第2章 あなたと生きる世界には

第11花 太陽と水と希望と

「ぽぽ、ぽぽぽ?」


「うん、そうだね。あんな高い位置にある太陽、消せないよね。でも見て、シト」


 さきは二つ目の太陽を指した。


 太陽は、よりくろ浜茄子ハマナスに光を当てれるように、段々と下がっている。


「ぽ」


「ね? いつか、手の届くまで位置まで下がってくるよ。そしたら、消せばいいんだよ。でも、ネット記事で見た事あるんだけどさ、太陽を消すのは難しいんだって」


「ぽぽ……」


 シトは残念そうに眉を下げた。


「大丈夫。その記事にはね、こうも書かれていたの。太陽は、だから、物理的に水をかけて消すのは難しい」


「ぽぽぽぽ」


「焦らないで、最後まで聞いて。例え水を水素と酸素に分けても、太陽の燃料は水素原子。酸素は水素原子同士が陽子−陽子連鎖反応で核融合を行っていると同時に、CNOサイクルと呼ばれる反応が起こっているんだって。これは炭素(C)と窒素(N)と酸素(O)が関与する連鎖反応で、太陽が生みだすエネルギーの1.6%がこの反応によって生みだされているらしいよ」


「ぽー?」


 シトはゆっくり深く首を傾げた。


「ふふっ、シトには難しすぎたね。つまりね、太陽にとって、水は逆効果、分けて水素と酸素にしても活発化させちゃうんだって」


「ぽぽ……」


 シトは首を傾げたまま、眉を下げた。


「じゃあ、どうするのか。たった一つだけ水で太陽の働きを弱められるかもしれない方法がある。それはこと」


「ぽぽぽ?」


「そうだね。活発化させちゃうのに可能なのかと思うよね。太陽は基本的には水素を主とするガスの集まりなんだって。だから、何らかの方法で極めて大量の水を、光と同じぐらいのスピードでぶつけることができれば、太陽を消せるかもしれない……」


「ぽぽぽ?」


「……うん、何でここまで覚えていたんだろう。ネット記事だけじゃない気がするな……。の受け売りのような、気が……」


 咲は考え込み、黙った。


「ぽー?」


 シトは心配そうに大きな体を曲げ、咲を覗き込んだ。


「ああ、ごめんごめん。だからね、水をジェット噴射できるものを探して、それをシトの力で一斉放水すれば、消せると思うんだ」


「ぽぽぽっ」


「うん、希望は、あるよ」


 

 — — — —



 あとがき。


 書いといてあれですが、おバカな私には難しすぎて、眠くなりました(笑)


 二人が太陽を消滅できるように、フォローなどポチしてくださると、励みになりますー。

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