王とは孤独なものである。そしてその地位に群がる者もある。砂漠の中にあるどこか幻想的なアラビアンナイトの世界、その中にあって疑心によって眠れぬ王と物語を紡ぐ新しい妃。千夜一夜物語の内容を知らずとも、その名前を聞いたことはあるだろう。それを下敷きにして、信じるとは何かを説く。疑心に苛まれる王の信を得るには何をすべきか。そこにはきっと、特別なものは何も無かったのである。ただその人のためだけに、一心に。誰かのための何かは人を動かせるのかもしれません。ぜひご一読ください。