面倒な

九十九

面倒な

 引き金を引く時にいつも考えることがある。今日は眠れるかどうか、と言うことだ。気持ち良く眠れるのか、はたまたホットミルクが無いと眠くならないのか、仕事が長引きそもそもベッドにさえ辿り着かないのか、そう言うことを考える。そう言うことを考えて、引き金を引く。自分は温かいベッドで眠り、そうして明日起きられるのだと信じて、引き金を引く。そうでもしないときっと頭の中はこんがらがって何も分からなくなってしまうのだ。

 だからきっとこの先も引き金を引く時には同じことを考える。今日は眠れるだろうか、それだけを考えるのだ。


 面倒だ、と誰かが言った。その声は小さかったけれど、細波のように広がり、やがて大きな波となって周囲を飲み込んだ。そこに居た誰も彼もがやりたくないと顔に貼り付けて、互いを窺った。

 誰も彼もが気乗りのしない仕事だった。子供を撃ち抜くのなんてのはきっとここに居る誰もが遠ざけたいことだろう。それでも仕事が出来てしまったのだから、断るなんて選択肢はない。誰かが行かねばならなかった。

 辺りを見渡す。いくつか合った視線はどれも逸らされた。誰も彼も気が進まないと顔に書いてあった。

 息を一つ吐いて、手を挙げる。周りの視線は一点、こちらへと集中する。

「私が行くよ」

「お前が?」

 上擦った声が上がる。私が頷くと、周囲は互いを窺って口をもごもごと動かす。気乗りはしないが、他者を行かせるには罪悪感のようなものがある、そんな顔をしていた。

「私じゃ駄目?」

「駄目ってことは無いが」

 周囲はどこか困った様に私を見た。周囲は言葉に出さないまま仕草で会話し現状をどうするのか窺い合うと、部屋の奥へと目を向けた。奥には翁が一人、目を瞑って座っている。翁は皆の纏め役だった。

 視線が集まって数秒、翁は目を見開くと私の元までやって来て、真っ直ぐに私の目を見た。

「……子供を撃つんだぞ」

「うん」

「面倒だぞ」

「うん」

「お前さん一人か?」

「勿論、相棒と行くよ」

「子供に」

「子供だったものだよ翁」

「子供だったものに情が映るかも知れん。感傷に足を捕られるかも知れんぞ?」

「引き金を引く時はいつも今日は眠れるか考えてる」

「引き金は重くは無いか?」

「私と相棒に引き金が重かった時なんて無いよ」

 翁は視線を下げ、懐から拳銃を取り出した。一度、哀れな対象に情が移ってしまってから翁は引き金を引くことが出来なくなった。それからずっと翁の拳銃は眠り続けている。

 しわがれた手で撫でる拳銃は綺麗に手入れがされていた。いつでも使えるように手入れされている拳銃の中には、常に六発の弾が入っている。それは一種の祈りの形なのだと翁は言っていた。

「……そうか。なら、お前さん達に任せた方が良いかも知れんな」

 皆子供の姿に何かを重ねてしまうのだ、と翁は呟く。標的に何かを重ねてしまったら皆腕が鈍る。そうして帰って来なかった者達のことを翁は知っている。

「私は、今日も寝に戻って来るよ」

「そうしてくれよ」

 私が戻って来る言うと、翁は目を細めた。

 周囲は、きっと面倒だぞ、と口にしながら、私に自分の分の食料や補給品を挟んでいった。


「凄いことになってるな」

 部屋に戻ると、腕を組んで椅子に座っていた相棒が私を見て驚いたような顔をした。それも無理からぬ話で、今の私にはクリスマスツリーみたいに食料や補給品という名の飾りが身体中に付いていた。

「仕事引き受けたら皆に貰っちゃった」

「面倒な仕事か?」

「子供だったものを撃つの」

「それは面倒な仕事だな」

 相棒は苦笑しながら煙草を一本取り出して口に咥えた。けれど火は付けない。残りの本数が少ないので、最近は仕事終わりにだけ吸っている。

「皆面倒だって言ってたから、私が仕事貰っちゃった」

「それが良い。子供だったものが相手じゃ、あいつらじゃ仕事は面倒になるばかりだろ」

 相棒は一度咥えた煙草を取り出し指でくるくると弄ぶ。

 皆、全部の感情を混ぜ込んだ顔で面倒だと言う。罪悪感も移ろいそうになる情も見ない振りするために面倒だと言う。そうして面倒な仕事に行くと、引き金を引けないから冷たくなって戻ってくる。

「私達なら引き金を引けるから」

 懐から銃を取り出して引き金を撫でる。引くことに後悔も罪悪感も無い私達は、相手が悲しい子供であってもきっと引き金は引ける筈だ。

 至る所に突っ込まれた補給品達を取り出して、自分と相棒の共同保存庫に入れて行く。どれもこれも手に入りにくい物ばかりで、何となく彼等の気持ちが見て取れた。

「他に行ける人が居るなら、行きたくないのに行く必要は無いよね」

 チョコレートバーを二本だけ手元に残して、保存庫の蓋を閉める。一本、相棒に放ると、相棒は難なく受け取った。

「これは秘蔵だったな」

「多分ね」

「これ、今日もう食うのか」

「折角美味しい状態で貰ったからね」

「贅沢だな」

「生きてる時に贅沢しなきゃ」

「それもそうだ」

 相棒はチョコレートバーを眺めながら笑う。賞味期限も切れていない、質の良い大容量のチョコレートバーは、贅沢品だ。普段なら一口サイズのチョコレート一個、飴玉一つあれば良い方である。

「近いうちに煙草も仕入れてえな」

 相棒は手で弄んでいた煙草を掲げてしみじみと言う。残り少ない煙草を想う様はどこか哀愁に満ちていて、面倒な仕事をやった後よりもずっと感情的だ。

「その辺に落ちててくれたら良いんだけどね」

「そうなりゃ苦労は無いな」

「煙草は手に入りにくいからなあ」

「死ぬ程煙草が吸いてえ」

「死ぬ程煙草吸ったら、死んじゃうよ」

「死ぬなら煙草吸って死にてえ」

「好きだね」

「好きだよ。増えねえかな、この煙草」

 じっと煙草を見つめたまま動かなくなった相棒に私は苦笑して、相棒の掲げていた煙草を取り上げた。煙草が関わると割とぽんこつになるこの相棒は、放って置いたら仕事の事など忘れて増えるまで見つめ続けているような気がする。

 相棒の懐に手を突っ込み煙草入れを取り出すと、取り上げた煙草を丁寧に仕舞う。

「はい。煙草は後でね」

「増えねえかな煙草」

「増えると良いね。はい、こっち」

「ん」

 煙草に思いを馳せている相棒の手を引っ張って現実に戻す。相棒は意識を取り戻したようで、チョコレートバーを懐に仕舞うと仕事の支度をし始めた。私もまた、相棒の隣で仕事の準備を始める。弾や手榴弾、簡単な応急処置の道具と先程貰ったチョコレートバーを詰め込んでいくと、程無くして荷物はいっぱいになった。

「ん、着けるからこっち来い」

「うん」

 支度を終えた私達は互いにお守りを着け合う。死の淵に辿り着いてしまった時、縋るものが有った方が楽だと作ったお守りは、仕事に行く前に互いに着け合うのが決まりになっている。どちらかが死んだ時の死体代わりにも、顔が分からなくなった時のための判別タグ代わりにもなる。

「武器庫のおっさんのように失くすなよ」

「うん、運悪く食い千切られないようにする」

 私や相棒のように自分を判別する印を作る者は多い。身体が帰って来る可能性が少ない仕事なので、皆それぞれに身体代わりのものを作るのだ。同時に刺青を身体に入れている者も多い。相棒も腕に入れているが、その刺青が一部分残っていれば身体が無くなっても誰かが分かるようになっている。

 皆、最後は墓の下で穏やかに眠りたいと思っているから、せめて身体の一部、自分の代わりの印だけでも土に呑めて墓を建てて欲しいのだ。

「そろそろ準備が出来たかい?」

 私と相棒の部屋に顔を出してそう聞いてきたのは運び屋だ。私達が仕事をする際の移動や物資の仕入れを主に担当している。運び屋の耳に付けられたピアスが部屋の中の電球を反射して煌めく。あのピアスは運び屋の身体の代わりだ。

「うん、終わったよ」

 私が頷くと、相棒もまた傍らで頷く。部屋を後にする運び屋の背中を追い掛けるようにして二人部屋を出て車へと向かった。


 移動は大抵スムーズだ。運び屋が安全で速いルートを常に更新してくれているお陰で、難なく仕事場まで辿り付ける。それでも時にはアクシデントが起こる。今日がそのいい例だ。

「道が塞がれたね」

 走行中、現れたのは若くも年老いても見える一人の男だった。ぼろぼろの状態で、助かるかどうかは五分五分の状態の身体を引き摺るようにして車の前方に立ち塞がる。男と距離を開けた位置で止まった車の中から、男が何かのスイッチのようなものを押したのが見えた。男の腕を撃つには一拍足りなかった。

 突如鳴った轟音は、上部、そびえ立つ崖の方から聞こえて来た。硬いものが割れる音が響き、上から砂煙を上げて幾つもの岩が落ちてくる。男は道を塞ぎ私達を足止めするつもりだったらしい。下に居た男は何かを願う顔で岩に埋もれていった。

「やられたな」

 運び屋が溜め息を吐く。

「綺麗に塞がれてるね」

「他に道は?」

「あるにはあるけど遠回りだ」

 相棒と運び屋と並び立ち、道を塞ぐ岩を小突く。どう見積もっても今日中に運ぶことは出来ないだろう。

「あの男の人、頼んで来た所の人かな」

「だろうな。そうなると今日の標的も逃がしてる可能性があるな」

「じゃあ、遠回りしている余裕は無いか」

「運び屋、これどうにか出来るか?」

 相棒と揃って運び屋を見ると、いつの間にか運び屋は車のトランクを漁っていた。運び屋の手元を覗きに行くと、ダイナマイトを手にしている。

「これを使う」

 運び屋は手際よく手作りらしきダイナマイトを設置すると、車を下がらせる。私と相棒も運び屋に続いて、車の後ろへと回る。

 点けられた火が導線を焼いて行く。細く煙を上げながら導線を焼き尽くす火はやがて筒へと着火した。三人で頭を伏せた瞬間、鳴る轟音。細かくなった石が方々に飛んで、頭に細かい砂が降り注ぐ。顔を上げると、開けた道が広がっていた。

 細かくなった岩を道端に転がし、三人で車へと乗り込んでその場を後にする。男が埋もれて行った場所には何も残ってはいなかった。


 息を潜めて標準を合わせる。標的はふらふらと覚束ない足取りで彷徨っている。未だ幼さの残るその子供だったものは、恐らく今日の標的の中で一番年上の子供らしかった。よく下の子を見ていたのだろう。建物の中に貼られた写真には他の子供達に囲まれる様にして笑っている写真が多くあった。

 一番大きな子だったから、他の子供よりも難しいことも出来たのだろう。彼女が居る部屋には治療のための道具が幾つも並んでいた。きっと他の子の治療が彼女の役割だったのだろう。

 銃の標準真っ直ぐに子供の頭が通った。私は引き金を引く。果たして今日は眠れるだろうか、とぼんやりと考えながら次の場所に向かう。

「こっちは一番年長の子が一つ居た。そっちは?」

 薄暗い、誰も通らない廊下で相棒と合流する。普段は二人で行動しているが、今日は数が多いため、数メートルの近い位置ではあるが単独行動をしている。と言っても、すぐ相手の異変が分かる位置以上に離れはしないから単独行動とは言えないかもしれないけど。

「ままごとの途中だったんだろ、男児だったものが一つと女児だったものが二つ、部屋の中で彷徨ってた」

「それぞれの部屋に閉じ込められていたのは七つ、出ちゃってたのが三つだからこれで丁度十。後は十八」

「三人居たであろう大人は全員死んでたから、後十八で終わりだ」

「その残りが問題だけどね」

「集団で居るな」

「多分、一番大きくて人が隠れられる場所に居るんだと思う」

「見取り図で見た、あの地下室か」

「地下室に全部居てくれれば良いけれど」

「時間的にも周囲の状況的にも出てたのはあの三つだけだと思うがな」

 銃へ弾を込めながら場所を移動する。

 地下室に目星は付けたが、念のためもう一度他の部屋を見て回る。暗い建物の中はしんと静まり返り、誰の姿も見つからない。

 こじ開けられた裏口から光が差し込み、廊下に一筋の光の道が出来ている。その光が妙に優しく見えて、裏口を閉じ直す。

「あの人、私達が入って来た玄関とこの裏口のドアを開けてったんだね」

「何方も封鎖していた筈だから、そうだろうな」

「地下室までは開けなかったんだね」

「子供が何処に居るのかは掴めなかったんだろ」

 埋もれて行く男の顔を思い出す。あの男の子供だったものが地下室に居るのだろうか。

 地下室へ続く扉がある手前の部屋、並んだ椅子を二つ拝借して座る。地下室から何かが飛び出して来ても、今居る場所を通るので外壁と土を掘って外に出ない限りは見落とす心配は無い。

 銃を片手に持ったまま、相棒と一緒にチョコレートバーを取り出す。こう言う時、休める時には休むようにしているし、食べられるものは食べるようにしている。

 最後の食事に成り得るかもしれないチョコレートバーは賞味期限が切れていないので美味しく、腹持ちも良い。甘い味が脳を痺れさせるのを享受していると、傍らで相棒が笑い、自分の分のチョコレートバーを割って私にくれた。相棒はよく自分の食べ物を私に分け与えてくれるので疑問もなく口を開けて受け取る。

 全て食べ終えると、相棒が先に腰を上げた。

「行くか」

「うん」

「音の感じ、全部下にいるな」

「数が多い時は手榴弾だけど、埋もれたら面倒だから使えないね」

「順々に撃っていくしかないだろうな」

 それぞれ銃に違和感が無いか最後の確認をしながら地下室への扉へと近づく。どこにも問題がないと分かると、頷き合い、扉を開けた。


 耳をつんざくような悲鳴が地下にこだまする。生前の行動を反芻する死体達は最期の瞬間を反芻しているらしい。悲鳴を上げ、逃げ惑う姿は幼さも手伝い悲惨だ。それでもその合間にふっと行動を変え飢えた獣のようにこちらの肉を引きちぎらんと向かってくる。

 狙いを定め、近づいて来た子供だったものを撃ち抜く。寸分の狂いもなく脳みそを貫いた弾丸の音が響いた。

 隣り合わせになった相棒が、再び近付いて来た死体の頭を撃ち抜いているのを横目に残りの様子を見る。どの死体も生前の行動を反芻していてこちらにまとめて向かって来る様子はない。一つ、多くても三つ、ふと行動を変える子供の死体はそんな数なので処理がしやすいが、それもいつまで続くか分からない。自分より小さい子を守るような仕草をするものもいるため、守るためにまとめてこちらに向かってくる可能性も高かった。

 今まで怯えるように頭を抱えて蹲っていた一人の少女だったものが、不意に立ち上がるとこちらを今知覚したように見つめて来た。首に下がるロケットにはどんな写真が入っているのだろうか。大事に伸ばされた茶色い髪は、生前は柔らかく輝くような色を発していたのだろう。柔らかかった頬はひび割れ、けれど血が吹き出すことは無い。

 少女だったものは生気の失せた顔を歪めた。それが泣いているように見えて、ふと埋もれていった男の顔と重なった。

「似ているね」

 呟いて、引き金を引く。今日はゆっくりと眠れるだろうか、とそんなことを考えながら引き金を引く。こちらに一歩踏み出した少女の死体はその場に崩れ落ちた。

「何考えてる?」

「眠ること考えてる」

「俺は煙草のこと考えてる」

「終わったら一本やるんでしょ?」

「やる」

 再び撃ち抜く。とうに命を終えたものが地面へと転がっていく。

 子供だったものは命も無いのに死に怯えたような悲鳴をあげる。既に死は訪れているのに死から遠ざかろうとする。私達はそれを撃ち抜く。引き金を引いて終わりにする。そうしないと人が生きられないから。生きている者達の道を塞がないために仕事をする。

「一つ、輪から外れた」

「俺が処理する」

「了解」

 輪から離れる子供だったものに。こちらへと進行してくる子供だったものに。天井を眺めているだけの子供だったものに。蹲っている子供だったものに。私と相棒は引き金を引く。

 そこに感傷があってはならない。情が移れば足を捕られる。全てを面倒だと一纏めに吐き出して、他のことを想いながら引き金を引くくらいで丁度いい。

 引き金に指を伸ばす。相棒が隣で引き金に指を掛けたのを横目に、最後の仕事に取り掛かる。

 最後に残った二つの死体は手を繋いでいた。兄妹なのか、友人なのか、繋いだ手は離れない。焦点の合わない二対の目がこちらを向き、一歩踏み出した。

 果たして今日は眠れるだろうか。あの温かいベッドの上で安らかに眠れるだろうか。ホットミルクを準備した方が良いだろうか。それなら相棒の分も淹れてあげよう。

 眠ることを想って、最後の引き金を引いた。


 轟々と炎が上がる。炎は死体を呑み込み、空さえ赤く染めようと燃え上がる。もう二度と動くことが無いように炎にくべた身体が炎の中で揺れていた。

「燃えて行くね」

「これでもう動くことは無いだろ」

 ぱちりぱちり、爆ぜた音を上げて死体は燃えて行く。人の形だけ残して、髪も、顔も、性別も、全て失われて行く。

 相棒が煙草を取り出して火を点けた。煙草の煙が炎の煙と空で混ざり合っていくのを横目に、相棒が大きく煙を吸い込むのを見やる。

「旨い」

 ぱかりと開いた口から煙が溢れ出す。吐き出した煙草の煙は燻り、霧散していく。

「今日、ホットミルクを準備しようと思うんだよね」

「ああ、良いんじゃないか」

「相棒の分も淹れてあげる」

「そうか」

「砂糖入れる?」

「そのままで良い」

「そっか」

 相棒の煙草から上がる煙を握ったり離したり手で弄んでいると、相棒が私の手を払って煙草を遠ざける。

「夜までには燃え切るな」

「うん」

 近い所でぱちりと火が爆ぜた。

 火をずっと眺めているせいで目の中に煌めきがあるのを拳で覆って和らげる。拳の隙間から覗いた炎の中で、一回り小さくなった黒色が揺れる。熱に炙られて乾いた目を閉じると、燃える炎が瞼の裏で爆ぜていた。


 頭上の空は赤色から藍色へと姿を変えようとしていた。もう直ぐ夜がやってくる。生きている者が眠りに就く夜がやって来る。

 夜がやって来れば私は温かい布団の中で眠るだろう。何も考えず、ただ安寧の中で眠るだろう。そうしてまた、仕事に出て引き金を引くのだ。

 炎に呑み込まれた小さな身体達を想う。もう直ぐ彼らも安寧の土の下で眠れる。彼等の面倒ごとは終わったのだ。 

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面倒な 九十九 @chimaira

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