飲み屋の女主人メトエ

「シエナ! 説明しろ!」


そう言いながら俺が怒鳴り込んだそこは、飲み屋だった。


「ちょうど良かったトーマ、こいつ連れてってくんない? 店が閉められないんだよ」


呆れたような困ったような様子でそう言ってきたのは、飲み屋の女主人メトエだった。


が、次の瞬間、


「え? 誰?」


驚いて声を上げる。いつもの調子で俺が現れたんだと思ったら見ず知らずの女の子だったんだから当然っちゃ当然だ。そんなメトエに、


「俺だよ、トーマだ! なんか知らんがこうなっちまって、それでリエスに説明させようと思ってきたんだ」


告げるとすぐに察して、


「お、おう。そうか。あんたも大変だね」


と言ってくれた。

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