派遣社員の人生やり直し 日本の未来を変えるために各種ゲーム製作から成り上がる！大学生編

第82話 サンシャインの機能にビデオCDを組み込んだ効果が出てきたようだ

　さて、3時間ほどして美容室での女の子たちの髪のトリートメントやカット・セットなども無事終わったようだ。

「お疲れ様、うんうん、みんな一段ときれいになったね」

　まあ、普段から他社と交渉をしている北条さんやアニメのマックロデスＦのアイドル役の主役に抜擢されて、作中で歌を歌ったことで、自分もアイドル声優としてステージに立つ機会が増えている浅井さんはそれほど変わるわけでもないけど、斉藤さんや上杉さんはかなり綺麗になったな。

　その分斉藤さんや上杉さんはだいぶ疲れた様子でもあるが。

　黒く髪を染め、ヘアトリートメントとストレートパーマをかけた斉藤さんがぐったりとした状態で言った。

「美容室ってこんなにも時間がかかるものなのね」

　そういう斉藤さんにヘアトリートメントをしたあと、少し髪の色を明るくしてゆるくウェーブをかけた北条さんが言う。

「まあ、この程度は掛かるものですわよ」

　そして苦笑しつつ浅井さんも言う。

「そうですよね」

「まあだいぶ疲れたのも事実だが、肌も髪の毛もいきいきと若返ったから私は大満足だがな」

　と上杉さんは上機嫌だ。

　まあ、女子高出身の東大女子一年組ほどには劇的な変化ではないにせよきれいになれたのはいいことだと思う。

「先週は東京の名門進学校組と一緒に西武百貨店で洋服を見たけど、みんなこの後どうする？」

　俺がそういうと北条さんが言った。

「私は西武百貨店に行くなら、おもちゃ売り場をみたいと思いますわ」

「ん？

　ホムコンのハードやソフトとかが、どんな感じで売られているかみてみたいってところかな」

　俺がそう聞くと北条さんは苦笑しつつ言う。

「それもありますが、最近は私鉄系大手百貨店やおもちゃ売り場もある総合スーパーマーケット、ディスカウントストアやホームセンター、電気量販店などからサンシャインやポケットサンシャインを取り扱えないかとの問い合わせがあったので、それに対してＯＫを出していますのでこの機会に見ておこうかと」

「今まではサンシャインのハード及びソフトはコンビニ及びゲームショップ、ゲームやビデオのセルアンドレンタルショップでしか扱ってなかったけど、私鉄系大手百貨店やおもちゃ売り場もある総合スーパーマーケット、ディスカウントストアやホームセンターなどにもおいてもらえるならそれに越したことはないもんな」

「ええ、やはり売り場面積が広い場所でないと様々な種類のソフトを取り揃えるのは難しいですしね」

「なら俺も見に行こう」

　ちなみにホムコンの陣天堂は元々花札やトランプの製造メーカーで玩具問屋とは長い付き合いがあり、ホムコンの発売当初から玩具流通問屋を通し、玩具店や百貨店の玩具売り場、ディスカウントショップ、カメラ量販店への販売を開始している。

　一方のＳＡＧＡは元々はジュークボックスの輸入から業務を始め、主にゲームセンター業務用アミューズメント機器の製造を手がけていたため、陣天堂のような流通経路を持っておらず「SAGA1000」によって家庭用ゲーム機市場に参入を果たしたときは玩具メーカーのトクダを代理店とした独自のネットワークの構築を図るが失敗し、SAGAマーク３発売時には陣天堂の流通網に頼ることになってしまったが当然ながら扱いは余りよい物ではなかった。

　俺たちは当然、陣天堂のような玩具問屋との付き合いはなかったから流通網配置から構築したが、その方式は”前”のソンニーを模倣したものでもあった。

　しかし、斉藤さん・浅井さん・上杉さんは洋服を見に行きたいとのことなので俺たちは二手に分かれる事になった。

　そしておもちゃ売場へ向かう途中で北条さんは言う。

「そういえば今年の３月以降サンシャインの売上が急激にあがっているのですわ」

「たぶん、それはサンシャインの知名度が上がってきた上で、上京して大学に進学したり、就職して一人暮らしを始めた男が多いからだと思うよ」

「その場合は家からサンシャインを持ってくることは出来ないから新しく購入したとかでしょうか？」

「あとは高校まではサンシャインを自分では持っていなかったけど、友達の家で遊んでいて自分の自由になるお金が手に入ったんで買ったというのもあるかもな」

「たしかにそういうのもありそうですわね」

「あとはサンシャインにはビデオＣＤを再生できる機能も持たせたのもでかいと思う。

　サンシャインがあればゲームができるだけじゃなくて音楽ＣＤの再生もできるし、ビデオＣＤを視聴することもできるからね」

「確かにサンシャインはゲーム機としては高いですが、ＣＤラジカセやミニコンポなどの音楽再生機器とビデオデッキを別々に買うよりは、ずっと安いですしね」

「ビデオＣＤはレーザーディスクより安くVHSよりは高品質だからね。

　再生時間が74分しかないから、劇場映画作品は2枚あるいは3枚組で分割しないといけないけど、アニメやＡＶなんかは７５分あれば十分だし、一人暮らしならそういったものも心置きなく見れるしね。

　大学や会社に入ったら新人歓迎会でまずは居酒屋に行き、二次会では女性が設定してくれるキャバレーとかにいって女の子と話したりして、三次会があればヘルスなんかの風俗に行くことも多いから性欲の発散のし方を初めて知る場合もあるしね。

　そうなるとパソコンのエロゲーを始めたり、ＡＶとかを見るようにもなったりするわけだ」

「なるほど、それでＡＶメーカーの買収も進めようというわけですか」

「まあ、それもあるね」

　そしておもちゃ売り場に行くとホムコンのソフトがたくさんならぶ横にサンシャインやポケットサンシャインの本体やソフトも並んでいた。

「サンシャインがデパートの玩具売り場に並ぶ日がこんなに早く来るとは思わなかったな」

　俺がそういうと北条さんもうなずいた。

「そうですわね。

　正直に言えば最初はおもちゃとして５万円もするものが売れるかどうか心配していたのですが、杞憂で終わってよかったですわね。

　ソンニーやシャープナー、フロンティアといった電器メーカーからＣＤ－ＲＯＭドライブ製造やレーザーディスク対応の互換機種などの請負生産の問い合わせも来ていますがこれも受けて良さそうですわ」

「まあ、サンシャインは元々俺達が作っても利益が出てるわけでもないしな。

　他メーカーで互換機を作ってくれて、ソフトが売れれば儲けものだよ」

　 ホムコンや後継機のスーパーホムコンなどは正式なライセンスを出している互換機だけでなくライセンス契約のない互換機もかなり多く、南アメリカ・アフリカ・東欧やソ連諸国など、ではそういったライセンス契約のない互換機がかなり出回っていたらしい。

　そして、それらをしばらく眺めていると大学生くらいの男がサンシャイン本体とスペシャルロボット大戦を購入していった。

「なんだかんだで俺たち世代はロボットアニメ世代だしな。

　スペシャルロボット大戦はまだ売れてるみたいだ」

「そのようですわね」

　さらに、サンシャイン本体とカプコのストリートバトラーを買っていく奴もいた。

「やっぱりアーケードゲームがほぼそのままのクオリティで、移植できるってものでかいみたいだな」

　俺がそういうと北条さんはうなずいた。

「ホムコンの最初期もアーケードゲームがほぼそのままのクオリティで、移植されて家庭で楽しめたというのが大きかったと聞きますしね」

　ちなみに親子で来ている場合はホムコンを買っていく場合が多いようだ。

「やっぱり小さい子供向けはまだホムコンのほうが売れてるみたいだな。

　まあそれはともかく織田くんたちが制作している対戦格闘ゲームが完成すれば、アーケードで稼働するのとほぼ同時にサンシャインでも発売されるだろう。

　サンシャインだとステージごとの読み込みに時間は掛かると思うがそれ以外はさほど差異なく遊べるはずだし楽しみだよ。

　それと上京した大学生や新入社員にサンシャインが売れてるならプレイヤーが高校生になって3年間の学校生活を追体験しつつ、クラスメイトの女子高生と恋愛をするゲームが売れるかもな」

　俺がそういうと北条さんは首を傾げた。

「大学生とかなら大学の同級生のほうが良いのでは？」

「いや、男なんて灰色の高校生活を過ごしたやつが８割だからな。

　どうせならもっと楽しい高校生活をおくりたかったってやつの方が多いんだよ。

　ゲームの中ででもバレンタインにチョコを貰えれば嬉しいってくらいだしな」

「そうなのですか？

　ではジュエルス3を早く完成させて、そちらにとりかかってくださいね」

「ああ、ジュエルス3も多くの人にプレイしてもらうことでバランス調整は進んでるし行けると思う」

　美少女ゲームでも18禁であればパソコンのエロゲはもう存在するが、ＳＬＧはまだだと思うしコナミンに先駆けてドキドキメモリアルを出してしまえばその手のゲームのシェアを先に確保できると思う。