第35話 イカレタ女


 「マリー、近くにまだいるなら、たのむから真剣に聞いてくれ!お前の魂は、数多あまたののタイムリープでり切れ、魂が消滅する一歩手前だ。消滅したら、輪廻転生できなくなる。魂が無にすることになるんだ!!だから!神の前で天使になり、幸せに生きることを選ぶべきなんだ。わかるな?」


し・つ・こ・い!


もう、耳にタコができますわ!!


口うるさいばあやですか!?


そんな、アスタロト様は、こうですわ!!


わたしは、アスタロト様の頭をポコポコ叩いた。


実際は、叩けていないのはわかっています!!


でも、この弱虫な悪魔を成敗せいばいしないと気がすみませんわ!!


わたしが、見えないとか、声が聞こえてないとか、そんなこともう関係ない!


嚙み合っているということは、わたしとアスタロト様の間には、当たり前のことを超越した、強固な絆があるということですわ!!


だったら、あきらめませ~ん!


アスタロト様に憑りつく悪霊になって、絶対に離れない!


今世のわたしは、そっちを迷わず選びます。


「マリー、頼む、一生のお願いだ」


永遠を生きる悪魔の一生のお願いって、ププププププ。


可笑おかしいでしょう?


だから、だめで~す。


「マリー、後生ごしょうだから!」


いやで~す。


「唯一神は、悪魔に魅入られたものを許さない。」


だから~、


「われわれ悪魔は、とされ、『堕天使』となったのだ」


本で読みました。


知ってます。


それにしても、神様の心、せまっ!


わたしが一番じゃないと、イヤ!


ってエリスと一緒か!


それなら、わたしは『ちる』を選ぶわ。


堕ちて、アスタロト様を思い続ける。


だって、無理だもん。


こんなに優しい悪魔を忘れるなんて。


悪魔に堕とされる!?


望むところよ!!


それで、あなたを忘れずにすむなら。


どこまでも堕ちてもいい。


堕ちて、アスタロト様のそばにいられるようになるなら、その可能性にかけます!!


上等だわ!


「マリー!我の言うことをきく気があるか?」


悪魔の直感、冴えてるわぁ~。


聞く気、全くありません。


「なんなんだ、この胸騒ぎわ!?」


あのアスタロト様をドキドキさせてるの?


このわたしが!


「なんだか、悪い予感しかしないんだ」


当たってます!


流石、アスタロト様!!


もう、いい子のふりはできそうにありません。


きっと悪魔の生活が楽しすぎて、わたしは幸せ過ぎてどうかしてしまったのよ。


世間から、なんといわれようと、どんなに沢山の人に反対されあきれられても、悪魔になる道か、それがムリなら、悪霊になって、アスタロト様のそばを離れない選択しかしない。


きっと、わたしはイカレテしまったの。


デスループのせいじゃない。


アスタロト様という、に出会ったから。


さぁ!来い!神様!


召されてなんかやらないんだから!!


わたしは、きっと堕ちてみせるわ!


「イカレテんな!おまえ!」

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