第6話 広告のために競走馬のトウカイダイオーなどを購入しようか、名前は大きく変わるだろうけど
「そういえば俺たちの家って中山競馬場の近くでもあるし、馬主というかウマの名前のついでに俺たちの名前も売るために競走馬を購入したりするのはどうかな?
ちょうど今オグリハットなんかの活躍もあって競馬ブームも起きてるし、知名度を得るチャンスだと思うんだよね。
オグリハットなんかの活躍している競走馬のぬいぐるみの販売なんかもあって、競馬場に女性やファミリーが来るようになってたりするし、この辺りはゲームセンターと同じような流れになっているね」
俺は北条さんへ言ってみた。
「競走馬ですか?
それが儲けにつながるならもちろんかまいませんが……」
「ダービーとか有馬記念で勝てる馬を持てれば、種付け馬あるいは母馬としてめちゃくちゃ儲かるけどね」
俺がそういうと北条さんはうーんとうなった後で言った。
「しかし……あなたにはそういった馬がわかりますの?」
「ちょうど今はウマの出産季節で、父馬がシンボリシーザーの子供が生まれるはずなんで、まずはそれかな?
馬は血統が大きく関係するからね。」
もちろんこれはのちにダービーで勝つトウカイダイオーのことだ。
幼少時はそこまで強くなるとみられてはなかったようなので、セリの値段もそこまでは爆上りはしないかもしれないし。
そして北条さんが聞いてきた。
「購入費などはいくらくらいかかりますの?」
「多分3億円くらいじゃないかな?
高くても5億円くらいだと思う」
「まあ、その程度なら最悪うまくいかなくても大きな損失ではないですか」
俺と北条さんの会話に斎藤さんが驚いている。
「ちょっと?
5億円はとても大きな金額よね?」
俺は苦笑しつついう。
「まあ、個人馬主としての登録費用とか、牧場への委託費とかほかにも金はかかるけどね。
馬主になるのはどっちかというと趣味とかステークスホルダー的な意味合いが大きいけど・
でも、うまくいけば北海道とかの競走馬の牧場にも人を呼べるようになると思うんだ。
あともう一頭買うなら多分一桁安めの何千万かで手にはいる一歳馬のテスコスホークかな」
これは90年のダービーで勝利するアイネスライジンだ。
そして北条さんはふっと笑うといった。
「まあ、安めで手に入るというならそちらも試してみましょうか。
まずは馬主登録ですわね」
「ん、お願いね」
まあ、できれば微妙な成績で終わったはずのナイスネーチャンとかダブルジェットも買いたいけど……さすがにそれは欲張りすぎだろう。
逆に結果が出そうならミホノフルホンとかオコメシャワーなどの、その次に勝つはずの馬を買えるようになるかもしれないし。
「正直に言えば私には分の良い勝負とは思えませんが、あなたには勝算があるのでしょう?」
「まあ、今回はそんなに確実とは言えないけどね。
馬主は普通にやっても儲かるわけじゃないし」
「あなたは倒産したり経営の傾いた企業や旅館などを買い取り再生することで確実に収益を上げてきましたからね。
正直に言えば製造した石油ファンヒーターの一酸化中毒死の事故が発生したことより倒産は免れないといわれていた、東京四洋電気を買い取っても役に立つのかと当時は思っていました」
「でもまあ、東京四洋電気は総合家電メーカーで白物家電はともかく、パソコンやワークステーション、携帯電話やプッシュホンは今から事象が広がっていくと思っていたからね。
俺達にはその辺りの製造などのノウハウは当然ないわけだしさ。
実際、昨年から始まった学校へ納入する教育用パソコンにハードディスクやCD-ROMを搭載したことで、納入価格は100万円近くしてもきっちり数は納入できたし、それらハードディスクやCD-ROMの開発費用を償却することで製造原価を下げることができたおかげで、サンシャインを5万円まで値段を下げることができたわけだし。
MECなんかは5インチのFDD2つがまだまだ標準みたいだけど、ソフトの容量が増えてくるとハードディスクもCD-ROMも標準的にに搭載されるようになるはずだよ」
斎藤さんがふうっとため息をついてから言った。
「その辺りはゲームを作ってるとよくわかるわね」
そして北条さんも言う。
「確かに学校へ納入するパソコンとしては高性能すぎる気はしますが、おそらくそう遠くないうちに記憶媒体はフロッピーディスクからCD-ROMやハードディスクになっていくのでしょうね」
「まあ、それは間違いないと思うよ」
実際に来年には他のメーカーからもCD-ROMが標準搭載されたパソコンが50万円以下で発売されるようになるだろう。
まあ、パソコンはCPU性能やメモリ性能もどんどん上がっていって、結局は性能の高いパソコンが必要ならこまめに買い替える必要が出てきたりするんだけどな。
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