第29話 アメリカや中国のソフトな侵略を許さないためには2000年代に入る前には企業や地方自治体に経済的余裕ができるようにしないと

 さて、”前”ではプラザ合意で土地や株の値段が爆上がりした上に、1ドル240円だったものが120円になるという急速な円高で見た目だけは金が増えたように見えた日本の企業や個人が主にアメリカなどの外国の土地、建物、企業などを買いあさった。


 しかし、すぐにバブルが崩壊してあっさりそれらを安く売って手放すことになり、国内での人員や設備への過剰投資や財テクにつぎ込んだ多額の借金によって日本企業の多くは二度と甦れないダメージを受けた。


 そして政治資金規正法が改悪され、外資の献金が2006年に解禁された結果もあって、派遣法が改悪されて限定的だった派遣社員が工場などの一般的なにも適用されるようになった。


 そして業績が悪化した家電の四洋電気は中国企業に売り払われ、日三自動車はフランスのルソーに乗っ取られた。


 さらに有名大企業ソンニーやオりックズ、四井不動産、無印良品計画などもアメリカのハゲタカファンドと呼ばれる集団などの、外国人の持ち株比率が50%を超えている“実質外資系”企業になっていた。


 またラオーックス、レノウン、MECのパソコン事業などは中国に売り払われていたりもする。


 そのほかにも西芝ライフスタイル、西芝映像ソリューション、西芝メモリ、シャープナー、西芝のパソコン部門名ナイナマイトブック株式会社、日本ディスプレイ、パイオニヤなども買収され、日本人に経営権のない外資系企業になっていた。


 これはバブル崩壊後の円安の影響も大きいがな。


 そして、2011年頃から日本の土地が本格的に外国人に買われはじめ、その問題が顕在化したのが2016年あたりで中国へすり寄る動きがあからさまになっていく。


 家具販売で日本一のシェアを持つヒトリは北海道千歳の自衛隊基地周辺を中国向け別荘地の開発ということで購入したり、室蘭の汐見団地や九州の製鉄所跡地などの土地を買い占めては中国人向け別荘地などを作って、中国人に土地を売り渡していた。


 さらには夕張市長から北海道知事になった人物が夕張市長をやっていたときは俺たちが学校の旅行で行った夕張のホテルやスキー場などのリゾート施設などを中国資本へ売り渡し、売り渡された方がさらに転売してあぶく銭を稼ぐ手伝いをした。


 そして日本全国各地のホテルなどもどんどん中国資本に買い取られていったし、東京オリンピックでベイエリアに建てられたマンションも大量に中国人に買われていたりする。


 移民国家であるアメリカやオーストラリアなどはともかくヨーロッパなどでは外資や外国人が簡単には不動産市場にアクセスできない仕組みが構築されているにもかかわらず日本では全くの放置だ。


 貧すれば鈍するとはいうが、日本という国は政治家から公務員、企業経営者まで外国に日本の企業の売上や土地などを売り渡す売国奴だらけになっていた。


 それはいわゆる保守政党の与党でも革新政党の野党でもだ。


 なにせ、経団連はどちらの政党にも政治献金を行い、自分たちに都合のよい政策を提示して意向に沿わない政策を立案したら与野党関係なく潰しにかかったからな。


 さらには土地だけではなく水産改革関連法案が2018年12月に改正漁業法ということで施行されたが、これは外資を含む民間企業が漁業権を入札可能になる法律で、日本の海洋産物を根こそぎ外国に売る法律だ。


 ではそうならないようにするのはどうするべきかだが、現状では少々上がり過ぎの株価や地価が今後は少々下がっていくのはしかたがない。


 だが、急激に下がらないようにして、土地バブルが弾けるとしてもソフトランディングが可能なようにはしていくべきだろう。


 まあ、プラザ合意やリゾート法などがない事もあって海外為替の円高の進み方や地価の上昇などは”前”よりはだいぶ抑えられている。


 それに財テクをマスコミなどがあおることもさせていないので、馬鹿みたいに借金をしたりしてまで財テクに走ったりしてるやつも少ないだろう。


 しかし実質上外資系企業になっていってしまった企業を俺たちが早めに買収することは必要だろうな。


 とは言え重電の西芝、家電の四洋電機にシャープナー、自動車の豊畑など全部を買収するのは無理だろう。


 とは言え西芝は不採算部門を切り売りする傾向が強いから、売りに出されたら片っ端から買っていくか。


 まあ、そっちよりもいろいろな理由で家具のヒトリの買収を進めるるのが先だな。


 ヒトリが中国のフロント企業になってしまう前に押さえておけば、国内の木材を活用して家具製作することで林業の保護もできるだろうし。

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