いい加減に呆れてものも言えない

「ああ、もしかしなくても俺だ。まったく、今度はなんだってんだ」


オタオタはしないものの、いい加減呆れてものも言えない。世界の危機とやらで人様を勝手に召喚して尻拭いさせといて元の世界にも帰さないで挙げ句の果てにこれだとか、いくら俺でもキレるぞ。


……キレないけど。


キレたところで無駄なのは分かってる。分かってるが、さすがに一言くらいは言ってやらないと気がすまないな。


「リャハス、リエスはどこだ?」


仕方ないので元の俺のシャツを羽織って腰のところでベルトで締めてワンピース風にしたのをまとい、リャハスに問いかける。


「リエス様ならまだ帰ってません。いつものところじゃないですか?」


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