第3話
ミカは偶然だねと笑った。
僕はなんでミカがここにいるのか疑問に思っていた。
するとミカは「じゃあ、私そろそろいくね」といって黒いさらさらとした髪の毛をなびかせながら僕の横を風のように通りすぎていった。
ミカはここにきて何を見ていたんだろう。そう思ってここから見える湖を眺めた。僕はふとミカのことが気になっているのかもしれないと思った。
次の日、学校に着くとたけるは残念そうに僕のほうへ寄ってきた。
僕が「なんかあった?」と聞くと、たけるは「今日はミカちゃんが休みなんだよ」と言った。なんだそんなことかと思いつつ僕も残念な気持ちになった気がした。
授業がおわった教室。誰もいなくなった夕方ごろに僕はミカとたけるの教室によってみた。ミカの机には見覚えのある紙袋がぶら下がっていた。あの時電話のあった女の車のなかにあった紙袋だ。だけれどミカの声と電話の女の声は違った。怖いくらいに偶然だなと思ったけれどすこしだけその女について知れたような気がした。教室はまだ夕方だというのに少しだけ寒かった。
家に帰りおじいちゃんと晩飯を食べた。お風呂にはいって布団に着き、ふと携帯を触ると見知らぬ番号から電話がかかってきていた。そして偶然にもミカからの着信もあった。とりあえずミカに電話をかけてみることにした。電話をかけると出たのはミカではなくあの時の女だった。
すると女はどちら様ですか?といってきた。なぜか女は僕のことを知らないようだしミカの番号ではなかったみたいだとその時は思った。女は僕を不審そうに感じているのが伝わり僕も気まずかったので間違えましたと言って電話を切った。
しかしミカではない電話にあの女が出た。どういうことだろう。
女とミカは関係があるのだろうか偶然ではないのだろうか。僕はミカに直接会いに行ってみたくなった。明日は土曜日。
僕は明日美香に会いに行こうと決めた。
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