第4話 ミカの真実

 最近ミカは学校に来ない。気になった僕は直接ミカに会おうということでその日は学校を休んでミカを探しに家を出た。その日は雨の降る水曜の12時頃だった。

 少しだけ憂鬱な気分を押し殺して自分の探求心を信じようと自分にいい聞かせ、まずは駅前にある定食屋へと入った。


「いらっしゃい」


 店主が目も合わせずにつぶやく


 そこで480円のとんかつ定食を食べることにした。ふっと壁掛けのテレビに映るニュース番組を見ながらこの世の痛ましさを少しだけ感じた。しばらくしてとんかつ定食がやってきた。さっと食べ終え店を後にした。

 そういえばミカを探しているんだったと目的を思い出した僕は例の丘へ行くことにした。


―丘―


 結局、例の丘にミカの姿はなかった。ところで雨の日の丘に来ることは初めてだった僕は分厚い灰色の雲とその光を反射した湖との境目に引き込まれた。何だか自然ていうのは人間が作った人工物とおんなじだな、そんなことを思っていたら携帯が鳴りだした。もの思いの邪魔してくるなと思いながらも携帯を見てみるとミカからの電話だった。

 少し拍子抜けしながら電話に出てみた。

「もしもし」

「、、、」





「どうしたの?」


「ちょっと話したいなと思って」「もしかして学校休んでる?」


勘のいい女だなとおもいつつもミカが元気そうでよかった。

「そうだね休んでる」

「なんで?笑」

さすがにミカを探すために学校を休んだとは言えないので何となくそうしたといった。

「へーていうか学校休んでるなら私と遊ぼうよ」

「え、いいよ」

ミカは意外と肉食な女だなと思った。たけるも案外こんなやつを好きになるんだなと思った。



 ミカと遊ぶとゆうか女と遊びに行くこと自体初めての経験である。

なんだか面白いなと思いながら僕は待ち合わせの屋根付きのバス停のベンチで座ってミカを待った。


 5分ほど待っているとミカが現れた。


「久しぶり笑」

ミカの雰囲気は前と比べて少しだけ変わったような気がした。


「てか最近何してるの?」

当たり障りのない質問をしてみた。


「最近は学校行きたくなくって、笑」

ミカは何かを悟っている様な表情で答えた。たけるもこんな感じのミステリアスな女がタイプなんだなと感心した。


 それから僕たちは駅前のおじいちゃんとおばあちゃんがやっている喫茶店へと行っった。




―喫茶店―


「なに頼む?」

「メロンソーダ」

「じゃあ私も」


「…」


「あのね」

「てかさ」


気まずすぎて話しかけようとしたらミカと被ってしまった。

よくある気まずいやつだ。


「なに?」

「や、なんて言おうとしてた?」


ミカは気まずくて話を切り出したわけではなさそうだった。ずっと僕になにかを言おうとしていた感じがした。


「あのさ現実って何のためにあると思う?」

僕は急な質問に拍子抜けした。だが、そういうのは大好きだ。


「なに急に笑」「でもそういうの結構好きだな」

「ちゃんと答えて。」

ミカは意外と真剣だ。


「うーーん」

 しっかりと考えてみると結構難しい。そもそも、現実なんて人間に理解できるものなのだろうか。この世界は僕たち人間といゆうか僕たちの脳がすべてを私たちに見せている幻想のようなものであると思う。だから現実は人間には理解できない。ましてやそれの意味なんて、でもそんな答えをミカに言ったところで納得してくれる気がしない。だから無理やり何か答えをひねり出そうとした。

 


 僕が出した答えは

「こうやって僕たちが面白い話をするためじゃない?」だった


「あなたってすごいね笑」

ミカは納得したような表情を浮かべた。


「てかさミカってどうゆう人なの?あんまりつかめなくてさ」

ミカのことを知りたくなった僕は聞いてみた。


「まだあなたには早いかな笑」

何だかミカと話していると絶対に自分がその年齢にならないくらい年の離れた年上と話している気分になる。そんなことを思いながらミカとメロンソーダを飲んだ。





 ミカは何だか人間味がない。とゆうか人間なのだろうか。



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