11 生きる
昨夜
すれ違った待ち合わせの間、しんと見つめてた
街路灯の明かりに静まる通りを、人や車のシルエットが
時たまゆっくり流されてくように行き過ぎるさまを
この数年
どこかの遠いはるかから眺めてたつもりだった、人の世
その隅っこに今夜はこうして私もいる
…いる?
確かにいるんだろか
私ここに
しっかりしなきゃいけないはず
始めだすことが、
いつもの投げやりからでいいはずがないなら
だから、やれることは自分でやらなきゃ
動かなきゃだ
生きてんだもの
どーでもいいはずないんだもの
これまでとは違うんだもの
も一度この世界に戻ってきたはずなんだもの
かなう限り細心に、用心深く息継ぎしてかなきゃ
でなきゃ、もう息をしないでよくなった者と同じ
むしろえげつないくらい腹に息を溜めこみ、
周りをふっ飛ばすくらいの勢いに
鼻から息を荒げ出さなきゃ
そうじゃなきゃ
そうじゃなきゃ駄目なんだよ
生還したって言えないんだよ
WOMAN詩…やさしく殺して 海月 @medusaion
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。WOMAN詩…やさしく殺しての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
海月山に花の降る/海月
★39 エッセイ・ノンフィクション 連載中 125話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます