第1話

 何の変哲もない日常。普通の日本人高校生である川崎玲央は、所属しているサッカー部の練習が終わり、帰路についていた。


 「はぁ~疲れた~。今日の帰りは一人だし、少し寂しいなぁ。」


 横断歩道を歩いていると、ふとした拍子に持っていたスマホを地面に落としてしまう。


 急いで落としたスマホを拾うと、見事に画面がバキバキに割れていた。


 「あちゃ~、やっぱり歩きスマホはダメだね。それにしても今日は厄日なのか?」


 割れたスマホをポケットの中にしまい、両親になんと説明しようかと考えていると、道路から大きな音がした。


 振り向くと、何故そうなったかはわからないが、横転した大型トラックがこちらに向かって猛スピードで滑ってきていた。


 「ちょっ、ヤバ――」


 次の瞬間、強烈な痛みと共に玲央は意識を失った。


 

 *


 次に気が付くと、知らない部屋にいた。落ち着いてみると体が縮んでいるし、声も出せない。ただ小さくなったというよりは赤ちゃんになったというような・・・というか転生して赤ちゃんになっているのだろう。


 なぜ転生しているかわからないが、目の前にいる二人の夫婦が恐らく両親なのだろう。男は黒髪に碧眼の東洋に多い容姿の気難しい雰囲気の美丈夫。女の方は青みがかった白髪に翠眼の優しい雰囲気を纏った美女。


 (この両親の血を継いでるんだったら、容姿で困ることは無いんじゃないかな?)


 「あなた、貴方の娘ですよ。」


 「ああ・・・利口そうな赤子だ。」


 両親が話をしている中、玲央の意識は別の方向を向いていた。


 (え、娘?)


 「名前はお決めになりましたか?」


 「この子の名前は・・・玲奈。如月玲奈だ。」



 

 

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 読んでくださってありがとうございます。主人公は玲奈です。次回からはいきなり0話と同じ時系列に戻ります。過去編は物語の途中に散りばめられたらなと思っていますが、どうなるかはわかりません。次からは1000字を超えられたらなと思っています。


 


 

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トウキョウ・スカーレット(仮決定) @Fish051402564

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