高齢者は本を読まずテレビ漬け

 ええ!? 嘘!? 本当!?


 本当です。というかこれって社会福祉士とか社会教育主事かマスコミ関係者しか分からないことだよね。NHK放送文化研究所が2021年5月に発表した『2020年国民生活時間調査』というものがございます。高齢者はなんと平日でも3時間50分もの平均視聴時間があります。これが土曜日だと4時間36分、日曜日だと4時間38分です。完璧に日本の高齢者は孤独でテレビ漬けです。なお施設に入ってもこの視聴時間は変わりません。日本の介護施設というのはテレビに介護してもらっているというわけですね。


 もうわかりますよね。これに睡眠時間と生活時間を削ると読書する時間なんて無いんです。「近頃の若い者は読書もせず」という高齢者に言いたい。お前だよ! お前!!


 ということで65歳以上をターゲッティングしてもそれ、自爆なんですねぇ。ちなみにこんな傾向持つのは日本人ぐらいです。


 普通の国の高齢者は宗教活動やコミュニティー活動などに熱心に取り組むので日本の高齢者は文化も貧しいということがここでも分かっちゃうんですね。ちなみにこの傾向は約25年前だともっと酷かったのです。2000年当時だと70代超の高齢者のテレビ視聴時間はなんと平均約300分。つまり1日平均約5時間も視聴します。ということは我が国の高齢者はこれでもたいぶテレビ視聴時間が減ったということです。


 しかし高齢者は活字に触れる時間が増えるのです。おかしいですねえ。ということでご覧ください。新聞は読むんです。高齢者って。


 よくお考え下さい。日本人の国民平均年齢は49歳ですよ? 65歳超は30%を超える国ですよ。本当に高齢者が本を読むのならわが国民の約3人に1人も占める高齢者層が書店に殺到し福祉施設には立派な図書館が建ってないと。そうなっていないということはどういうことなのだろうって事を「常識で」考えて裏付けするとこういう結果がちゃんと分かるんですね。だから老人孤独死の家に行くとよく新聞が郵便ポストに溜まってないか。新聞が読めるという事は「老眼のせいで本が読めない」というのも言い訳に過ぎないって事です。だって新聞の購読代金って月額4,500円くらいですよ。4,500円もあったら毎月本を4冊ほど買えますよ。つまり我が国は65歳を超えると孤独な人生が待ってる。新聞とテレビしか友達がいない。そして聴力も弱っていくからテレビも大音量で視聴するから近所迷惑という事件まで多発してるんですねえ。これ、我が国の国語教育は完璧に失敗ですよね。高校受験・大学受験のためだけに国語力を鍛えた結果老人はもう文学なんて触れたくもないというもう一つの巨大な「読書嫌い」層を増やしたのです。


 もうわかるよね。ライトノベル主要読者層も高齢化してるわけですよね。今や40代がラノベ主要読者層だ。彼らが60歳の定年退職後にどのような行動をとるか。残念ですが我が国の高齢者は本を読みません。中年層にターゲットを絞って新規層を締め出すともれなく「オワコン」になってしまうんですねえ。


 なお今のライトノベル主要読者層が60歳を超えるのは約15年後ですけど15年位ではこの傾向は覆らないと思いますよ。もしかしたら15年後に高齢者になる高齢者の主要動向が「テレビ視聴」の文字から「電子漫画」や「Youtube」に替わっているかもしれませんが本質は一緒です。

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