「儲かる書店づくり」だってさ

 政府が今頃になって「儲かる書店づくりを目指そう」とか言ってます。経済産業省は2024年3月5日に「書店振興プロジェクトチーム」を立ち上げたのです。今更ですよ? 電子書籍の約90%(2023年)が漫画・コミックスなので漫画以外の本を手に取れなくなった無書店地域の地方在住者の読書権保障のために『今更』こんな事をやっているのです。今年(2024年)の出版市場はもう紙媒体書籍市場1兆円割れがほぼ確実なのに。


 たぶん出来上がるのはカフェ型書店で「書籍売上」はおまけで主力売上はコーヒー代でしょう。ついでスイーツ代のはずです。しかもこういう意識高い系の書店は雰囲気を大事にしますからラノベなんて高確率で置きませんでしょうね。こうして性的過激描写で中年シフトしたラノベは地方という巨大市場を失っていくんです。児童コーナー・漫画コーナーは確保されているけどね。


 もう一つ。シェアリング書店というものがあたかも大流行のように報道されている。棚を月額6000円程度で借りてその借りた棚スペースの本が売れたら君の利益になるというモノだ。出資した本人は得すると思うか? しないぞ? 99%の可能性で。出資者はいい加減に少しは「トケマ〇チ事件」などのシェアリング詐欺などで懲りた方がいいと思うぞ。シェアリングしたければ公共図書館に行け。文字通りの「公共物」つまりシェアリングだ。シェアリングというのは公共物でしか成り立たないんだよ。もしこの手の「儲かる」書店をみたらほぼほぼ自分が損すると思え。民泊、カーシェア、サイクルシェア。みんなほぼ出資者側や貸側としては失敗している。そもそもレンタカー・レンタサイクル・国民宿舎・宿坊という既存の商売が崩せるとでも? バカですか。よってシェアリング書店も同じ。公共図書館に勝てるわけがない。税金は究極のシェアリングエコノミーというか公共財こそがシェアリングエコノミーなのだから。これを経済学で言う「市場の失敗」といい商売が成り立たないインフラって原則は役所(国・自治体・特殊法で定められた独占事業体・三セク)がやるという当たり前の事すら忘れたのが日本人というお馬鹿さんなんだよ。よって商売が成り立たない僻地の書店って言うのは基本公営書店が運営するんだ。最近では八戸市レベルの中核市が公営書店を運営し図書館と共存共栄を行っている。そこでまた問題が出る。過激な描写のラノベ本を公営書店は置くのか。自分の頭でよ~~~~~~~く考えよう。


 だから「ライトノベル市場」は10年で半減で止まるのではないのです。11年目以降は-55%とかになる。そして……気が付けばピーク時の-70%まで減ってたというのが現実でしょうね。7割減で止まればいいけどな。止まれば……。


 こんな状況になっても君はまだラノベ作品の公募にチャレンジします? 私はちょっといい加減に新聞記事読んでラノベってどういう状況に置かれているのかリアル書店を見て「現実」を知ってほしいですね。




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