番外編、スピンオフについて
前回の最後に告知をしてしまったので、今回は「短編賞創作フェス」三つ目のお題「秘密」から着想を得て書いた作品を元に、話をしてみます。
といっても今回の話はなぜだか、なかなか書く気が起きず……少し期間が空いてしまいました。執筆した順番通りに書かなきゃと思って告知したものの、その間にむしろ別の話を書きたくなったりもしたので、次回の内容の告知はしない方がいいのかもしれないですね。
全部を記録しようと思うと大変かもしれないので、これからは書けるときに書いていくスタイルでやっていこうかなと思います。
それはともかく。前回の「黒ひげ」の話は考えることが多くて、疲れ果ててしまった私は、「短編賞創作フェス」の最後のお題「秘密」を見た時に、「秘密……いろいろ考えられそうなお題だし何かしら書けそうだけど、正直、また一から新しく話を考えるの面倒だな」などと思ってしまいました。
そんな中で、「そういえば本編のエピローグで少し触れたものの、まだ皆さまには明かしていない秘密が『アイラと神のコンパス』の中にあったな」と思い出した私は、今回はそれを元に、『アイラ』のスピンオフ的な新作として、お題「秘密」の作品を書いてみることにしました。
そのとある「秘密」以外にも、ちょうど色々本編では書ききれていなかった設定があったので、試しにそれらを思うがままにバーッと書いてみました。
しかし書き終えていざ読み返せば、ストーリーの展開は少なく(むしろ説明だらけの?)、本編を知らない人にはあまり付いていけない感じの内容で……。
これ、『アイラ』本編を読んでない人からすれば全く面白くないな。と気づいた私は、新作として発表することを諦め、『アイラと神のコンパス』のエピローグの後に付け加えていっている「番外編」の中の一話として、発表することに決めました↓
『アイラと神のコンパス』番外編「アンの秘密と悩み事」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881172569/episodes/16818023212084876122
「短編賞創作フェス」の「秘密」については新作として発表できないという結果になり、皆勤賞は逃しましたが、長らく更新できていなかった『アイラ』番外編を、この機に一つ追加できたので満足しています(後述しますがこの話、ちょうどいつかは書かねばならないと思っていた内容でしたし)。
ちなみに、私は「スピンオフ」と「番外編」という言葉を、近況ノートを書く時などに、勝手になんとなく使い分けていたのですが、この機に調べてみると、実際は同じような意味のようですね。
私はスピンオフは「既存の作品(本編)から派生して生まれた一作品」、番外編は「本編と同じ舞台であるものの、本編からは少しかけ離れた一つの話」といった感じで……「スピンオフ」は一つの「作品」として成り立っているイメージ、一方の「番外編」は同じ作品内の、本編からはちょっと離れた「一話」……って感じなのかなと考えていました。
とはいえ一つの作品として成り立った『○○ 番外編』てな感じの作品もありそうですし、意味は「派生した作品」という点では一緒で、どうも区別がなくてもよさそう?な感じですかね。
私の場合、「番外編」は完結した本編の後ろ、エピローグより後に書いていっています。なので本編を読破された方向けに書いていて、ネタバレも満載です。
といっても長編作品で完結させたのがまだ『アイラと神のコンパス』だけなので、そこでしか番外編、書けていないですが(汗)
※こんな感じの番外編です。ご参考までに↓
『アイラと神のコンパス』 https://kakuyomu.jp/works/1177354054881172569
こちらの番外編、まだ二つの話しか書けていませんが、内容としては前回の番外編は本編よりも過去の時間軸の、本編に出てくる主要な登場人物の親世代の話。そして今回は、本編にも出てきたとある人物の、エピローグより後の未来の話、といった感じで今のところ書いてみています。
一方、「スピンオフ」としては、『幽霊船の船長』から派生してできた二作品、『樹海の子』と『深夜の船内散歩』をおよそ一年ほど前に執筆しました。こちらは本編を読んでいない方にも理解できるように工夫し、本編のネタバレについてもなるべく少なめに抑えています↓
『樹海の子』 https://kakuyomu.jp/works/16817330650374962586
『深夜の船内散歩』 https://kakuyomu.jp/works/16817330654166165368
『樹海の子』は『幽霊船の船長』と同じ世界が舞台ではあるものの、本編には出てこなかった新しい登場人物を一から考えて書いたスピンオフ作品です(この作品を書き終えた後から、本編にもちらっと登場させたりしましたが)。
樹海の道案内をする少年についての話は前にネタ帳にメモっていたのですが、更新していた『幽霊船』の世界にちょうど「樹海」という舞台があったので、試しに『幽霊船』の世界を舞台に書いてみたという作品になります。
一方の『深夜の船内散歩』は昨年のKACのお題「真夜中の散歩で起きた出来事」から着想を得て書いた作品ですが、こちらでは先ほどとは違って、『幽霊船の船長』と同じ主人公、とともにおなじみの「幽霊船」の面々を登場させつつ、新キャラの存在を一人だけ新たに登場させた感じで書いています。
この二作は本編を読んでいない人にとっても楽しめるようにと、先日書いた番外編とは違って、ストーリー展開も楽しめるようにちゃんと考えました。
本編を読んでいない方からも、面白く読んでいただけたとのご感想もあって喜んだものの、一方で、本編を先に読んだほうが良かったのでは、といったご感想もあり、そう感じさせてしまったところは反省点ですね。スピンオフの難しいところです。
そんな感じで、これまで書いた番外編、スピンオフをざっと振り返ってみました。
そんな中ふと思い出したのですが、番外編を書いた時ってなぜだか、同窓会のような気分?になりがちなところがあったりします。
私の場合、本編を書き終えてから時間が経ってから書くことが多いせいでもありますが、書くたびになんだか懐かしさを覚えます。
まず、久々にこのキャラクターの台詞を考えるなぁ、だとか、こいつ、こんなヤツだったなぁといった、かつて自分の考えた登場人物に対する懐かしさ。
そして『アイラと神のコンパス』番外編を書いた時に思ったのですが、かつて『アイラ』を読んで下さっていた方が久々に『アイラ』のページに集まってもらえる感じが、いつもの懐かしい顔ぶれが久々に揃ったような感じがする。その中にはしばらく名前を見ていなかった方が、久々に自分の作品を訪れてくれることもあったりする。そんな感じが、かつての同級生に久々に再開したような懐かしさを感じたり……(なんだか説明下手で上手く言えませんが(汗))。
なので番外編を公開した後は、誰が集まるかな、皆に久々に会えるかな、来てくれるといいな、といった、同窓会の幹事?的なちょっと特殊な楽しみ方もあったりします(まあ、現実では同窓会の幹事なんてやったことないのですが(笑))。
なんだかよくわからない例えで終わってしまいましたが。今回のテーマ、「番外編・スピンオフ」について思うところはそんな感じですかね!
あとは……最後に『アイラと神のコンパス』の読者の方向けに、今回書いた番外編の話を少ししたいと思います。
ちなみにこちらは『アイラ』読者の方に限定される分、番外編を読んでいない方も多いかと思いますので、読んでないよって方はこの部分、気にせず飛ばしちゃってくださいね。
今後もそんな感じで、まだ読んでいない作品の説明部分なんかはどんどん飛ばしてもらって大丈夫です。読了済の印として「♡」を押してくださっている方は、全部読まずに途中まででも押してもらって構いませんので!
※ここから先は、『アイラと神のコンパス』および番外編「アンの秘密と悩み事」のネタバレを含みます↓
今回の番外編「アンの秘密と悩み事」では、お題「秘密」から連想したまだ明かしていないアンの秘密を、そして本編では触れられなかったディール帝国の背景についても、この機に公開するために書きました。
アンについては秘密を明かさないまま進めることもできるものの、エピローグで少しだけアンの年齢問題に触れた以上、どこかでそれを回収せねばなりませんでした(エピローグで目ざとくそこに気づいて、コメント下さった方もいらっしゃいましたので!)。
そしてもう一つ、『アイラ』の世界において、基本神と魔王とその関係者しか使えないはずの魔法が、ディール帝国だけ魔法道具にあふれているのはなぜか。という点は本編で触れる暇がなかったので、いつかは明かなければならない、という使命がありました(アンの背景よりも、むしろこちらの方が必須で書いておかねばならない内容なのかもしれません)。なので、ディール帝国の建国話や宝物庫の存在、その他の設定についても、いつかは書かねばならない部分でした。
アンについてもディール帝国の背景についても、続編で明かすことも考えましたが、いろいろ書かねばならないことが山積みな続編の中で果たして書く暇があるのか……。もしかしたら旅の道中、ディール帝国に立ち寄る暇もないかもしれないので(予定変更するかもしれませんが)、もう忘れないうちに、とっとと番外編で明かすことにしました。
そんなこんなでいろいろ明かさねばならないことが多くなった結果、ストーリー展開は少なく説明がとにかく多くなり、本編で書けなかった設定をとにかく出しまくっただけの話になってしまって、面白く読んでいただけたか不安も残る番外編にはなりましたが。それでも『アイラ』に関する情報を仕入れるような感じで、興味深く読んでいただけると嬉しく思います。
ストーリー展開は少ないものの、国の成り立ちなど考えた設定をただつらつら書いていくのも、作者としては案外楽しかったです。こういう設定みたいなもの深く考えたりするのも、最近はとんとご無沙汰だったのでちょっと新鮮でした。
あとは、アンの「永遠の子ども」だという設定。ずいぶん前に思いつきで決めた部分なのですが、今回の話を書いていて、無理ないかな?とちょっと心配も。
国の繁栄のためだか何だか知らないけど、子どもの姿じゃお世継ぎとか作れないけど大丈夫か?とか……衰えない体とはいえ、アンも永遠に病気にならないとは限らないのに。
まあアンの父親の裏設定として、熾烈な権力争いに勝利して今の座を得た過去があるので、アンに子どもがいたとしてその子らが権力争いとかしても面倒だしいいか、とでも思ったのかもしれませんが(親を殺して王の座につく人とかも普通にいますし)。
次の代がいなくても大きな繁栄を築いたどこか国の女王様のように、もしかしたら絶対的な女皇帝になるのかもですね。
多少無理な設定か?などと思いつつ、続編でも唯一変わらず、玉座にちんまり座っているイメージがあったアンだったので、当初の設定をそのまま使いましたが。とはいえ、続編では姿ががらりと変わり魅惑的な美少女になって現れる、というのも面白そうでちょっと揺らいだこともあります(笑)
とはいえ美女枠はリーシとかいるし、そんなにいなくてもまあいいかな……。
どうも『アイラ』の続編のことまで書きだすと長くなりそうなので、とりあえずこのあたりで終わります。
次の番外編も、それから続編も、なるべく忘れないうちに(結局忘れたころになりそうですが……)また書きに来たいと思います!
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