第21話 エピローグ!

私は、ザックバード公爵と結婚した。


国王と初めて会った時に、私の本当の名前はソニアで、第一王女だと告げられたが、どうしても信じる事ができなかった。

目の前の国王は、たしかに私と同じ緑の瞳をしているが、全く馴染がない。


ザックバードから、小さい頃のソニアと仲良くしていたと告げられ、銀のリボンの話を聞いた時は、懐かしい感じがしたのに、国王をいくら見ても親しさを感じない。


「あの。本当に私は国王様の娘ですか?お会いした事がありましたか?一緒に遊んだりしていたのでしょうか?」


そう、国王に尋ねると、国王は顔を青ざめて言った。


「それは、、、、その。肖像画を書かせた時に、、、会ったような、、、」


ザックバード公爵が私の腰に手を回し、引き寄せて言う。


「ソニアは、国王とは、ほとんど会った事がないはずだよ。これからもそれでいいよ。ソニアでもソフィアでも俺の愛しい人に変わりがない。俺はずっと側にいるからね。」


周囲に沢山の人がいるにもかかわらず、甘い言葉を告げられて、私は赤くなる。


ずっと昔に銀の宝物を探していた気がする。今は私はザックバードが贈ってくれた銀の装飾品を身につけて、夜はザックバードに抱きしめられて毎日眠りにつく。


公爵邸の皆は優しく、毎日美味しいものを食べ、安心して暮らしている。あの私を殺そうとした王妃と娘のイザベラ王女は行方不明になっているらしい。


ライル王子と婚約者のルチアーノ嬢は私を歓迎してくれた。二人からはこっそりと、黒影会のアドバイザー就任を打診されたが、丁重に断った。


国王は、ライル王子の指導の下、光輝会という誰かのファンクラブを立ち上げたみたいだが、元々ソニア王女は国王とは疎遠だったらしいので、今後も私は国王と関わる事がなさそうだった。


帝国から和平条約の為に訪れた皇帝は、私がザックバード公爵と結婚すると聞いた時は泣いて喜んだ。不可侵条約を結び、末永い和平を望むと言い残して帝国へ帰っていった。




私はザックバードに尋ねる。

「あの部屋の女の子はソニア王女だったの?」


ザックバード公爵は答えた。

「そうだよ。帝国との戦争が始まってから、ソニアの肖像画が傷つけられてね。ソニアが泣いていたんだ。本当は肖像画だけでなく、ソニアも公爵邸で匿いたかっただけど、国王に強く反対されてね。迎えに行くのが遅くなってしまった。ごめんね。」



「ううん。まだ私がソニア王女だって思えないけど。ザックバードの事は好きだよ。ずっと一緒にいたいって思うから。」



「ありがとう。ソフィア。もう二度と離さないよ。」


私を抱きしめながらザックバード公爵は妖艶に笑った。

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ストーカーではありません! 仲 懐苛 (nakanaka) @nakananaka

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