

ママ「それは、一部の人達には牛さんと羊さんがお金にしやすいから

たくさんの牛さんや羊さんを育てているからなの

でも、みんなが食べなければ

牛さんや羊さんをお金にするのが難しくなるから

どんどん減らすことができるのよ？

これは少し難しいお話だから

もう少し大人になってから思い出してくれるとママは嬉しいな」

子供「ママがうれしいならぼくもうれしい！」

ママ「ありがとう、さあ晩ご飯は何にする？」

子供「ウシさんとヒツジさんじゃないのがいい！」

ママ「うふふ、じゃあ今日は鶏さんにしょうかしらね」

子供「からあげ！」

ママ「からあげが鶏さんだってよく覚えてたわね」

子供「パパがチキンは鶏さんだっていってたの

チキンはからあげ！」

ママ「うふふふ、じゃあ、パパに今日はからあげだよって教えてあげてね」

子供「わかったー！！！パパーー！！！からあげーーー！！！！」