【重要】今売れてるほとんどのラノベ作品は2012~2017年に初巻が発刊されたものだ!

このデータを見てほしい。


週間 ライトノベルランキング オリコン調べ

(2023年11月20日~2023年11月26日)


1位 小説版【推しの子】 ~一番星のスピカ~ 12918部

2位 転生したらスライムだった件 21 5577部

3位 魔王と勇者の戦いの裏で 4 ~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~ 5373部

4位 薬屋のひとりごと 14 4943部

5位 スパイ教室11 《付焼刃》のモニカ 4422部

6位 薬屋のひとりごと 1 4410部

7位 小説 機動戦士ガンダム 水星の魔女(3) 4369部

8位 神達に拾われた男 14 4320部

9位 小説 ブルーピリオド あの日の僕ら 4290部

10部 薬屋のひとりごと 2 4136部



週間 ライトノベルランキング オリコン調べ

(2023年11月13日~2023年11月19日)


1位 小説版【推しの子】 ~一番星のスピカ~ 20781部

2位 神達に拾われた男 14 6949部

3位 転生したらスライムだった件 21 6820部

4位 スパイ教室11 《付焼刃》のモニカ 5512部

5位 ソードアート・オンライン IF 公式小説アンソロジー 5492部

6位 ロクでなし魔術講師と禁忌教典 24 5240部

7位 薬屋のひとりごと 1 4251部

8位 薬屋のひとりごと 14 4247部

9位 春夏秋冬代行者 秋の舞 上 3941部

10位 薬屋のひとりごと 4 3937部


週間 ライトノベルランキング オリコン調べ

(2023年11月06日~2023年11月12日)


1位 転生したらスライムだった件 21 12168部

2位 ソードアート・オンライン IF 公式小説アンソロジー 7741部

3位 灼眼のシャナSIV 6246部

4位 春夏秋冬代行者 秋の舞 上 5771部

5位 春夏秋冬代行者 秋の舞 下 5553部

6位 ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 10 5159部

7位 薬屋のひとりごと 14 4597部

8位 薬屋のひとりごと 1 4595部

9位 薬屋のひとりごと 2 3925部

10位 薬屋のひとりごと 4 3629部


週間 ライトノベルランキング オリコン調べ

(2023年10月30日~2023年11月05日)


1位 転生したらスライムだった件 21 63058部

2位 ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編10 12479部

3位 異世界のんびり農家 16 9866部

4位 クラスで2番目に可愛い女の子と友だちになった5 6769部

5位 薬屋のひとりごと 14 5297部

6位 薬屋のひとりごと1 4557部

7位 小説 ブルーロック 戦いの前、僕らは。 二子・國神・氷織 4447部

8位 ショットガン・ナウル 4408部

9位 ワールドオーダー 7 4257部

10位 探偵はもう、死んでいる。10 3838部


 で、もう一回聞くけど薬屋が2012年、転スラが2014年に初巻が出たものだ。


 ほかにもあるよね。2017年初巻の作品や2016年初巻の作品などが。というかこのランキングほぼほぼ転スラと薬屋の無双じゃないか? 


 それどころか2009年初巻のSAOとかが出てない? 『灼眼しゃくがんのシャナ』に至っては初巻が2002年。つまり21年前だ! しかもそのシャナですら2週目には10位内に居ないぞ。私はその結果に驚愕している。「まさか? そんなばかな」というぐらいにだ。もちろん3週目にも居ない。ショックだ。


 歴史系は2023年10月第四週第10位に『本能寺から始める信長との天下統一 10』が3888部売れているが11月では歴史系ラノベは1冊も確認出来なかった。SFジャンルは『小説版 機動戦士ガンダム 水星の魔女 (3)』1作がランクインした。だが決して「ラノベ公募」の作品ではない。アニメノベライズだ。

 

 新作ラノベで強いのはアニメノベライズでなんとここ4年ほど開催された「〇〇大賞受賞作品」は初週の売上10位内にすらほとんどの作品がランクしない。ランクしても1週でふっと消える。あと……念のために言うが『ショットガン・ナウル』ってのは「グッバイ宣言シリーズ」と言ってボカロ原作の小説版で5巻目だ。投稿サイトの大賞受賞作品でも何でもない。

 で、ラノベ売上って初週動向が全ての商品何で2週目からはガクっと落ちる。あの転スラ21巻目ですら2週目に約6万部だったのが3週目には約1万部に実売数が落ちる。ということは初動約3000部なんて作品は2週目になると売上部数が初週の約6分1に落ちたって全くおかしくないってことだ。つまり初週で11位とか15位だと残念なことに大作家じゃないと高確率で爆死・廃業コースだ。つまり君は初月で1万部どころか5000部すらも売れないって意味だ。そして3か月後には全国の書店から君が出した本はほぼ撤去済だ。本って再販制度なんでね。再販とは形の上では言ってもほとんどは古紙に変換される。二度と売れない物を置いておくほど取次会社もバカじゃない。取次会社も商売なんでね。

 ただし例外がある。薬屋だ。なんと後の週の方が売れる時もあるというとんでもない超・優良コンテンツである。さすが『薬屋のひとりごと』シリーズである。もうここまでいくと『薬屋のひとりごと』は『ブレイブストーリー』のように国際的な受賞作品になるのでないだろうかと私は予測する。なお『薬屋のひとりごと』はワールドワイドに様々な国々に翻訳展開している作品である。


 このデータは2023年11月期4週分(約1か月分)のデータを取っている。で……ここ4年間で開催された公募型ラノベ作品で週間10位内にランクインした作品を探してくれ。残念なことに月で1~2作程度だ。それどころか「週間10位内『転スラ』・『薬屋』シェア率」という数字も実は計算できることまで分かった。そのくらいもう世間はラノベ新作にみんな興味も感心も無いんだ。アニメノベライズ作品はともかく。その新作アニメノベライズ作品をも転スラ・薬屋は押しのけていくほどの強力コンテンツであるということまで分かった。君が仮に公募で勝ち抜いて書籍化した時に……次に戦う相手は転スラ・薬屋・アニメノベライズ作品だ。さらにこれらの作品にプラスして10巻目・20巻目・30巻目を売る老舗ラノベ作品群とも戦うんだぞ? 君はこれらの作品に勝てるか? 正直に言ってね? ほとんどの作品が勝てないだろ? 


 でね……各出版社にお願いがあるけど……『公募』に意味はもうないよ。いつまでも薬屋とか転スラあたりを売って2012~2017年頃の異世界転生ブーム時代の過去作品を売ってたらどうですかね? そう、ここ約4年(2019年~2023年頃)の公募型新作ラノベはほぼ全作品が爆死ですよ。


 それにラノベは児童文学と違ってロングテール商品じゃないんでね、ラノベって初動で売れなかったら永久に売れませんからね。よっぽどの例外でもない限り。薬屋と転スラはともかく。


 さらに不都合な事言うけど2015年以降実は累計発行部数1000万部を突破したラノベ作品は世にもう出てないんだ。つまり真のお客様は最新の作品にはまるで興味なくて……買うのは相変わらず転スラや薬屋ぐらいなんだ。嘘だと思うなら毎週オリコンが発表している「ラノベ売上ランキング」見てみい? そのくらいもうラノベ読者層って保守化してるのね。


 しかもこの部数の約10%が君の収入(印税収入)だぞ? 食えると思うか?


 だからタイトルの通りだよ。


 「WEB公募はお祭り感覚で参加せよ」


 だってそうでしょ? 真のお客様は今の異世界転生だのに興味はないわけだよ。ちなみに今の中高生はこの異世界転生ブームに呆れてもうラノベを見放して児童文学やライト文芸に移動済みです。


 さらに重要な事を言います。悪役令嬢系・聖女系・溺愛系の作品を私はオリコン週ランキングの実売数10位内で私は約4年間ほとんど見たことが無い(マジで「はめふら」と「ラスボス令嬢」ぐらいだと思って)。今回は4週分つまり約1か月分のデータ取ってるけど1作品すらも悪役令嬢系・聖女系はランクインしないことが分かった。仮に10位内に悪役令嬢系・聖女系が出ても高確率で1週でふっと消えるぞ。ライト文芸なら後宮系の作品をよくランキングで見るけど。

 つまりラノベは特に女子層でWEBの読み手と実際の読者の乖離がいよいよ破滅的になったと私は感じている。一体どっちに破滅フラグが刺さっているのでしょうかねぇ? プロの選考者なら「売れる作品」にこそ大賞や優秀賞を与えるべきではないでしょうか。私は「異世界恋愛勢にはこれ以上受賞させるのは作家本人のためにもよろしくないから止めて欲しい」とこの場で苦言を申し上げます。11月はたまたまだって? じゃあずっとオリコンの週売上ランキングみてみ? これでもかと薬屋と転スラのオンパレードだよ。どこにも聖女だの悪役令嬢だのと言った作品は無いんだ。 


 なおローファンの「ダンジョン配信~」と言った作品も週間10位内のランクインは確認出来なかった。もう一回言う。WEB投稿作品と現実の売れ筋は全く違うんだ。いい加減ポイントだけで「公募→書籍化」ってルートをいい加減に止めないか。いい加減に学習してくれよ、出版社の皆様。


 え? 私の作品はラノベ本体じゃなくて電子コミカライズ分で儲けのほとんどを売ってるだって? その事については後程詳しく記述しよう。ただしここでも明言しておく。その場合……君の作家人生の命運は担当漫画家が全てを握ることになるんだぞ。君のラノベ出版分は「コスト」(建前上小説からコミカライズしたというアリバイ代金として出版する)で儲けはほぼコミカライズ分なのだから。これを「逆コミカライズ」というのだけど。それ、小説家? 漫画脚本家の間違いでは?


 最後に……ラノベ市場第二ピークは2016年の284億円(文庫190億円、単行本94億円)がピークで2022年は211億円(ラノベ文庫本108億円、ラノベ単行本103億円)と実にたった6年でピーク時の-30%まで減った。さらに残り約3分の2も既存の大作ラノベしかほぼ売れない市場額という意味の数字だ。もう一回言う。こんな市場状況で君が公募に仮に当たったら本当に書籍化を受け入れていいのかよく考えてほしい。特に文庫ラノベ市場に限ると2012年の284億円がピークなのでピーク時から-62%と実に半減以上も市場額が落ちた。つまり公募に通った後に出版社側の判断で「君の作品は文庫で出します」となったら危険・ピンチだという事も伝えておく。しかもラノベ市場自体も半減達成の年まであと2~3年予測ということも追記しておくよ。

 そしてこの市場額からさらに『転スラ』と『薬屋』2作品分を抜くと……。もう分かるよね、僕の言いたいこと。そう、ラノベってもう寡占市場にしてかつ構造不況業種なんだ。普通はね……9年前や11年前の初刊タイトルの続巻が常時で週の実売1位なんてことはありえないんだ。まして10年超の続巻タイトルが週トップ10のうち3~4巻分も独占とか普通はありえないんだ。大衆文学だろうがラノベだろうが児童文学だろうが次々新しいビッグタイトルが現れて大ベストセラー作品に客が流れるのが「普通」なんだ。世の人は新しい作品を求めるのが普通なんだ。特に中高生向きのラノベは。でもここ約7年そうなってはないって事はもうラノベは新規顧客層に見捨てられた後、つまりラノベは既に「オワコン」って事なんだ。アニメノベライズ作品はともかく。だからラノベの公募に出すのはとっても危険な行為なんだよ? 分かる? 「それって貴方の感想ですよね」と思うのならもう一回オリコンランキングの実売数を見て自分の頭で考えよう。それでも「俺の作品は『薬屋』や『転スラ』を超えて見せる!」というのならやりなさい。出来るもんならやってみろ! 出来るのなら、な?


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※データの引用は著作権法32条に基づき引用元を提示したうえで本文の50%を超えない限り認められております。


著作権法 第32条第1項


引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。


※ラノベ市場額は公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所調べの各年のデータから。


※児童文学ジャンルですら『ハリーポッターシリーズ』は約8年後には常時週の売上1位にはなれなかった

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