このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(56文字)
発達障害の当事者はやはり、発達障害を扱った小説が気になって仕方がない。読んでみると丁寧な描写と視線にまだまだこの世の中、悪くないな、と思えた。読んでいて切なかった。あの頃の痛みを思い出す。
学校のクラスに一人はいるかも? というような、周囲に溶け込めずに浮いている不思議で異質な少女。発達障害を抱えたヒロインの苦悩と、彼女の言動に戸惑いながらも懸命に理解し寄り添おうとする主人公の淡くてほろ苦い青春模様がリアリティたっぷりに描き出されています。発達障害という、昨今よく話題に上りながらも扱いにくく敬遠されがちなテーマに敢えて正面から挑戦する作者様の姿勢に敬意を表しつつ、ぜひ多くの人に読んでほしい作品です。
描写が瑞々しくて良かったと思う。これからも頑張って下さい