第10話
ここから先は、私のしたことではありません。私が言って、私がやりましたが、私はそれをただ見ていただけです。叫ぼうとしても、もがこうとしても、私の体は反応してくれませんでした。そして意思とは無関係に動いていたんです。
ヘビオは変化した私の顔と声に驚いていました。そして、また戻ってきたのか、今まで出てこなかったのにと、震えた声でつぶやきました。そうです。彼ではなかったんです。彼も私と同じ目に
返せ、さもなくばお前の血をもって
俺は
それを聞いてヘビオの顔色が変わりました。財を奪った? 罪を犯した? 僕が? 石泉神社なら昨日もお参りに行った。本殿の前で頭も下げて、
私は彼を
私は言いました。賽銭は俺に捧げられたものだ。俺は
馬鹿な人です。愚かな泥棒です。私には蛇神の怒りが心の底から理解できました。金額の問題じゃないんです。俺の物を奪ったことが罪なんです。
だから私は、ヘビオをホームから線路へ突き飛ばしました。
そのあとすぐに、特急列車が目の前を通過しました。
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