異世界トラベル ~転生して冒険者になったので美少女と放浪旅をしよう~
滝川 海老郎
第1話 美少女を連れて旅に出よう
※これは同タイトルの「CG集、CGノベル」の文字お越し版です。
■1
俺はユート、転生者だ。なんということはないが転生者であることをひた隠しにし続けて裕福な王都の家で普通に暮らしてきた。
俺も今年で16歳になる。進路を決めなければならない。
やっぱり一度はやってみたいことがあった。冒険者だ。
そしてお供が欲しい。宛はある。王都には貧困街がある。
少しだけ貧困街の女の子と面識があった。
■2
街を歩く。こうして王都を歩くのもしばらくお預けだと思うと、なかなか感慨深い。
あの店も、こっちの店も知っている。
王都の中だけでも生活はできるが、広いようで狭いのだ。
そんな生活だからか、外の世界を見てみたかったんだ……。
■3
ユート「装備や食事は俺持ち。一緒に世界を旅してみない?」
メイラ「はいにゃ。いくにゃぁ。一度旅をしてみたかったにゃぁ」
ユート「そ、そうか。ずいぶん食いつきがいいね」
メイラ「貧困街なんてこりごりだにゃ」
ユート「まあそうだな、それじゃあメイラよろしく」
メイラ「よろしくお願いしますにゃっ」
■4
こうして一人目。メイラを連れていくことになった。
それから友人のサリにも声を掛けてみよう。
ユート「サリ、旅とかしてみたくない?」
サリ「久しぶりに声かけてくれたと思ったら何デート?」
ユート「いやデートというか旅なんだけど」
サリ「ユート君つれないもんね。いいよ」
ユート「ああ、よろしく頼む」
サリ「まかせてばってんよ」
■5
さてこれで二人だ。もう一人は欲しい。
誰にするかは決めている。
うちでメイドをしているミルシラだ。
彼女がうちにきてから三年間。
年が近いこともあっていろいろお世話になっていた。朝も起こしてもらっているし、部屋の掃除もそれから細々した雑用まで。
特にミルシラは料理が得意でいつも親の代わりに美味しいご飯を作ってくれる。
■6
ユート「ミルシラ。俺たちと一緒に世界を旅してくれないか?」
ミルシラ「私がですか? とてもうれしいです」
ユート「本当にいいの? メイドはやめることになるけど」
ミルシラ「ユート様専属メイドになるってことですよね? ご主人様」
ユート「まあそうかもしれないな。よろしく」
ミルシラ「はいっ。精一杯務めさせていただきます」
■7
こうして俺たちはパーティーを組んだ。
メイラは粗末な服を着ていたが、俺が冒険者の服を買ってあげた。
メイラ「ありがとう……ユート」
ユート「いいんだ。仲間だろ」
メイラ「ユートは優しいんだにゃ」
ユート「まあね」
メイラ「よろしくお願いしますにゃぁ」
■8
サリは自前のハーフアーマーがあるらしい。
サリ「えへへ。防具くらいは持ってるの」
ユート「似合ってるぞ。サリ」
サリ「ありがとう……」
照れて笑うところはすごくかわいらしい。
■9
ミルシラ「私はメイドですので」
というのでいつものメイド服だ。
これはこれでかわいいからありだろう。
職業意識が高いのかもしれない。
これでも一応メイドのプロなのだ。
まだ若いけれど俺はすごく助かっている。
■10
今日はぐっすり寝て旅に備えよう。
出発予定は三日後だ。
準備もすでにほぼ終わった。
残りの時間で他のみんなも家族や友人とお別れの挨拶をするのだろう。
今生の別れというわけではないが、しばらくは会えなくなる。
それでいい旅を願って、おやすみなさい。
■11
三日後。王都を発つ日になった。
この広いと思っていた王都も知っている道ばかりだ。
だが今から行く城壁の外は違う。
門の周辺や近くの森までは行ったことがあった。
俺も冒険者になるべく下積みを積んできたのだ。
しかしはるか遠くまでは行ったことがない。
期待に胸を踊らせて青空の下、旅だった。
■12
しかし少し離れてみると、そこには草原が永遠と続いている。
今回は馬車ではなく徒歩移動だったので、俺たちはひたすら歩いていく……。
代わり映えのしない風景が見渡す限りずっと続いている。
でもその先には森があり山があるはずだった。
はるか遠くに山が見えているから。
■13
代わり映えしないと言ったけど、少しだけ訂正がある。
ところどころだけど野生動物がいる。
街の周辺では家畜の放牧も行われていた。
またよく見ると点々とスライムもいるのだ。
ここはファンタジー世界なのを思い出させてくれる。
かわいらしい動物たちに癒されながら道をさらに進んだ。
■14
メイラ「あれはなんですかにゃぁ?」
ユート「シカかな、たぶん」
サリ「カモシカ? ……ううんシカだね」
ミルシラ「この辺にも動物がいるんですね」
メイラ「シカさんシカさんにゃぁ」
ユート「あはは」
■15
メイラ「スライムだにゃぁ」
サリ「まぁ王都周辺の風物詩かしら」
ミルシラ「特に害はありません」
ユート「かわいいな」
こうしてしばらく平原を進んだ。
■16
ついに森に到着した。
朝からいい青空が広がり思ったより進んだ。
メイラ「森ですにゃぁ」
サリ「この辺まで来たのは初めてね」
ミルシラ「なにか果物とかありますか?」
ユート「さあ、あるといいね」
ミルシラ「はいっ」
■17
メイラ「なんかなってるにゃぁ」
ミルシラ「オレンジベリーです!!」
メイラ「食べられるのかにゃ?」
ミルシラ「とっても美味しいですよ!」
メイラ「にゃぁぁ?」
ミルシラ「甘酸っぱくて……(ごくり)」
メイラ「いっぱい採るにゃぁ」
サリ「あはは……分かったわよ。手伝えばいいんでしょ」
ユート「みんな元気だな、おい」
■18
少しだけ休憩する。
オレンジベリーはアイテムボックスに収納した。
森の景色はどこも異なるものの似てはいて判別がつきにくい。
メイラとミルシラが休憩中にも何かないかと周りをきょろきょろしていた。
まだまだ元気があるようでよかった。
俺たちはどちらかというと都会っ子だから、あまり体力にも自信がない。
■19
森の道を進んでいくとキノコが生えていた。
メイラ「見てくださいにゃ。ものすごく大きいキノコちゃんにゃ」
サリ「あらほんと」
ミルシラ「これも食べられる種類ですっ」
メイラ「採れた! 今夜の鍋に入れるにゃぁ」
俺たちは笑いあった。
ちなみに干肉、パン、ドライフルーツなど食料品はマジックバッグにかなり入っている。
■20
オレンジベリーとキノコを収穫ができて幸先がよかった。
森は相変わらず森だが資源は豊富なのだろう。
冒険者はモンスターハントが注目されがちだけれど、食料をはじめ鉱物などの採取品も重要な活動の一つなのだ。
今回は改めてそう思った。
みんなの機嫌もよく天候もよく晴れて、俺たちの歩みは思った以上に進んでいく。
■21
森を進んだところゴブリンと遭遇した。
ゴブリンは人間に敵対的なモンスターだ。
メイラ「ゴブリンにゃ」
サリ「ヤッちゃえ」
ミルシラ「では掛かりましょうか」
ユート「わかった、うぉおぉおおおお」
■22
俺は剣を抜いた。
白銀色に輝く『ミスリル・ソード』だ。
うちに伝わる一品で相当な高級品だと聞く。
ユート「ううぉぉお、ゴブリン覚悟おぉ」
こうしてみんなで力を合わせて攻撃し、なんとかゴブリンを倒すことができた。
■23
ゴブリンの死体を軽く埋めて処理すると移動を再開する。
相変わらず森はどこまでも続いている。
すこしばかり汗をかいて汚れてしまった。
そろそろまた休憩がしたいところだ。
道なのか獣道なのか判別の難しい歩いた跡をたどって先に進んだ。
■24
小さな川へと出た。上流には滝が見えている。
女の子たちは次々に服を脱いで川へ入っていく。
特に黒髪の幼馴染サリは美しかった。
サリ「やったわ。水浴びしていこ」
メイラ「わぁいお水だにゃぁ」
ミルシラ「まあ私たちだって女の子ですものね。これはしかたがないのですよ」
俺は彼女たちの綺麗な素肌であられもない姿からそっと視線をそらした。
■25
森の中で夜になってしまった。
キャンプをして今夜はここで野宿だ。
メイラ「炎が綺麗にゃ」
サリ「そうね、ほんと」
ミルシラ「美味しい晩御飯作りますよ」
ユート「ミルシラのご飯はうまいからな」
ミルシラ「うふふ。おだてても何もでませんけどね。ありがとうございます」
今夜は月も出ていて綺麗。よく眠れそうだ。
■26
よく眠れそうとは言ったが、実際には二組に分かれて夜警の番がある。
いつモンスターが襲ってくるか分からないのだ。
やつらは夜行性のものも多い。
俺はミルシラと一緒だ。
ミルシラ「夜空が綺麗ですね」
ユート「そうだね。街から出てみると色々な事があって面白いね」
ミルシラ「はい、ご主人様。私もなんだか、わくわくします。うふふ」
■27
さあ今日もいい天気だ。
木々の間から陽光が降り注いでるのが見える。
ユート「よしっ、今日も一日よろしく」
メイラ「はーいにゃ」
サリ「余裕よ、余裕」
ミルシラ「私はいつでもご主人様についていくだけです。まいりましょう」
みんな「「「はーい」」」
今日もこうして森を進む。
■28
森の中に突如として巨石があった。
ここなら雨宿りもできそうだ。覚えておこう。
メイラ「おっきいぃぃぃぃ」
ユート「ああ、でかい岩だな」
サリ「まあね」
ミルシラ「不思議ですね」
ここで少し小休止していく。
陰の部分には焚火の跡があったので他の冒険者も使ったのだろう。
■29
今度は泉を発見する。
よく妖精とかがいそうだ。
なんとなく水属性の魔素が強い気がしてくる。
メイラが水を掬って飲んでいる。
メイラ「お水美味しいぃぃぃにゃぁ」
ユート「ああ、俺も飲んでいくか」
サリ「綺麗……」
ミルシラ「ふふふ、水筒のお水も補給していきましょう。いい泉ですね」
■30
おおおぉぉすごい。俺たちはついにエルフの街に到着した。森を進んできた甲斐があった。
美しい尖り耳のエルフのお姉さんがいる。
メイラ「エルフさんだにゃああ」
ミルシラ「メイラさん。失礼ですよ」
ユート「ああ、すみません」
エルフ「いいえ、いいんですよ。旅の方たちですか。ご無事をお祈りしています」
俺たちの旅はまだまだ続く……。
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