世迷鳥-5 終

彼はあるところで休憩をします。


見たところ、何か特別なものがあるわけではありません。


少し休んでいると、もう一羽の鳥がやってきます。


どうやら違うところからやってきた鳥のようです。


二羽は一緒に行動することにしました。


木から木へ移り、木の実を食べてお話します。


その場にいた鳥ともお話をします。


楽しそうに話していると、更に鳥が集まってきます。


「君はどこから来たの?」


「一緒に遊ぼう!」


たくさん声をかけられました。


そしてたくさん話しました。


時間が経つのはあっという間です。


ついに、別れの時がやってきました。


でももう彼は悲しそうな顔はしていません。


笑顔でみんなと挨拶をしました。


彼はやっと気づくことができたのです。


別れがあっても、飛び続ける限りまた出会いがあるのだと。


これからも彼には困難が待ち受けていることでしょう。


でももう大丈夫です。


躓いた分だけ強くなれます。


旅を続ければ楽しいことがたくさん待っています。


そして彼は、今日も飛び続けます。


楽しい明日を追い求めながら。

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詩の短編集 柊 鍵 @nr003

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